自動車保険の見積もり前に押さえたい3つのポイント

2023年10月26日

事故に備えるための自動車保険。見積もりをする上で大事なポイントを皆さんはご存知でしょうか。

乗る車や用途、運転する人の年齢や範囲などによって保険料は異なります。車の種類は千差万別で、乗る人の用途も同様ですね。通勤に使う人もいれば、休日に遠出をする時だけに使用する人もいます。

自動車保険料はいくらくらいが相場なのでしょうか。また保険料はどのように計算されるのでしょうか。今回は、保険料の仕組みや相場、保険料を安く済ませるポイントなどを紹介します。

1.自動車保険の見積もり前に確認する3つのポイント

自動車保険の見積もりをする前に確認したいポイントは以下の3つです。

型式

型式は、車を識別するための識別番号です。車検証に記載されています。見積もりを取る上では必ず確認するポイントです。保険会社は、いつに製造されたどんな車なのか、という情報をもとに故障や事故のリスクを考えます。この型式によって「型式別料率クラス」が設定されており、保険料が変わります。

等級

等級は保険料に大きく関係するポイントです。ドライバーの安全運転度合いを示す指標のようなもので、1〜20級(一部の共済では22等級)までに区分されています。初めて自動車保険に加入する場合は6級からです。詳しくは後ほど解説します。「等級は大切」ということを覚えておきましょう。

用途

自動車の用途は購入前に明らかにしておきましょう。なんとなく購入する場合でも必ず確認しておきます。自動車保険料は、使用用途によって変わります。

これは車にたくさん乗るほど事故のリスクが上がるからです。

以上の3点は、「その車(と運転者)のリスクはどれくらいなのか」という指標になります。保険会社はリスクをもとに保険料を決めますから、これらを知っておくことで保険料の仕組みを理解できます。

2.自動車保険の見積もり金額はこう決まる

保険料を計算するための保険料率は、2つの部分から成ります。保険金に充てるための純保険料率と、保険会社が事業を継続させるための付加保険料率です。以下に、純保険料を決めるポイントを示しました。

用途・車種

自動車の用途や車種が異なると、起こりうる事態が異なると予想されます。

例えば、毎日業務に使用する軽トラックと、休日にプライベートでしか使わない普通乗用車なら、事故を起こす確率や事故が起きた場合の損害率が異なることは容易に想像できますね。

型式別料率クラス

自動車の型式ごとに料率を区分しています。型式ごとの過去の損害率などから算出されており、数字が大きくなるほど保険料は高くなります。

新車・新車以外

新車は事故を起こす確率が低いとされています。そのため、各保険会社では新車割引などが用意されており、保険料が安くなります。

保険金額等

保険金額や保険金受取時の自己負担額(免責金額)の設定内容によって保険料が異なります。

年齢

年齢に関しては、全年齢補償、21歳以上補償、26歳以上補償などの区分に分かれています。若年層はリスクが高いために保険料が高いです。また、26歳以上においては、30歳以上補償、35歳以上補償もあります。

等級

自動車保険は運転者によってもリスクが異なるため、等級という制度を採用しています。等級は過去の成績(事故の有無や無事故年数など)によって決められます。1〜20等級(22等級)まであり数字が小さいほど保険料は高くなります。

運転者限定

運転者の範囲によってリスクが異なることから、運転者限定という条件を付けることで保険料が変わります。限定なし・家族のみ・本人と配偶者のみ、本人のみの4区分に分かれます。限定しない場合が最も高く、本人のみに限定する場合が最も安くなります。

保険料を決めるポイントは思ったよりもたくさんありましたね。簡単にまとめると、リスクが高いほど保険料は高く、リスクが低いほど安くなります。安全性の高い車や優良ドライバーは、保険料が安くなるのです。

3.自動車保険の見積もりで重要になる等級を知ろう

車の保険を見積もるにあたって、等級はとても大切な要素です。必ず押さえておきましょう。

等級とは

上でも少し触れましたが、等級は事故の有無や無事故の年数によって、1〜20(22)までの等級に決まるものです。等級が上がる基準は保険期間(1年)の中で保険を使ったか否かです。

1年間保険を使用しなければ、等級はひとつ上がり、保険を使用した場合は等級が下がります。下がる度合いは事故の大きさにより3等級ダウン事故、1等級ダウン事故、ノーカウント事故があります。

