生命保険の解約返戻金|基礎知識と損をしない4つのポイント

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生命保険に加入するとき、みなさんは何を気にしていますか?保障内容、保険料、会社が信頼できるかどうか、気にするポイントはたくさんありますね。みなさんは「解約返戻金」についてどれくらいご存知でしょうか。

解約したら戻ってくるやつ、という位のイメージはつかんでいるでしょうか。では実際にどれくらい戻ってくるのかをパッと答えることはできますか?答えられる方は少ないのではないでしょうか。

保険契約時、もしかすると解約返戻金は陰が薄いかもしれません。しかし解約時にはとても大きな存在になります。もしも解約することになったらと考えると、解約返戻金のことを無視するわけにはいきませんよね。

今回は解約返戻金とは何か、その仕組みや損をしないコツなどを紹介します。名前だけを見ると難しそうですが、ひとつずつ理解を進めればそう難しくありません。

1.生命保険における解約返戻金とは

解約返戻金とは、生命保険などの保険を、契約期間中に中途解約したときに戻ってくるお金のことをいいます。

解約返戻金の型

解約返戻金には以下の2つの型があります。

◆従来型
従来型は、通常のように解約返戻金がついているものです。解約返戻金がどれくらい戻ってくるかは「返戻率」によってことなります。これが例えば70%であれば、払い込んだ保険料の7割が戻ってきます。

この返戻率は、保険商品によってことなりますから、契約前に必ず確認をするようにしましょう。

◆低解約返戻型
低解約返戻型は、返戻率を従来型の7割程度に抑えることで、月々の支払い保険料も抑えた商品です。保険期間中の解約返戻金が少なく、払い込みが満了した時点で解約返戻金が増える仕組みになっています。イメージがわきにくいかもしれませんので以下に例を示します。

【低解約返戻型:払込満了の例】

保険商品:「E-終身」(AIG富士生命)
契約内容:35歳男性 保険金額1000万円 60歳満了

月払い保険料:23,180円
保険料払込期間:25年
払い込み総額:約700万円
満了時の解約返戻金:約773万円

上記の契約で保険料を25年間支払い続けると、満了した時点で、解約返戻金の方が払込み総額よりも約73万円多くなっています。このまま契約を続ければ解約返戻金は増え続け、被保険者が死亡した場合は死亡保険金の1000万円が、解約した場合は解約返戻金が支払われます。

こうしてみるとお得に見えますが、同じ保険商品に25年間も保険料を支払い続けるのはそれ相応の覚悟が必要です。もし契約期間中に、より魅力的な商品を見つけたとしても損切りをしないかぎり解約できません。

契約してすぐでもなく、満了直前でもなければ苦しい思いをするでしょう。一見お得に見えますが、そういったデメリットも持ち合わせています。

また上記意外にも「無解約返戻型」と呼ばれるものもあります。読んで字のごとく、解約返戻金がないかたちの保険です。これも、解約返戻金の型といえばそうなのですが、実質的には何か特典があるわけではありません。単純に、解約してもお金は戻らないということです。

解約が早いほど少なくなる

解約返戻金の金額は、解約するのが早いほど少なくなります。払い込んだ保険料(積み立てられている部分)から解約料のようなものが差し引かれるためです。保険会社にとって、費用がかかるのは新規契約をするときです、例えば資料請求の費用や契約時にかかる人件費(契約手続きなど)が挙げられますね。

契約時にかかった費用を払い込んだ保険料から徐々に回収していき、いずれ全ての費用分を集める仕組みになっています。ですから契約したばかりのタイミングで解約をすると、積み立てに充てられた分から未回収の費用を差し引くことになります。早期に解約すると解約返戻金が少なくなるのはこういった仕組みがあるためです。

解約返戻金は貯蓄の代わりになる

解約返戻金のある生命保険は貯蓄の代わりにもなります。先ほど紹介した低解約型の生命保険は、満期日を迎えた以降は解約返戻金が払込み総額を上回っていますね。

その状態で中途解約をすれば、現金として自分の手元に残ります。貯金をしたのと同じ効果が得られますね。ただし解約した場合は保障はなくなってしまいますので、保障を残すのと現金にするのとどちらがいいかを検討する必要がありますね。

いつ支払われる?

