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終身保険の返戻率を高める方法|低解約返戻金型終身保険のメリット

終身保険の返戻率とは、支払ったすべての保険料に対して、解約した際に支払われる返戻金の割合のことをいいます。

終身保険は死亡や高度障害になった際に備える保障の機能と、解約した際の解約返戻金による貯蓄の機能という2つの役割をはたす保険です。

終身保険の加入を検討する際には、貯蓄を重視する人も少なくないでしょう。そういった人におすすめなのが、『低解約返戻金型終身保険』です

低解約返戻金型終身保険とは、保険料払い込み期間中の解約返戻金が低い代わりに、保険料が安く設定されている終身保険のこと。

上の図のように保険料を払い込むまでは解約返戻率が100%を下回り、解約してしまうと損になってしまいますが、払い込んだ後は解約返戻率がそれまでの保険料を上回ります。

この記事では、低解約返戻金型終身保険の具体的な特徴や、どのような方に向いている保険なのかを解説していきます。

低解約返戻金型終身保険の特徴

低解約返戻金型終身保険とは、どのような特徴と仕組みの保険なのでしょうか。

まずは、低解約返戻金型終身保険の特徴と仕組みについてご説明していきます。

特徴1:終身保険の一種

低解約返戻型終身保険とは、「終身」と名前につくだけあって、終身保険の一種です。

終身保険とは「一生涯の保障がついている保険」のことです。反対に、終身でないものは「定期保険」と呼ばれ、更新型の保険になります。

 

【関連記事】終身保険について詳しく知る

終身保険とは保障が一生続く保険のことで、以下のような特徴があります。

  1. 保障は死亡および高度障害のみ
  2. 月払い・年払いなど支払方法が選べる
  3. 払い込み期間が選べる
  4. 貯蓄できる
  5. 4つのタイプがある

また、終身保険は貯蓄に自信がない人にはおすすめですが、保障部分だけを重視する人にはあまりおすすめしません。

以下の記事では、終身保険について詳しく解説していますので、併せて参考にしてください。

終身保険とは|終身保険の5つのメリットと3つのデメリット

特徴2:一生涯保険料が上がることがない

終身型保険の良い点は一生涯保険料が上がることがない点にあります。

一方で定期保険は、ある一定の期間がくる度に更新をしなくてはなりません。

そして、更新をする度に、その時々の健康状態や年齢に応じて料金が高くなってしまうというデメリットがあります。

特徴3:貯蓄性がある 

また、終身保険の特徴としては、一生涯の保障がついているだけでなく、貯蓄性があることも挙げられるでしょう。

支払った保険料の一部が、一定の利率に応じてどんどんたまっていくのです。このたまっていくお金のことを、「解約返戻金」と呼びます。

もしも支払期間中に解約した場合は、それまでたまっていたお金が戻ってきます。

【関連記事】解約返戻金について詳しく知る

解約返戻金とは、生命保険などを契約期間中に中途解約したときに戻ってくるお金のこと。

ただ、以下のことに注意しないと損をすることになりかねません。

  1. 保険に加入する目的を確認
  2. 解約返戻金の必要性
  3. 返戻率の確認 など

また、解約返戻金は一時所得であるため、所得税が発生します。

以下の記事では、解約返戻金の概要と所得税の計算方法について詳しく解説しています。併せてさんこうにしてください。

生命保険の解約返戻金|基礎知識と損をしない4つのポイント

特徴4:保険料を全額払い込むまでは解約返戻率が低い

「低解約返戻金型」と名前が付くだけあって、解約返戻率が低いことが特徴です。

しかし、これは保険料を全て払い込むまでの話であって、保険料を全て払い込めば解約返戻率がグンと高くなります。

特徴5:保険料を払い込むと解約返戻金が大幅に上がる

そして、低解約返戻金型終身保険の最大の特徴は保険料を全て払い込むと大幅に解約返戻率が上がることです。

以下の図をご覧ください。

解約返戻率
年齢 通常タイプ 低解約返戻金型
40歳 85% 75%
45歳 89% 80%
50歳 93% 85%
55歳 96% 90%
60歳 99% 95%
65歳 103% 110%
70歳 105% 115%
75歳 108% 120%

