逓増定期保険とは|法人の為の保険金が5倍になる定期保険

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逓増定期保険(ていぞうていきほけん)とは、契約期間満了までに保険金が最大5倍にまで増加する定期保険の一種です。返戻率が良い事や貯蓄性が高い特徴を生かし、法人で逓増定期保険に加入する方も増えています。

今回は、逓増定期保険はどんな保険なのか、どう便利なのか、メリット・デメリットなどを、経理の知識もふまえた上で紹介いたします。

【目次】
逓増定期保険とは|逓増定期保険の特徴
逓増定期保険のメリットとデメリット
逓増定期保険の性質を活かした賢い資産運用法
逓増定期保険に加入する上で抑えておくべきポイントと注意点
逓増定期保険を使った税金対策とは?
逓増定期保険と逓減定期保険の違い
まとめ

逓増定期保険とは|逓増定期保険の特徴

逓増定期保険という名前、初めて聞いたという方が多いのではないでしょうか。逓増定期保険とはどのような保険なのかを見ていきましょう。主な特徴は以下のようになります。

逓増定期保険

保険金額が増加する

逓増定期保険は保険期間が経過するごとに保険金額が増加する保険です。増加する最大金額は契約時に設定した金額の5倍までとされています。定期保険ですから、保険期間が満了した以後の保障はありません。ただし保険期間中の解約返戻金はあります。

定期タイプの保険

お伝えの通り、逓増定期保険は定期保険になりますので、契約期間が定められています。そして、契約期間が終了すると保障もされなくなりますし、期間満了になったとしても満期給付金はありません。

【関連記事】
定期保険の仕組みとメリット・デメリット|他の保険との比較

法人契約を前提としてつくられた

逓増定期保険は法人契約向けの保険商品として開発されました。例えば企業が大きくなると、影響力が大きい人(社長など)に万が一のことがあった場合は会社にとって大きな損害が被ることが予想されます。そういった事態に備えるために、会社の成長に合わせて保険金額が増加するような仕組みにしたものが逓増定期保険です。

また税金対策などに使えたり、資金繰りに使うこともできたりといった特徴もあり、経営者向けの保険商品といえます。

大きな保険金額を設定できる

逓増定期保険は通常の生命保険よりも保険料が高く設定されているため、保険金額自体も高く設定することができます。例えば8000万円として保険契約を結び、最大で5倍ですから、4億円まで保険金額を増やすことができます。

これは会社の成長とともに必要なお金も増えること、法人契約を前提につくられた商品であることが理由です。個人では4億円の保険金があっても持て余してしまいますね。かえってお金の管理が大変になるでしょう。

解約返戻率が100%近くになる時期が早い

逓増定期保険は、途中解約した際の解約返戻率が早い段階で100%近くになることが特徴の一つです。加入からわずか数年で解約返戻率100%に達します。ただ、定期タイプの保険になっているので、解約返戻率は上記の図のように山なりで加入期間が長くなればなるほど下がってくるようになっています。

逓増定期保険のメリットとデメリット

これら逓増定期保険の特徴から、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。こちらでは逓増定期保険のメリットとデメリットをまとめてみました。

逓増定期保険のメリット

税金対策になる

逓増定期保険は税金対策として有効です。税金はどのようにしてかかるのか、税金が減らせる仕組みは上で触れましたね。税金がかかるのは利益の部分で、費用を増やすことで会計上の利益を減らすことができるという仕組みですね。

もしもの備えになる

逓増定期保険は退職金に充てられるだけでなく、もしもの時の資金調達の代わりにもなります。経営が傾いているとき、取引先がつぶれてしまい売掛金が回収できなかったなど、もしものときに役立ちますね。また解約返戻金の7割程度を限度に融資を受けられるというのも利点ですね。

もちろん、保険としての死亡・高度障害保障が付いていますので、契約者(主に経営者)にもしものことがあった時も保険の役割を十分に発揮してくれます。

見通しが立てやすい

逓増定期保険の特徴のひとつに、早い段階で解約返戻金が高くなることがありました。例えば20年後にピークがくるような保険では、どのように利用するかといった見通しが立てづらいですね。その点、逓増定期保険では早く(例えば5年後)にピークがくるものであれば引退や資金調達の見通しもつけやすいですね。

逓増定期保険のデメリット

逓増定期保険のデメリットをまとめると以下のようになります。

返戻率が高い時に解約しにくいケースがある

解約をするならば、もちろん返戻率が高い時にしたいですよね。しかし経営が好調で、解約しにくいケースも考えられます。例えば解約返戻金に見合う費用が発生していなかった(させていなかった)場合、多くのお金が課税対象となりますね。

せっかく返戻率が高い時に解約しても、税金として出ていくのはもったいないと、解約をしにくくなってしまうケースが考えられます。そのため解約するタイミングでなにか費用を発生させるなど、対策を練る必要があります。

返戻率のチェックを忘れると加入した意味が薄れる

逓増定期保険に加入する目的は税金対策や資産の構築が主だと考えられます。そうすると、解約するタイミングはとても重要になります。保険契約時には、解約をするタイミングを懸念していることでしょう。