さて解約返戻金はいつ支払われるのでしょうか。通常は約1週間で振り込まれるようです。1週間が経過しても振り込まれない場合は問い合わせてみましょう。

2.解約返戻金のある生命保険・ない生命保険

解約返戻金は、全ての生命保険に付いているわけではありません。付いている生命保険と付いていない生命保険は以下のようになります。

解約返戻金の付いている生命保険

◆終身保険
終身保険は基本的に長期の加入が前提となります。そのため長期間払い続ければ解約返戻金を貯蓄のように利用することも可能です。しかし特約をたくさん付加している場合は、払い込んだ保険料の積み立て分が少なくなり、解約返戻金も少なくなる可能性があります。

◆養老保険
養老保険は、ご存じない方のために簡単に解説します。養老保険は「生死混合保険」といって、被保険者が満期日まで生存していた場合と死亡した場合いずれも保険金(同額)が支払われる保険です。

そのため保障を得ながら貯蓄ができ、老後の資金の確保に向いている保険です。養老保険では10年や15年など、ある程度の期間支払いを続けていれば解約をしてもほとんどのお金が戻ってきます。もちろん保険会社によって返戻率は異なりますから加入前に必ず確認をしましょう。

◆学資保険
学資保険は子供の養育費をよういするための保険です。学資保険は解約しないことが前提ですから返戻率は高くなっています。学資保険の場合は解約返戻金を目当てに加入するというよりは満期保険金が目当ての加入がほとんどでしょう。貯蓄が苦手だ、という人向けの保険です。

解約返戻金の付いていない(または少ない)生命保険

◆定期保険
定期保険は、解約返戻金が全くない(掛け捨て)か、あってもほとんど戻らないという保険が多いです。定期保険の場合は10年や20年など定期的に見直しをしますし、乗り換えをする可能性もあります。

保障を得ながら貯蓄をするといった目的に対しては不向きな保険のため解約返戻金をつけない商品がほとんどです。

◆収入保障保険
収入保障保険も基本的に解約返戻金はありません。なぜなら「積み立てる」といった性質がない保険だからです。収入保障保険は通常の保険と異なり、保険金額が年々減少していきます。死亡・高度障害になった時点から満期日までに必要な金額だけを保障するためです。

そういった仕組み上、積み立てる性質はないというのが収入保障保険です。しかし稀に収入保障保険でも解約返戻金を積み立てられるものもあるのです。

三井住友海上あいおい生命の「&LIFE 収入保障保険」は「払い込み期間中無解約返戻金型」という形式の保険です。保険料の払い込み期間中に解約をしても解約返戻金は得られませんが、払込み満了後には解約返戻金を受け取ることができるという仕組みです。

保険料払込期間と保険期間が同じ場合はこれができません。しかし保険料払込期間を短縮した「短期払い」であれば解約返戻金を発生させることができます。

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保険の専門家に保険選びを手伝ってもらうことで解約返戻率が高く、コスパが良い保険が見つかるかもしれません。また2017年4月から生命保険料が高くなるため、値上げ前の加入は今が最後のチャンスです。費用はかかりませんので、まずは一度プロにご相談ください。

3.生命保険の解約返戻金で損をしないために気をつけるべきこと

解約返戻金を意識せずに加入をしてしまい、いざ解約をしてみたらほとんど戻ってこなかった!といった事態は避けたいですよね。そうならないためのポイントは以下の4つです。

保険に加入する目的を確認

解約返戻金ばかりに注目していると本当の目的を忘れがちです。生命保険の基本的な役割は「万が一の事態に備えること」です。自分はどういった事態に備えたいのかをいまいちど考えてみてはいかがでしょうか。

解約返戻金は本当に必要か

保険に入る目的が確認できたら、それを達成するのに解約返戻金が必要かどうかを考えましょう。保障を得ながら貯蓄をしたいのであれば必要かもしれませんね。しかし保障を得ることと貯蓄を分ける方法もあります。

自分にとって解約返戻金が本当に必要かどうかを検討しましょう。解約返戻金を期待するならば、長期の加入が必須です。

加入前に返戻率を確認

解約返戻金が必要だと判断したら、返戻率を確認しましょう。返戻率というのは解約時にどれだけ戻ってくるのかということですね。「全然戻ってこなかった!」というのは、返戻率の確認をしていなかったために起こる現象です。確認不足のために損をしてしまいかねません。

あらかじめどれだけ戻ってくるのかを知っていれば、その金額に驚くことはありませんよね。残念な思いをしないためにも、加入前には返戻率をしっかりと確認しましょう。

安易に加入しない

解約返戻金が全然戻ってこなかった、というのは大抵は確認不足が原因だと思われます。もしかしたら、知人や保険会社の言うままに加入してしまった、という方が多いのではないでしょうか。

「若いうちに」「今しかない」といった言葉を安易に信用してはいけません。
中立の立場でアドバイスをしてくれるFPに相談するなどして、自分で数字をきっちりと確認してからの加入をおすすめします。