これはあくまでも例なのですが、低解約返戻金型終身保険は保険料の払い込みが完了するまでは、解約返戻金が低くなっています。

通常の終身保険よりもこれは目に見えて違うでしょう。

しかし、おおよそ60~65歳で保険料を払い込み済みますが、その後は大幅に返戻率が上がり、それまで払い込んだ保険料をグングン上回ってきます。

このことから、低解約返戻金型終身保険は長期的な資産運用にも適しています。

低解約返戻金型終身保険のメリット・デメリット

低解約返戻金型終身保険は支払った金額に対してたまるお金の割合が通常の終身保険に比べて少ないということは先ほどお伝えしました。

しかし、低解約返戻金型終身保険でも保険料を払い込めば解約返戻金もそれまでの保険料を上回り、貯蓄としての性能も十分に持ち合わせることができます。

こちらでは、低解約返戻金型終身保険のメリット・デメリットをまとめてみました。

メリット

メリット1:通常の終身保険にはない保障や特徴がある

通常の終身保険では死亡保障しか対応していないのに、低解約返戻金のタイプなら病気や介護などに手厚く対応することも可能です。

低金利ではあるもののお金もたまっていく仕組みであるというようなことです。

メリット2:支払い満了時期までは低金利でも、支払い満了時に一気に解約返戻金が戻る

例えば、60歳までを支払期間としていた低解約返戻型終身保険に加入した場合を例に挙げて考えてみましょう。

59歳までは解約返戻金の返戻率が70%だったものが、60歳になると100%になるようなイメージです。

つまり、一度定めた支払期間まで払い続けることを前提として加入したほうが、最終的な貯蓄は増えるということになります。

「掛け捨て型の保険でお金がまったくたまらない」「病気に対応するだけの保険に入るよりも、お金をためながら保障をしっかり備えたい」という場合には、非常に適しているといえます。

メリット3:通常の終身保険と比べて保険料が安く済む

低解約返戻金型終身保険は、通常の終身保険に比べると保険料が安いことがメリットです。

いくら貯蓄性の高い終身保険でも、月々の保険料が生活を圧迫してしまい、途中解約をしてしまえば元も子もありません。

これは、毎日の生活においてとてもありがたいメリットであると言えるでしょう。

メリット4:万が一解約をした際に受け取った金額を「一時所得」として受け取ることができる

低解約返戻金型終身保険に限りませんが、保険ならではの貯蓄の良さとして、万が一解約をした際に受け取った金額を「一時所得」として受け取ることができることにも着目すべきです。

一時所得で受け取ると、金額が50万円を超えなければ非課税になります。

メリット5:死亡後の節税対策にもなる

低解約返戻金型終身保険は死亡や重篤な状態になった際の保障ですので、保険金を残された家族のためのお金として活用できます。

遺産を保険金として受け取った場合は、受け取った金額によって生命保険非課税となります。

生命保険非課税の対象

500万円 × 法定相続人の数 = 非課税限度額

なお、保険金の受取人が法定相続人ではない場合は非課税対象ではなくなってしまうので、受取人が法定相続人であるかの確認をするようにしてください。

【関連記事】生命保険の税金について詳しく知る

生命保険の保険金は、保険金の受取人によって、『所得税』『相続税』『贈与税』のいずれかがかかってしまいます。しかし、以下の対応をすることで節税が可能です。

  • 被保険者と契約者を同一にする
  • 保険料を一括で支払う

 

以下の記事では、生命保険の税金の基礎知識や、節税する方法について詳しく解説していますので、併せて参考にしてください。

生命保険の死亡保険金を受け取った際にかかる税金の種類と節税する方法
死亡保険金で節税する方法|受取人を配偶者にして相続税扱いにする

メリット6:貯蓄癖がつく

あとの項目「支払い満了時期までは返戻率が低くなってしまう」でもお伝えしていますが、程解約返戻金型終身保険は払込期間中に解約してしまうと損をしてしまう可能性の高い保険です