しかし解約をするのが5年後や10年後であると、どうでしょう。仕事が忙しくなり、解約をするのを忘れていた!といった事態にもなりかねません。返戻率はピークを過ぎると徐々に下がっていき保険期間が満了すると0になります。そのため返戻率はこまめにチェックする必要があります。

逓増定期保険の性質を活かした賢い資産運用法

さて概要を理解したところで、もう少し掘り下げてみましょう。逓増定期保険の上記のような特徴を利用して以下のような方法で賢く資産運用をすることができます。

退職金や設備投資として使える

逓増定期保険は保険期間が終わった後の保障はありませんが、保険期間中は解約返戻金が発生します。例えば保険期間中に退職をした場合、解約返戻金を退職金に充てることが可能です。逓増定期保険は早い段階(早いものは4〜5年)で返戻率が100%近くになることもありますので、貯蓄性の高い保険です。

従業員が退職するタイミングと返戻率が100%を超えてくるタイミングを計算して逓増定期保険に加入することで、退職金を蓄えておくことが可能です。また、数年後に事業拡大を狙っているのであれば、拡大のための投資資金に利用することもできます。

保険料を損金計上できる

逓増定期保険は保険料を損金計上することができます。そのため会計上の所得を減らすことができ、法人税を減らすことができます。なおどれくらい計上できるかは以下のようになっています(国税庁HPより参照)。

保険料の計上区分

①保険期間満了の時における被保険者の年齢が45歳を超えるもの(②又は③に該当するものを除く。)

②保険期間満了の時における被保険者の年齢が70歳を超え、かつ当該保険に加入した時における被保険者の年齢に保険期間の2倍に相当する数を加えた数が95を超えるもの(③に該当するものを除く)

③保険期間満了の時における被保険者の年齢が80歳を超え、かつ当該保険に加入した時における被保険者の年齢に保険期間の2倍に相当する数を加えた数が120を超えるもの(③に該当するものを除く)

上記の区分に従って、①では保険料の1/2、②では1/3、③では1/4を損金計上できる決まりになっています。

融資が受けられる

逓増定期保険は「契約者貸付制度」を利用して、融資を受けることができます。例えば損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の「無配当逓増定期保険」では解約返戻金の7割を上限とした範囲で融資を受けられます。

事業拡大のために多くの資金が必要になってくるケースもあるかと思いますが、解約返戻金の一部から借り入れができる事は安心です。利息も3%未満と銀行からの借り入れより低めに設定されていることが多くなっています。

終身保険に変更できるものもある

基本的には定期保険と同じ性質である逓増定期保険はなんと終身保険へと変更することができるのです。解約返戻金を一時払い保険料という扱いにして、払込み満了の終身保険にするといった仕組みです。なお保険会社によってはできない場合もありますので確認が必要です。

逓増定期保険に加入する上で抑えておくべきポイントと注意点

逓増定期保険に加入する際にはどのようなことに気をつけたらいいのでしょうか。ポイントは以下の3つです。

目的の確認

まずは何のために加入するのかを確認しましょう。特殊なものといえども保険は保険です。加入する目的を明らかにするところがスタートです。目的としては主に以下の3つが挙げられますね。

退職金に充てる

先ほども触れましたが、逓増定期保険は保険期間中であれば解約返戻金が発生しますから、それを退職金として使う方法が浮かびますね。退職するタイミングと解約返戻金が高くなるタイミングを合わせるように調整するのがコツですね。

法人税を抑える

逓増定期保険の支払い保険料は、1/4〜1/2は費用として扱うことができますから所得を減らして法人税を減らせますね。上で紹介した条件を参照してに、自分はどのケースなのかを把握しましょう。なお情報は変わる恐れもありますから、国税庁のHPにて確認するのが最も確実な方法です。

経営資金の補填に充てる

解約返戻金は退職金にあてることも可能ですが、資金調達に充てることも可能です。会社が資金調達をする方法としては融資を受ける、増資をする、といった方法が挙げられますね。

しかし経営が傾いたとき、上記の方法は難しくなります。自分がお金を貸す(投資する)立場になったと思って想像をしてみましょう。お金を返せるか怪しい会社に融資をする金融機関はいませんし、経営が傾いている会社に投資をしてみよう思う投資家もいませんよね。

そういったピンチの際に保険を解約して資金源にまわすことができます。会社にもしものことがあった時のセーフティネットとしての役割も果たします。

いつ加入し、いつ解約をするのか?

