「アプリから保険に加入!?AIによって保険料が決まる革新的なスマホ保険について調査してみた」

Pocket
LINEで送る

近年、保険業界もITのめまぐるしい技術革新が起こっています。特に海外では保険業界が今後10年で4倍の成長見込みになると伝えられていたり、最先端のウェアラブルデバイスを使った保険などもリリースされています。

そんな中、日本でもなんとアプリから加入できるスマホ用保険が発表されました。しかもAIによって日々のリスクをスコア化し、安全であればあるほど保険料が下がるというから驚きです。

今回は、まさに近年の技術革新のトレンドを抑えた最先端の保険を紹介します。「justInCase」社の「スマホ保険」の特徴をチェックすると共に、なぜ今こうしたITを活用したという保険が必要なのか? justInCase社CEO「畑 加寿也」氏にインタビューを行ないました。

 

アプリだけで加入できるスマホ用保険「スマホ保険」

アプリだけで加入できるという「スマホ保険」に実際に加入してみました。スマホ保険はスマホ本体の修理費用を負担します。「水濡れ」「故障」「破損」「盗難紛失」などの際に保険金が支払われるという保険です。キャリアやAppleの保険と違い、中古のiPhoneでも加入することができるのが特徴です。

加入手順は手軽で簡単です。iPhone用アプリ(Androidは後日ローンチ予定)をインストールすると、現在の機種が自動的に表示されるので、端末の修理に対する「支払い上限額」を確認。実際にかかった修理費用から「自己負担金額」を差し引いた金額が保険金としてユーザーに支払われます。

なお、自己負担金額は「0円」にすると毎月の保険料は963円ですが、自己負担金額を「3,500円」にすると保険料は月額851円になります。加入者はこの2種類から月々の保険料と自己負担金額を決められるのです。

 

あとは画面の指示に従ってスマホのIMEI(スマホ固有ナンバー)や、個人情報、クレジットカードなどの情報を入力していくだけ。スマホの状態を確かめるためにスマホを鏡に移して動画を撮影するといったその他、審査があります。しかし、本当にスマホだけで保険に加入することができました。この間わずか5分もかかっていません。

スマホ保険は3ヶ月満期の保険となり、解約しなければ自動更新。保険の対象端末や月額料金、保険の金額、満了予定日時はアプリから確認できます。また、ユニークなのがAI解析を利用した「安全スコアランキング」です。こちらはスマホの使い方から「安全度」をAIが判断。安全度に応じて次回の月額料金が割引されるというもの。

こうしてアプリやAIといった最新のテクノロジーを採用しているのが、justInCase社ならではのアプローチです。では、この「IT×保険」というこれまでにない技術革新を推し進めるのか、そして保険は今後どう変わっていくのか? その未来についてお話をお伺いしました。

 

「スマホ保険」はどうやって生まれたのか? CEOインタビュー

−−justInCase社の「スマホ保険」はどんな経緯でスタートしたのでしょうか?

今年6月に「少額短期保険業」という保険のライセンスを取得しまして、基本的にアプリを使った保険をやっている会社です。面白い保険の商品を作る!というところをテーマにしています。

規模の大きな保険業者さんですと、金融庁に審査に行くのに時間がかかったり、システムを作るのに時間がかかったりと、単価が小さい保険はポンポン作れません。少額短期保険業者という業態があるなら、単価が安いものをどんどん作っていく会社が日本にあってもいいのではないかと思って、始めた会社です。

 
−−スマホやAIといったテクノロジーを採用しているあたりが、今までの保険商品というイメージからかけ離れていると感じたのですが、なぜITを活用しようと思ったのでしょう?

現在では、インターネットが発達し、データと人をつなげることで、スコアリングもできるようになったというのが大きいですね。10年前はスマホも、Facebookなどのサービスも無くて、コネクティビティのない時代でしたが、今ではITサービスが便利に活用されています。保険もまたそうして変化すべきと感じていました。

海外を見たらそういう事例もありましたが、日本ではまだやっているところはありませんでしたし、率先して技術を取り入れる企業があっても良いと思ったんです。

 
−−スマホを対象とした保険にするというのは、最初から決まっていたのでしょうか?

プロトタイプを作る前からずっと決めてましたね。ただ、僕らはデータ分析が得意なのですが、最初はデータを取得する術がないのです。しかし、アプリをインストールすることで、利用している端末がわかります。また、スマホには加速度センサーなどが入っていて、歩数もチェックでき、利用方法などもある程度わかります。ならばいっそのこと、そのデータを元にアプリから加入できる保険として提案できると思ったんです。

 

AIを活用したデータ分析でリスクを判断

−−そのデータ分析が、「安全スコア」に反映されて値引きされるのがユニークですよね。これはどういった基準で判断しているのですか?