新規契約の場合は6等級から始まり、20等級になるとなんと60%もの割引率を得られます。無事故年数が長ければ長いほど、保険料はお得になります。

メリット等級

6等級以上をメリット等級と言います。等級がひとつ上がるごとに割引率が上がり、どんどん保険料が安くなります。

7等級以上は事故ありと事故なしの場合、割引率が異なるので覚えておくと良いでしょう。例えば、15等級の割引率は事故なしだと53%ですが、事故ありだと28%です。

14等級だった人が、無事故で翌年15等級になった場合、53%の割引率になります。しかし、18等級だった人が3等級ダウン事故を起こして15等級になった場合は28%です。事故を起こすと3年後までは事故ありの割引率が適用され、4年後から事故なしの割引率に戻ります。

そのため、無事故の期間が長い人ほどずっと事故なしの割引率が適用されてお得です。

デメリット等級

5等級以下になってしまった場合をデメリット等級と言います。6等級からスタートするので、5等級以下の方は事故を起こして保険を使っていると判断できます。

さらに事故を起こすとどんどん保険料は上がり、4等級以下は割増になります。1等級まで下がると、保険への加入が難しくなる場合もあるので注意してください。

等級は優良ドライバーの指標にもなりますから、等級を下げることはデメリットが多いです。

等級については「安全運転をしていれば上がる」といったことを覚えておけば良いでしょう。自分の等級を知っていればおおよその保険料の把握できそうですね。

4.自動車保険料の相場

自動車保険料は、前述した通り様々な要素で決まります。そのため、一概にいくらが相場と言うことは難しいです。

自動車保険の相場を知るには、無料一括見積サービスで試算しましょう。車やドライバーの条件を入力することで複数社の見積もりがとれるので、相場が分かります。

自動車保険は車両保険なしとありの場合、2倍近く保険料に差が出ます。両方のパターンで試算してみるのもおすすめです。

なお、保険料は保険会社によって異なります。ネット型の保険は人件費などがかからないため、代理店で契約するよりも安くなる傾向にあります。

5.見積もり時に活用したい割引制度まとめ


保険料の相場は保険会社によって異なりますが、その保険料をもっと安くすることはできないのでしょうか。割引される制度をいくつか見てみましょう。

ゴールド免許割引

記名被保険者がゴールド免許の場合、ゴールド免許割引が使えます。ゴールド免許の方は優良ドライバーなので、事故を起こすリスクが低いと判断できるからです。

保険証券不発行割引

保険証券を書面で発行しないと経費が抑えられるため、数百円割引になる場合があります。

紙で発行しない場合は、WEBサイトのマイページなどから閲覧できます。いつでも確認でき、紛失する恐れがありません。

年間走行距離

保険料に年間走行距離が影響する自動車保険もあります。

走行距離は短ければ短いほど事故のリスクが低くなるので、短い人のほうが保険料が安くなる仕組みです。保険料を抑えたいからといって車を走らせないのは本末転倒ですが、走行距離を把握しておくことは大切です。

年間走行距離は申告制で、過去1年の走行距離を申告するものと、将来の走行距離を予測して申告するものがあります。

将来の走行距離を予測して申告する保険は、申告した距離と実際に走った距離が異なった(多く走ったなど)場合は、修正申告が必要です。保険会社にすぐに連絡しましょう。

年間走行距離の区分は保険会社によって異なりますから、自分に合った区分を設定している保険会社を選ぶことも保険料を抑える手段のひとつです。例えば、年間に2,000kmしか走らない人は5,000km未満の契約を結ぶより、3,000km未満の保険で契約を結んだほうが割引率は高くなるでしょう。

インターネット割引

近年はコスト削減に伴って、ネット型の自動車保険がたくさん登場しています。インターネットで見積もりをしたい人も多くいますから、それを狙わない手はありませんよね。

そのため、インターネット割引制度を設けている会社があります。割引額はおおむね数千円〜2万円程度で、保険会社によって異なります。

インターネット割引を利用する際は、割引を受けられる条件を入念に確認しましょう。

6.まとめ

自動車保険の保険料を決めるのはとても複雑なことが分かりましたね。特に型式や用途、どんな人が乗るのか(年齢や運転する人数など)によって保険料が異なります。

等級が上がるごとに保険料が割引になるため、事故を起こさず等級を上げることが重要です。基本を把握したら、ぜひ見積もりを取って、使える割引制度をフル活用し、自分に合った保険を見つけてください。

※2023年2月時点の情報です

監修:ファイナンシャルプランニング技能士 垣内結以