ハラスメントに備える保険の需要急増。販売件数は6割増。

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近年、セクシャルハラスメント(セクハラ)・パワーハラスメント(パワハラ)など、ハラスメントに関するトラブルが増えています。

ハラスメントを受けた個人から企業が訴えられその結果として高額な慰謝料や和解金を請求される事例も多く、ハラスメントに備える保険の需要も急増しています。

そこで今回はハラスメント保険が急増した背景や状況、ハラスメントに関する保険市場の動向を見ていきましょう。
 

ハラスメントのトラブル増加の背景

ハラスメントのトラブル増加の背景として、賃金や雇用など労働に関して事業主と個々の労働者間のトラブルを迅速に解決するため、平成18年に導入された「労働裁判」が挙げられます。

原則として3日以内に解決が図られる迅速性・実情に即した解決が図られる柔軟性、被害者のプライバシーが守られる非公開性などメリットが多く、労働裁判の導入後、それまで18万件程度だった労働紛争に関する相談件数は平成26年度には約24万件と約1.3倍まで増加しました。

 

平成18年 平成26年 増加率
個別の労働紛争相談件数 187,387件 238,806件 約1.3倍
いじめ・嫌がらせの相談件数 22,153件 62,191件 約2.8倍

 
その中でもさまざまなハラスメント(いじめや嫌がらせ)に関する相談件数がトップを占めており、平成18年度には約2万2千件だった相談件数が、平成26年度にはと約6万2千件と約2.8倍まで増加しています。

もはやハラスメントは人ごとではなく、いつ自分の身に降りかかるか分からないような状況になっているのです。
 

トラブル増加に伴い、企業も「ハラスメント保険」検討へ

従業員を守る法律の整備・働き方の多様化・インターネットなどによる情報の広がりから働く人の権利意識が高まり、その結果としてパワハラやセクハラ・不当解雇などを巡り従業員から企業が損害賠償を請求される事案が企業側にも増えてきています。

例えば、平成26年には名古屋地裁でパワハラと自殺の因果関係が認められ、社長と会社に約5400万円の支払いが命じられました。さらに平成27年大阪地裁では上司からのセクハラにより退職に追い込まれたとして女性が訴訟を起こし、和解のための解決金として約1300万円が会社と加害者に請求されました。

ハラスメントの訴訟が増大しているのと比例し、大手損害保険会社ではパワハラやセクハラなどで企業が従業員に訴えられた場合の賠償金・和解金を補償する「ハラスメント保険」の取り扱いを拡充しています。実際に保険大手3グループのハラスメント保険販売件数は前年比6割増と驚くべきスピードで増えており、保険業界の中でもハラスメント保険のシェアが拡大しています。
 

「ハラスメント保険」は個人ニーズへと拡大

ハラスメントによる高額な慰謝料や和解金に備え保険へ加入するなど、ハラスメントに対する企業の危機管理は高まっていますが、ハラスメントを受ける個人は、ハラスメント被害にあっても「何をしても解決にならない」「職務上の不利益が生じる」と声をあげるのは難しいのが現状です。

実際に平成28年度の厚生労働省の調査によると、過去3年間にパワーハラスメントを受けたと感じた人のその後の行動として、「何もしなかった」と回答した人が40.9%と最も高くなっています。

このようにハラスメントを受けた個人は、何もできず泣き寝入りすることが多かったのです。

しかし最近では、個人でもハラスメントのリスクに備えようと保険が発売されており、ハラスメント保険のニーズは企業から個人へと拡大しています。
 

日本初のハラスメント対応弁護士保険が発売

ハラスメント保険のニーズが個人へと拡大している中、エール少額保険株式会社は2018年4月13日に日本初のハラスメント対応弁護士保険、「声をあげる人を守る」を発売しました。

この保険は月額1080円と手頃な価格で利用できるので、個人でも加入しやすい保険です。

保険に加入していれば、ハラスメントを受けた場合にハラスメント専門の弁護士に無料で電話相談(1回の相談につき最大20分まで)ができたり、会社に損害賠償などを請求する際の手続きや証拠の集め方、ハラスメント被害にどのように対応したら良いかなど法的なアドバイスが受けられたりする商品です。

また万が一ハラスメントによって働けなくなった場合、休業中の損失や慰謝料を企業に請求する際に弁護士費用の90%が補償(一部免責金額あり、1事案30万円が限度)されます。
 

ハラスメントに対して、企業だけでなく個人も備える時代

近年ではセクハラ・パワハラをはじめさまざまなハラスメント事案が起こり、相談や訴訟件数も急増しています。金銭的リスクを回避するために企業だけでなく、個人も備える時代です。

今後もさまざまなハラスメント保険が発売され、ハラスメント保険市場はどんどん拡大していくでしょう。

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