基本的にはスマホ内にあるジャイロ加速度センサーや歩数です。保険って規制が厳しいので、結構細かく判断しています。センサーから得られる情報で、匿名性を保った上で、データから人をある程度分類しているんです。リスク高そうな人、普通そうな人、リスク低そうな人。などですね。そして2ステップ目は実際どうだったかといったところを見ます。

これはそのまま当てはまらないのですが、例えばセンサーの動きから「あまり活発に動いてないぞ。主婦っぽいぞ」と判断したとしても、でもたまたま子供がぼん!と落としてしまうケースもありますよね。主婦っぽい人は子供にYouTubeをたくさん見せるから壊れる確率高いかもしれない。なんて予想も立ち得ます。そして実際壊れたとしたら、僕らは保険金請求が来てしまうので、そうすると合理的かつ妥当に分類したリスクから補償を導き出さなければいけません。

また、歩数に関しては8000歩だったらその8000歩がどのように達成されたか?というのも大事です。通勤通学の時間帯にだけだったら、その時間この人は歩いている。一方で昼間も歩いているようなら、営業の人かもしれない。歩いている時間によっても、人の分類化は細かくできます。

さらに完璧ではありませんが、センサーによって落とす回数なども数えられるんです。やはり日々活発に動くよりも、落下させる方がスマホにとってはリスクが高いので、そのあたりも加味して妥当になるように分類しています。

 
−−なるほど。AIによる解析によってかなり細かく分類された上でのスコアなのですね。これは将来的には他の保険へと応用していくアイデアなどもあるのでしょうか?

例えば、たくさん歩いてスマホを壊しやすい人は、運動量が多いので、健康かもしれない。そうしたデータがもし統計的に出てきたら、スマホの保険料の割引はゼロ円で高いかもしれませんが、そのかわりにがん保険や医療保険に関しては、割引を多く付けられるかもしれない。スマホのデータから、健康度を定めて割引する保険もできるかもしれません。そうした身近なところにあるテクノロジーを使って保険の幅を広げていきたいなと思っています。さまざまなIoT機器が増えていますし、保険もそうして変わっていくと思います。

 
−−アプリから保険の内容を確認できたり、「安全スコア」を気にするようになったりと、自分の保険を常にチェックするサイクルが生まれるのが現代的ですよね。

アプリで保険に入ったとしても、加入するときしか起動しないとメリットが少ないですよね。ならばニュースアプリほどではないにせよ、たまには開いてもらうようにしてもいいのでは?という狙いで、ソーシャル性を取り入れました。

また、損害保険の中には「全部カバーします」という文言のあとに、「ただし〜〜〜〜はカバーしません」と小さくたくさん書いてある事例もありますよね。注意書きを読んで全てを理解するのも大変ですし、実際に保険に加入していても、請求する段階になって「それは対象外です」となってしまうこともあります。

そのような保険商品の方が、サービスとして収益的には良い場合もあるのですが、シンプルでわかりやすく、ユーザーとの関係性を築ける保険サービスもあってもいいのではないか。時代にもあってるのではないか。といった思いもあります。保険の内容がクラウドに入っていれば、証書や資料などを保管しておかずとも、クラウドからすぐに確認できますしね。

 

今後の保険のあり方。justInCaseの目指す保険の未来

−−今後、どういったサービスや技術革新を考えていますか? それによって今後の保険のスタイルは変わっていくのでしょうか?

他の業界も同じだと思いますが、スタートアップの方がヒト・モノ・カネはありませんが、できることが多い。その武器を使って、保険業界を中から変えていこうといった思いもあります。今後は保険をばらまくじゃないですが、めちゃくちゃ安い1日単位のモノ保険やケガの保険や、季節限定の保険など。なんでそんな保険作るの?といったようなものも作っていきたいですね。

また、ユーザーさんからの声も聞きたいですね。こちらも保険業界に凝り固まっちゃっているところもあるので、ユーザーさんの方が柔軟かもしれません。ユーザーの声を聞くというのは、僕らのブランドですし、そこは大事にしていきたいですね。

そしてなにより、僕らのアイデンティティは「面白い保険をどんどん作っていくこと」です。他社さんにはなかなか難しい少額短期保険業であって、自社でシステムを作っているところの利点を伸ばしていきたいなと思っています。

 

現代、刻一刻と変わりつつある保険の姿

保険業界は今後どんどん進化していくITとAIを使って、便利で、安心で、手軽で、カジュアルなものが生まれています。

保険という商品のイメージを覆したjustInCaseの試みはまさに革新的! 現代のニーズに沿った、現代風な保険のスタイルは、実際に自分で契約してみてもわかりやすく、そして直感的なものでした。このスタイルが今後も流行っていくとしたら、保険はさらに身近で安心できるものへと変わっていくような期待感もあります。