解約をするタイミングをあらかじめ想定しておきましょう。例えば50歳で加入をして60歳(退職するタイミング)で解約をするとしましょう。そうしたら、そのタイミングで解約返戻金が高くなる保険に加入した方がより多くのお金を受け取れます。

加入するタイミング、解約するタイミングを考えましょう。このあたりについては独学で考えるのは難しいかもしれません。まずはプランナーやコンサルタントなど、プロフェッショナルな方に相談をするのがいいかもしれませんね。

名義変更をする

逓増定期保険を利用するテクニックのひとつとして、名義変更をする方法があります。たとえば契約者を法人から個人にすることで次のような効果が得られます。

解約直前に名義変更をした場合、解約返戻金を法人の収益として計上せずに済みます(法人税を抑えられる)。また経営者や取締役など、契約者となった個人は解約返戻金を手にすることができます。

逓増定期保険を利用する上での注意点

このようにして逓増定期保険では、主に法人で利用されることになりますが、逓増定期保険を利用する上での注意点が2つあります。

保険料の設定をきちんと行う

逓増定期保険は、短期間で高額な資金を積み立てられますが、毎年の保険料が高額になります。毎年数百万円の資金が会社から出ていくことになりますので、当然会社のキャッシュフローが悪くなります。

そのことが経営を圧迫したり、拡大の資金が賄えないような状況になってしまったら元も子もありません。身の丈のあった保険料をきちんと設定し、あくまでも余裕のある資金で保険料を支払っていくよにしましょう。

【関連記事】
生命保険の死亡保障を算出し自分に必要な保険額を決める手順

解約するタイミングをきちんと押さえておく

お伝えの通り、逓増定期保険の解約返戻率は数年で100%近くまで上がりますが、その後減少していきます。解約のタイミングを逃してしまうと、損をしてしまうケースが考えられます。

どのタイミングで解約をすることがベストなのかを把握しておくことはもちろんですが、さらには退職金支払いや大きな支出をする時期ともきちんと一致するかどうかも綿密に計画建てしておかなくてはなりません。

【関連記事】
生命保険を解約する時に知るべき返戻金と簡単に解約する方法

逓増定期保険を使った税金対策とは?

逓増定期保険での税金対策はどのようにできるのでしょうか。上でも簡単に触れましたが、税金対策と一口にいっても経理の知識がない方は理解が難しいでしょう。ひとつひとつを簡単に解説します。

資産と負債

資産とは簡単に言うと「懐にお金をもたらすもの」で、費用は「懐からお金がでていくもの」です。最もわかりやすいものは売掛金でしょうか。売掛金は後ほど会社の収益に変わる「お金をはらう約束」のようなものですね。負債は借入金がわかりやすですね月末など、決まった時期がきたらお金を返済しなければなりませんから、懐からお金が出ていきます。

収益と費用

収益は、ある一定期間において経済活動をした結果、資産を増加させることになった原因です。製品の売上げやサービスの売上げなどが代表的ですね。ほかには受け取り利息などがあげられます。

費用は経済活動をするにあたってどれくらいの経費がかかったのかということ。代表的なものは人件費や設備投資(返済など)のお金や維持費ですね。そして収益から費用を差し引いた結果が利益となります。

税金は利益にかかる

税金は収益から費用を引いた結果の「利益」の部分にかけられます。したがって逓増定期保険の保険料を損金計上して法人税を抑えられると言っていたのは、保険料を費用の部分に充て、会計上の利益を少なくするということだったのです。

節税することで、事業資金を捻出できる

税金を収めることは大切なことですが、節税をするメリットとは何でしょうか。それは事業活動をする資金を捻出できることです。税金がかけられる利益部分を減らすことで、会社から出ていく現金が減ります。その分会社に残ったお金は、事業活動をする際に使うことができますね。

上場を目指している会社でなければ、利益計上部分を少なくして運転資金の確保をしたほうがいいものを生み出せる確率が高くなるかもしれません(従業員の給料をあげて、やる気をあげるなど)。

逓増定期保険と逓減定期保険の違い

最後に、余談にはなってしまいますが、逓増定期保険とは別に「逓減定期保険」というものがあります。漢字のニュアンスを見れば分かるように、逓減定期保険は保険金が徐々に減っていく定期保険を言います。「三角の保険」とも言われ、個人で加入するには合理的な保険とも言われています。

個人向けに加入する保険

年々保険金が下がっていくことから、逓減定期保険は個人で加入するには適している保険だと言えます。例えば、ご家庭の中の話で言えば、30~40代の一家の大黒柱が働き盛りの時にこそ、もしものことに備えて高額な保険金が必要でしょう。

家庭の出費も、子供の養育費や家のローンなど何かと多く出費がかさむ時期です。年齢が上がるにつれて、出費の必要性も少なくなっていくので逓減定期保険は個人で加入するには合理的です。似たような保険に「収入保障保険」というものもあります。

【関連記事】
収入保障保険とは|最大の特徴とメリット・デメリット

まとめ

いかがでしたか?逓増定期保険は少し特殊な保険で、難しかったかもしれませんね。とくに会社をまだ経営されていない方や、経理の知識がない方にとってはとても難しい内容です。

おもな役割は税金対策や退職金、資金調達に充てられることでしたね。加入する際に重要なのが、タイミング。タイミングとは、加入するタイミングと解約するタイミング、返戻率が高くなるタイミングのことですね。

返戻率が高くなるタイミングで解約をすることが上手に利用するコツで、細かいテクニックとしては名義変更がありました。名義変更は法人から個人へと変更することで、雑収入として計上せずに済み、また個人としてお金を得られるメリットが受けられることがわかりました。

難しい保険かもしれませんが、しっかりと理解をすれば便利な保険です。かしこくしっかりと使っていきたいですね。

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