自動車保険の相場や選び方|平均保険料や安い保険のリスクまで徹底解説

2023年10月22日

自動車保険を選ぶ際、何を比較して見るべきか、保険料はどれくらいでおすすめは何なのか悩まれる方は多いです。そんな方のために自動車保険の保険料が決まる要素、安い保険のリスク、賢い選び方などをご紹介していきます。

今よりもっと安い自動車保険はないだろうか、そう思っている人はたくさんいることでしょう。車を持つにあたって必要不可欠な保険ですが、余計な費用はかけたくありません。

かと言って、安すぎるのも考えものです。保険料は当然、補償内容に応じて設定されているわけですから、安いとその分補償が少ないと判断できます。

ただ、保険料は補償内容だけではなく、様々な要素によって設定されています。保険料の相場を知るためにも、その要素をざっくりと見ていきましょう。また、保険料を安く抑えるポイントについても紹介します。ぜひご覧ください。

保険料が決まる5つの要素

1. 車種・型式

まずは自動車の「車種」、「型式」です。自動車保険は車種や型式によって保険料算出の料率が変わります。

自家用普通自動車、自家用小型自動車、自家用軽四輪自動車は「型式別料率クラス」によって料率が細かく決められているのです。

「型式別料率クラス」は型式ごとに事故実績や損害率を計算して決められた数字です。自家用普通自動車と自家用小型自動車は17段階、自家用軽四輪自動車は3段階あります。

数字が小さいほど保険料が安く、大きいほど高くなる仕組みです。

2.等級

「等級」は、保険の利用状況に応じて定められます。保険を使わなければ使わないほど上がり、等級が高いほど保険料が安くなる仕組みになっています。

保険を1年間使わなければ等級は1上がります。逆に、事故を起こして保険を利用してしまうと、3下がります。

保険を利用していると事故を起こす確率が高い運転者とみなされるため、当然、保険料が上がってしまうのです。

6等級からスタートし、最高で20等級(一部の共済では22等級)まで上がり、最低で1等級まで下がります。

この等級は保険会社間で共有されるため、会社を変えても引き継がれます。

3.免許証の色

「免許証の色」も重要な要素のひとつです。免許証の色はグリーン、ブルー、ゴールドの3種類に分けられています。

免許証の色を見ることで、その運転者が事故を起こすリスクを測ることができるため、ゴールド免許の方はグリーンやブルーの方より保険料が安くなります。

4.使用目的・走行距離・使用地域

「使用目的」はおおむね、業務使用、通勤・通学、日常・レジャー利用の3様態に分けられます。(業務使用と日常・レジャー利用の2様態に分ける会社もあります。)

平均して月15日以上の利用があれば、業務使用もしくは通勤・通学利用に、なければ日常・レジャー利用になります。

また、長く走れば走るだけ事故のリスクも高まることから、自動車の「走行距離」も保険料に反映されます。

さらに、自動車を乗る地域によっても、事故率の差が生じます。そのため「使用地域」もひとつの要素です。

5.自動車に乗る人

自動車保険は自動車に乗る人の年齢や範囲にも左右されます。

運転者が若いと、運転が未熟で事故のリスクが高いとみなされ、保険料が割高になります。一方、年齢が高いと保険料が安くなる傾向です。

年齢は「全年齢」「21歳以上」「26歳以上」「30歳(35歳)以上」などの区分に分けられます。

また、運転者の数が多いほど事故を起こすリスクが高いと判断されるため、保険料は高くなります。

「本人のみ」「本人と配偶者のみ」「本人と家族」「設定なし」などの区分に分けられています。

自動車保険料の相場とは?