そのため、損をしたくないという人は期間満了まで払い続けるため「貯蓄癖」がつきやすくなります。

デメリット 

デメリット1:支払い満了時期までは返戻率が低くなってしまう

返戻率が低いということは、解約返戻金が通常の終身保険に比べてたまりにくいということです。

返戻率が低いほどお金がたまりにくく、早く解約をしてしまうと損をしてしまう可能性が高くなります。

ただ、返戻率が低いとは言え、しっかりとした死亡保障もありながら掛け捨てではないというのは非常に魅力的です。

さまざまな状況をカバーしてくれる、メリットの多い保険であると言えるでしょう。

デメリット2:保険の見直しがしにくい

また、契約したからにはある程度長期間保険料を払い続けないと損をしてしまうため、途中で保険を見直すことが難しい保険の種類です。

加入前にはきちんと保険の事を調べた上で加入する必要があります。

デメリット3:現金化しにくい

上記の早期の解約をしてしまうと損をしてしまうことから、簡単に現金化できないことは一つのデメリットです。

いざお金が必要になった時に、貯蓄などがなければ、低解約返戻金型終身保険を泣く泣く解約して、現金化しなければならないかもしれません。

お伝えの通り、早すぎる解約は損しかありませんので、低解約返戻金型終身保険の加入をするのであれば、別である程度の貯蓄をしていくことがおすすめです。

デメリット4:インフレに弱い

インフレとは、物価(モノの値段)が上がることをいいます。

低解約返戻金型終身保険は保険料払込みまで解約できませんが、その間にインフレが発生するリスクも考えられます。

インフレが発生すると、相対的にお金の価値が下がってしまうため、お金が名目上増えたとしても、実質的な価値が下がってしまう可能性があります。

低解約返戻金型終身保険の活用法

このようなことから低解約返戻金型終身保険の活用法としては、どのようなものがあるのでしょうか。

以下に具体的な例を挙げていきます。

活用法1:死亡時に保険金をもらえる

まず、保険の第一の目的でもある被保険者にもしものことがあった時に活躍します。

低解約返戻金型終身保険にももちろん死亡保障がついており、被保険者が死亡してしまった時は保険金が支払われます。

お伝えの通り、低解約返戻金型終身保険は終身保険なので、途中解約しない限り死亡保障が一生涯されます。

被保険者である一家の大黒柱が亡くなってしまった時も死亡保険金によって家族の生活の足しになります。

活用法2:子供の学費・養育費のための貯蓄にする

低解約返戻金型終身保険は、学資保険の代用としても使うことができます。子どもの教育費は、入学金や塾の費用など、膨大なお金が必要になってきます。

幼稚園から大学まで、すべて国公立でも約800万円、すべて私立だと約2500万円かかるとも言われているのです。

その際に、保険でためたお金を貸付し、使うことができます。

自分で銀行の口座にお金をためることが苦手だという方は、保険のように引き落としで勝手にお金をためてくれる仕組みを利用することが賢い手法だと言えるでしょう。

活用法3:自由なタイミングでたまったお金を受け取る

低解約返戻金型終身保険は自由なタイミングで受け取ることが可能です。たまっているお金の一部を引き出すこともできます。

そのため、「一部を大学の入学金に使い、残りのお金をため続ける」というように、さまざまな用途に合った使い方ができます。

貯蓄だけに偏らない点は、今後子どもが大きくなるまでなにが起こるかわからないということを考えると、安心できる材料のひとつになることでしょう。

活用法4:老後の蓄えにする

低解約返戻金型終身保険は、保険料を払い込むと解約返戻金がそれまでの保険料を上回ります。

通常60~65歳までには保険料が払込済みになるような契約を結びます。

つまり、定年退職後に解約しても損をすることはなく、解約返戻金を老後の生活資金にも回すこともできます。

同じように老後の蓄えのための保険として、「養老保険」がありますが、こちらは満期になると保険金が支払われますが、その後の死亡保険はついていません。

老後は、死亡保障を残すこともできるし、解約返戻金を受け取ることもできる低解約返戻金型終身保険は非常に融通の利く保険だと言えます。

活用法5:相続税対策として使う

先の項目「死亡後の節税対策にもなる」でもお伝えしましたが、話題の相続税対策としても、低解約返戻金型終身保険の活用は有効です。

現金だと相続税がかかってしまいますが、保険であれば非課税枠があるというメリットがあります。

また、保険はお金の受取人を指定できるため、相続ならぬ争族になることを免れることができるかもしれません。

さらに、保険金受取人には複数人を指定できるため、身内で争いが起きることを防げます。受取人を指定できれば、遺言をしていなかったとしても自分の意向通りに分割されるので安心です。