返戻率をあげるには

解約返戻金をあてにするならば、返戻率を高くしたいですよね。返戻率を高くするには以下の方法があります。

◆支払い期間を短くする
支払い期間を短くすることで返戻率は上がります。例えば払い込み満了を65歳から65歳にする、一括にする、といった方法があります。他には月払いを年払いにするといった方法もあります。

◆返戻率の高いものを選ぶ
これは当たり前なのですが、同じ保障内容でも保険商品によって返戻率は異なります。同じ保障内容の商品をFPなどに相談してピックアップしてもらうというのもひとつの手段です。その中で、高いものをえらびだすということです。

◆低解約返戻金型を利用する
満期後の返戻率を気にするのであれば、低解約返戻型の保険がおすすめです。低解約返戻型が保険期間中の返戻率こそ低めですが満期日を超えたら返戻率は100%を超えるものがほとんどです。満期後の解約(例えば終身保険において)に焦点をあてるならば低解約返戻型がおすすめですね。

4.生命保険の解約返戻金に税金はかかる?

解約返戻金で戻ってきたお金、税金はかかるのでしょうか。またかかるとしたらどのような税金なのでしょう。

一時所得扱いになる

解約返戻金は、所得税における一時所得として取り扱われます。一時所得とは、営利目的で行われた営み以外から生じた所得のことをいいます。保険金は営利目的の営みで得たお金ではありませんから、一時所得として扱われます。その他には懸賞や競馬などの賞金、埋蔵金の発見者が受ける報労金などが一時所得扱いになります。

税額の計算方法

一時所得の場合、税額の計算方法は次のようになります。

解約返戻金 − 払込み保険料総額 −50万円(特別控除)× 0.5

上の計算を見ると、解約返戻金と払込み保険料総額の差が50万円を肥えない場合は税金がかからないことがわかります。利回りのいい保険商品に加入している場合は税金を収める必要があるかもしれません。

現在はあまり気にしなくてもいい

現在は低利率の時代です。したがって利回りのいい保険商品が出回ることは少ないと考えられます。現在流通している保険商品に関しては、解約返戻金に対する税金はあまり気にしなくてもいいでしょう。

現在よりも利率がよかった時代の保険が継続中の場合は税金がかかるかもしれないので確認することをおすすめします。

5.生命保険の配当金についても知っておこう

生命保険の商品を見ると「配当」や「無配当」 の文字を見かけたことはありませんか?解約返戻金を勉強するついでに、配当についても学んでおきましょう。

配当とは

配当とは、保険契約者に配られるお金のことです。保険会社が保険料を運営した結果に生じた利益を保険契約者に還元する仕組みになっています。保険会社は死亡者数、運用利回り、事業費用の3つを予想して(予定率)事業に取り組みますが、全てが予定したとおりになるとは限りません。

予定よりも実際のお金の方が多かった場合に余剰金が配当として保険契約社に支払われます。この配当がある保険商品を「有配当」、ない商品を「無配当」と呼びます。

有配当の保険は2種類に分かれる

有配当の保険は以下の2種類に分かれます。

◆3利源配当タイプ
予定率(死亡者数、運用利回り、事業費用)と実際の率の差を毎年集計し、余剰金があれば配るといった仕組みのものです。基本的に毎年配当されますが、3年ごとに配当をする保険会社もあるようです。

◆利差配当タイプ
予定利率と実際の運用の差を一定期間ごとに集計して、余剰が生じた場合に配当がされる仕組みのものです。5年ごとに集計・配当されるものが主流のようです。

配当の受け取り方

配当の受け取り方は4種類あります。

◆積み立て
配当金をそのまま積み立てておく方法です。契約期間中に引き出しも可能ですが、積み立てておいた場合は利息がつきます。

◆買増
配当金を一時払い保険料として扱い、保険金を増額したりする方法です。

◆相殺
配当金と保険料を相殺して月々の負担を軽くすることができます。

◆現金
配当金を現金で受け取ります。

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6.まとめ

解約返戻金と聞くと難しそうですが、計算はいたって単純なもの。保険会社のサイトで計算結果が見られる場合もありますから、気軽にチェックしてみてはいかがでしょう。

ただしHPでは簡単なプランしか試算ができない場合がほとんどですから、詳細な計算をしたい場合は保険会社に問い合わせをすることをおすすめします。

大切な数字は、1円単位、1%単位などのように細かく計算することで計画通りにお金を運用することができます。まずは損をしないコツを覚えるところから入ってみてはいかがでしょう。

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