自動車保険料は自動車の型式や使用用途(使用の目的や走行距離)、等級、ドライバー(年齢や免許証の色)の他に、補償内容によっても変わります。

そのため、一概に「平均額はいくら」とは言えません。

年代別の平均保険料を公表している損害保険会社もあるので、加入する際は参考にしてもいいでしょう。

特に車両保険ありの場合となしの場合とでは、2倍近く差が出る場合があります。

自動車保険の選び方

自動車保険はどのように選べばいいのでしょうか。ここではぜひとも知っておきたい基本を解説します。

代理店型とネット型

自動車保険は代理店を通じて加入する商品と、ネットで直接契約する商品があります。それぞれメリットとデメリットがあるため、自分に合ったほうを選んでください。

代理店型 ネット型
メリット ・事故が発生したとき、代理店がサポートしてくれる

・加入時に選び方のアドバイスをしてもらえる

・保険料が安い

・パソコンやスマホなどから簡単に申し込める

デメリット 保険料が高い 必要な補償を自分で調べる必要がある

補償内容や範囲

任意の自動車保険は「相手への補償」「自分への補償」「車両の補償」の3つで構成されています。

「相手への補償」は対人賠償責任保険、対物賠償責任保険と呼ばれる補償で、相手の車や人を傷付けた場合に補償してくれるものです。この補償は絶対必要です。

一方、「自分への補償」や「車両の補償」は必要に応じて範囲を限定してもいいでしょう。

「自分への補償」は自分や同乗者がケガをしたときの補償で、人身傷害保険、搭乗者傷害保険などがあります。

人身傷害保険は自分や同乗者のケガ、後遺障害などを補償する保険です。

搭乗者傷害保険も運転者や同乗者のケガを補償する保険で、人身傷害保険の上乗せと考えてください。

早く支払われるというメリットがありますが、人身傷害保険を付けていれば自分も同乗者も補償してもらえるので、必要性を感じなければ付けなくてもいいでしょう。

「車両の補償」には、車両保険があります。交通事故や自然災害で修理費用が発生したときや、盗難被害に遭ったときに補償してくれます。

車両保険には「一般型」「エコノミー型」があります。一般型は補償範囲が広く、単独事故や当て逃げなどでも補償されます。新車を購入した方や運転歴が浅い方にとっては安心です。

一方、エコノミー型は一般型よりも補償範囲が狭い代わりに保険料が割安です。

車両保険は付けるか付けないかで保険料に大きな違いが出るので、よく検討してください。

また、付けた場合は補償の範囲をどうするか、免責金額をどうするかなどによっても保険料が変わります。

その他の特約やサービス

自動車保険には様々な特約やサービスを付帯できます。弁護士費用特約、個人賠償責任特約、ロードサービスなどです。

特約やサービスを充実させればより安心できますが、その分保険料も高くなってしまうので、本当に必要なものだけ付帯しましょう。

自動車保険の保険料を抑えるポイント

自動車保険の保険料を抑えるポイントを見ていきましょう。

年齢条件を設定する

「保険料が決まる5つの要素」でもご紹介しましたが、年齢条件を設定することで保険料が安くなる場合があります。

「全年齢」「21歳以上」「26歳以上」「30歳(35歳)以上」などの条件があるので、若い人が運転しないのであれば年齢条件を設定しましょう。

併せて、運転する人の範囲(「本人のみ」「本人と配偶者のみ」「本人と家族」など)も限定すると効果的です。

車両保険の内容を見直す

車両保険は付けるか付けないかで保険料が変わりますが、補償内容によっても安くすることができます。

車両保険は一般型が安心ですが、保険料を節約したいならエコノミー型を検討しましょう。

また、免責金額を上げることでも保険料が安くなります。免責金額とは事故時の自己負担額のことです。

事故が発生した場合は免責金額までは自己負担となるため、保険料とのバランスを考え「この金額までなら負担できる」という額を設定してください。

保険会社を変える

自動車保険の保険料は、保険会社によっても異なります。

見聞きしたことのある会社や、以前から加入している会社のほうが愛着があるでしょうが、複数社で見積もりを取ってみると、意外と安い保険が見つかるかもしれません。

保険会社の各種割引制度を使う

インターネット割引や保険証券不発行割引、エコカー割引、早期契約割引など、保険会社によって割引制度を用意している場合もあります。適用できる割引があれば積極的に利用しましょう。

自動車保険を保険料の安さだけで選ぶリスク

様々なポイントから保険料を安くする方法を紹介してきましたが、補償を削りすぎてしまうのはよくありません。いざ事故が起こってしまったときに保険が助けてくれない……、というのでは本末転倒です。何のために保険に入っているのか分からなくなってしまいますね。

例えば、自動車保険は車両保険を付けないとずいぶん安くなります。しかし、事故を起こして修理が必要になったら大きな出費が必要です。

そのとき、貯蓄が十分にある方や、車を購入してからかなりの年数が経っている方は、あまり気にならないかもしれません。

しかし、貯蓄が十分にない方や、新車を買ったばかりの方、通勤や業務など車を日常的に使っている方は、車両保険なしだと何かと不都合が生じます。

補償は過不足なく付けることが大切です。保険料から保険を選ぶのではなく、必要な補償を考えてから保険を探し、最後に保険料を比較するのがいいでしょう。

まとめ

今回は自動車保険の選び方や保険料を抑えるポイントをご紹介しました。保険料は、補償内容や範囲を限定することで抑えることができます。しかし、保険料ばかりを気にして必要な補償を削ってしまうと、万一事故が起きたときに後悔するでしょう。

最近はネットで簡単に入れる自動車保険が増えましたが、保険選びに迷ったら一度プロに相談してみてください。過不足なく補償が付いたプランを提案してくれるはずです。

※2023年1月時点の情報です

監修:ファイナンシャルプランニング技能士 垣内結以