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活用法6:葬儀代にあてる

身内の不幸が起こる時期は誰にも予測できません。ある日突然葬式をすることになり、葬儀代が必要になることもあるでしょう。

葬儀代の平均は、全国平均で約200万円と言われています(財団法人日本消費者協会の調査より)。意外と高額で、驚く方も多いのではないかと思います。

その上、葬儀代はその場で現金一括払いにするのが一般的です。まとまった額であるため、誰しもがしっかりと準備できているものではないでしょう。

貯金がある程度あれば問題ありませんが、もし貯金がない場合は、どのようにお金をまかなえばよいのでしょうか。

そんなとき、この低解約返戻金型終身保険を利用できます。まとまったお金を一括で引き出すことができるため、支払いに役立つでしょう。

もちろん、たまっているお金の一部を引き出すことも可能です。

活用法7:介護費用として備える

高齢化が進む現代では、介護の問題は非常に深刻になってきました。要介護状態になった場合、介護ベッドを購入したり、家をリフォームしたり、施設に入所したりと、膨大なお金が必要になってきます。

生命保険文化センターの調べによると、1人あたり平均約300万円は必要と言われています。

介護が必要となるまでにお金を準備できていなかった場合、保険の貯蓄を利用して、足しにできるかもしれません。

このように、低解約返戻金型終身保険を使えば、銀行とはまた別に貯蓄をすることが可能です。

それでは、低解約返戻金型終身保険には具体的にどのような商品があるのでしょうか。

肝心な実際の商品を比較して見てみましょう。

低解約返戻金型終身保険に適した人

それでは最後に、低解約返戻金型終身保険はどのような方に向いているのでしょうか。

具体的には保険のプロである保険会社の人やファイナンシャルプランナーなどに直接聞いてみることが一番ですが、こちらでおおよその適した人の特徴をお伝えします。

ある程度の貯蓄がある方

まず何度も申していますが、低解約返戻金型終身保険は早い段階で解約してしまえばそれまでの保険料を解約返戻金が下回り、大きく損をしてしまいます。

いくら低解約返戻金型終身保険が他の終身保険よりも保険料安めだとしても、失業や病気などで保険料が支払えなくなったり、大きな出費が必要になってしまえば、解約をせざる得ないかもしれません。

そこで、低解約返戻金型終身保険はすでにある程度の貯蓄がある方、もしくは今後別で貯蓄を考えている方が余裕をもって加入するようにしましょう。

老後の資金調達をお考えの方

低解約返戻金型終身保険は保険料を払い込むと、解約返戻金としてまとめて大きな現金を受け取れますし、解約しなければ死亡保障が一生涯に続く融通が利かせやすい保険です。

すぐには使わないけど、老後の生活資金をためたいのなら低解約返戻金型終身保険は非常におすすめです。

最低限の保障が欲しいのであれば「定期保険」や「共済保険」

「日々の保険料が高いと苦しい、でも最低限の保障は付けておきたい。」とお考えの方は、貯蓄性はないものの、保険料が安く保障に優れている「定期保険」や「共済保険」がおすすめです。

保険商品にもよりますが、契約期間中はおおよそ半分程度の保険料で同等の死亡保障などを受けることも可能です。

【関連記事】定期保険・共済について詳しく知る

定期保険は掛け捨て保険とも呼ばれ、10年間もしくは60歳までなど、期限を設けて死亡や高度障害に備えるための保険です。

保険料が安い、見直しがしやすいというメリットがあるため、貯蓄より保障を重視する人におすすめです。

また、共済とは、民間の保険とは違い、利益を重視しない相互扶助の理念のもと、死亡などに備えるものです。

共済にも、掛け金が安いわりに保障がしっかいしているといったメリットがあります。

以下の記事では、定期保険や共済について詳しく解説していますので、併せて参考にしてください。

定期保険の仕組みとメリット・デメリット|他の保険との比較
生命共済とは|共済選びを失敗しないために知っておくべき事まとめ

まとめ

低解約返戻金型終身保険には、保険料を安くできたり、貯蓄性があったりと、さまざまなメリットがあります。

保険料払い込みまでは返戻率が低いというデメリットや、他のタイプの保険についてもよく理解した上で、ぜひ選んでみてください。

うまく利点を活かして教育費・葬儀代に対応できるようにし、また死亡保障などで万が一にも備えて、安心して過ごせる将来をつくっていきましょう。

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