現代、文化やテクノロジーは目まぐるしく進化し続けています。そして、保険もまた歩みを進める時に立っているのではないでしょうか。

Pocket
LINEで送る

種類別人気コラム

  • 生命保険
  • 損害保険
  • その他の保険

保険トピックニュース

  • 人気
  • 新着
  1. 1位

    義父が自動車保険をネット保険ではなく代理店で更新し続けていた理由

    義父が自動車保険をネット保険ではなく代理店で更新し続けていた理由

    皆さまはじめまして! 新・ぜんそく力な日常と言う実体験をもとにした絵日記ブログを運営している碧乃あか男と申します。 今回初めて、保険コネクト様で記事を書かせていただく事になりました。 どうぞ...

  2. 2位

    がんで破産しないために…がん保険が適用されないケースまとめ

    がんで破産しないために…がん保険が適用されないケースまとめ

    がんを患った芸能人の訃報が続く2018年。がんに対して不安を感じてはいても、「がん保険がよく分からない」「なぜがん保険が必要なのか疑問」という人もいらっしゃるのではないでしょうか。 がんに対する備え...

  3. 3位

    アフラックから新発売「かしこく備える終身保険」で顧客ニーズに対応

    アフラックから新発売「かしこく備える終身保険」で顧客ニーズに対応

    2018年7月23日にアフラックより新しい終身保険、かしこく備える終身保険が発売されました。 今回はこの、かしこく備える終身保険のおすすめポイントと特徴をご紹介します。 解約返戻率を抑える代わ...

  4. 4位

    日本の経済ってどうなんだろう?色々と気になる「お金の話」を美人経済評論家に聞いてみた。

    日本の経済ってどうなんだろう?色々と気になる「お金の話」を美人経済評論家に聞いてみた。

    こんにちは。保険ライターの紳さんです。   皆さん、景気はどうですか?   「ぼちぼちでんな」、と答えられる方はどれほどいらっしゃるのでしょうか。僕はここ数年、...

  5. 5位

    保険はカジュアルに加入する時代!?LINEで申し込める「LINEほけん」が便利

    保険はカジュアルに加入する時代!?LINEで申し込める「LINEほけん」が便利

    近年、保険への窓口は大きく広がりました。紙の書類にサインをするものだけでなく、ネットを使って保険を申し込めるようになり、昔に比べれば手軽さも増しています。しかし、ネットでOK!と言われても、加入のたびに本...

  1. 「安さだけ」と思ってない?通販型自動車保険の本当の賢い選び方

    「安さだけ」と思ってない?通販型自動車保険の本当の賢い選び方

    任意加入の自動車保険は、代理店やディーラーで加入する人が多いですが、最近はインターネット経由で加入できる通販型の保険が増えたことで、加入手続きが簡単になり、保険料をセーブできるようにもなりました。 ...

  2. 美術品に保険をかけられるって本当?もしもの時に備えるプロの査定保険【アイ・アート・アセット株式会社】

    美術品に保険をかけられるって本当?もしもの時に備えるプロの査定保険【アイ・アート・アセット株式会社】

    美術品は資産であり、見る人、愛でる人の心を豊かにするものでもあります。 ただ、保有者には常に「盗まれたらどうしよう」「傷ついたらどうしよう」などの不安が付きまといます。 高価なもの、大切なものであ...

  3. 半年で10万人以上が利用。ロボットアドバイザー「ドーナツ」が保険見直しの「面倒くさい」を1分で解決

    半年で10万人以上が利用。ロボットアドバイザー「ドーナツ」が保険見直しの「面倒くさい」を1分で解決

    保険は、年齢や仕事・生活の環境に応じて見直す必要があります。 しかし、これがなかなか面倒な作業。 「時間がある時にやろう」と先送りにしてしまう人も多いのではないでしょうか。 そんな時に便利な...

  4. 保険業界にテクノロジーで変革を。加入者へのメリットは?InsurTechの第一人者が語る

    保険業界にテクノロジーで変革を。加入者へのメリットは?InsurTechの第一人者が語る

    突然ですが質問です。 加入している保険の保険証券、いまどこにあるか知っていますか? 「そういえば?」と思った方はいませんか? 保険証券は加入している保険の情報が記載されている大事なものですが...

  5. 保険のいらない社会へ。子供への犯罪を未然に防ぐ保険会社の新たな挑戦とは?

    保険のいらない社会へ。子供への犯罪を未然に防ぐ保険会社の新たな挑戦とは?

    GPSやIoTなどの技術を活用した子供を見守るサービスが増えています。 子供の安全確保は親にとってもっとも大事なことの1つ。少子高齢化が進む中では、社会全体で子供を守っていく取り組みが求められていま...

生命保険 680×170