終身保険の保険料シミュレーション|保険選びに大切な5つの観点

2023年9月24日

終身保険のシミュレーションでは保険料の相場を知ることはできますが、実際に保険を選ぶ時は保険料だけで選ぶことはしませんよね?ではどんな保険であれば自分にぴったりの保険と言えるのか、シミュレーション結果を元におすすめの保険をご紹介していきます。

終身保険の加入を検討する際、何を基準にシミュレーションして選べば良いか悩むことはありませんか?いくら保険料が安くても保障が充実していなければ、加入するメリットは感じられないですよね。

実際、保険会社によって保障内容や保険料などが異なるため、検討している終身保険プランが「自分に合ったものか」悩む人は少なくありません。

そこで今回は、安い保険料で保障内容も充実した終身保険に加入するため、5つの観点から終身保険をシミュレーションしてみました。あなたの終身保険探しに、お役立ていただければ幸いです。

終身保険の特徴と加入するメリット

終身保険とは、保障の対象となる被保険者が病気や事故などでケガをしたり、死亡したりしたときに、一生涯の保障が受けられるサービスです。一般的には、自分に何かあったとき、家族の負担を減らすために加入している人が多いと言われていますが、どのような特徴があるのでしょうか?

一生涯の保障が続く

図: 30歳男性 月払保険料9,935円の場合

終身保険は解約しない限り一生涯の保障をうけることができます。つまり、ケガや病気に対して死亡するまで保障が続くと言う事です。万が一死亡したりした場合でも、死亡保険金が受取れます。

貯蓄性がある|保険料が掛け捨てではない

終身保険はお金が貯まっていくのも特徴の一つです。終身保険は基本的に死亡保障となっていますが、貯蓄性があるため、老後の生活費や学費など、将来のお金を貯めていくこともできます。

また、解約返戻金というものもあるので、ある程度保険に加入していれば、解約時に保険金が受け取れるのも大きな特徴でしょう。

保険料は若干高めだが上がることはない

入る保険のプランや、保険金額をいくらに設定するかでかなり変動しますが、30歳男性で保険金額を200万円程度に設定した場合、月々の保険料は4,000円〜5,000円の間になるでしょう。

保険会社名 保険料 保険期間 保険料払込期間 死亡保険金 災害死亡
高度障害
解約返戻金
オリックス生命 4,544円 終身 60歳 200万円 200万円 あり
アクサダイレクト 2,924円 終身 終身 200万円 200万円 あり
ネオファースト生命 5,728円 終身 60歳 200万円 200万円 あり

参考:価格.com – 終身保険の保険料シミュレーション

定期型という5年や10年ごとに更新するタイプの保険に比べると4倍近く高くなる傾向にはありますが、保険料だけではないメリットもあります。

定期型と終身型で保険料シミュレーション

まず始めに、定期型と終身型の保険料でシミュレーションしてみました。例えば、同じ保険でも定期型と終身型では、毎月の保険料に以下のような差が出ます。

【加入年齢:30歳 保険金額:500万円】

保険プラン 毎月の保険料
定期型 1,405
終身型 7,330

なんと、終身型と定期型では6,000円近くも差が出ることが分かりました。保険料だけで見ると、定期型の方が圧倒的に安いことが分かります。しかし、定期型保険の場合、保険期間内しか保障がされないため一長一短と言えます。

安い保険料で一定期間だけ保険に加入していたい場合は、そもそも定期保険のほうがいいかもしれませんね。

終身保険の保険金額別での保険料シミュレーション

次に終身保険の保険金ごとで、保険料をシミュレーションしました。基本的な考え方として、加入年齢が若く保険金が少ないほど毎月の保険料は安くなります。保障面を厚くすると、もしものときに安心できる反面、毎月の保険料が高くなってしまいます。

そのため、自分の年収や世帯年収を元に、保障と保険料のバランスが自分に合っていると思うプランに加入するのが最も良い考えでしょう。

加入年齢 保険金200万円の保険料 保険金300万円の保険料 保険金500万円の保険料 保険金1,000万円の保険料
30 2,862 4,176 6,715 13,330
40 3,704 5,436 8,815 17,530
50 5,060 7,473 12,210 24,320

保険金が200万円

保険金額を200万円にした場合の保険料を確認してみましょう。終身保険の保険金が他のプランより安い分、毎月の保険料も安くなっています。50歳で加入しても月々5,000円程度のため、保障を追加する目的で選ぶのも良いかもしれません。

【保険金額200万円 男性が加入した場合の保険料】

加入年齢 毎月の保険料
30 2,862
40 3,704
50 5,060

保険金が300万円

保険金額が300万円で保険料をシミュレーションしました。保険金が200万円のときより、毎月の保険料が高くなっていることが分かります。特に、50歳で加入したときの保険料は、2,413円も値上がりしています。

【保険金額300万円 男性が加入した場合の保険料】

加入年齢 毎月の保険料
30 4,176
40 5,436
50 7,473

保険金が500万円

保険金が500万円の場合で保険料をシミュレーションしました。30歳で加入したときの保険料は5,000円を超え、50歳で加入したときの保険料は10,000円を超えています。

さらに、保険金が200万円のときと比べ、30歳加入では3,853円も高くなり、40歳加入では5,111円、50歳加入では7,150円とそれぞれの保険料が倍以上高くなっています。

【保険金額500万円 男性が加入した場合の保険料】

加入年齢 毎月の保険料
30 6,715
40 8,815
50 12,210

保険金が1,000万円

保険金が1,000万円で保険料をシミュレーションしました。どの年代で加入しても毎月の保険料は10,000円を超えています。何かあったときの保障としては安心ですが、その分出費も大きいため、生活費のシミュレーションをしておくと良いでしょう。

【保険金額1,000万円 男性が加入した場合の保険料】

加入年齢 毎月の保険料
30 13,330
40 17,530
50 24,320

契約年齢別での保険料シミュレーション

次に、終身保険の契約年齢ごとに保険料をシミュレーションしました。加入年齢を30歳、40歳、50歳と想定し、それぞれの保険料を以下にまとめています。性別に関係なく、加入年齢が高くなるほど、毎月の保険料も高くなっています。

その際、女性よりも男性の方が保険料の上がり幅が大きいことが分かりました。女性の30歳加入と50歳加入では、保険料に1,467円の差が出ています。一方、男性の30歳加入と50歳加入では3,336円の差があり、女性よりも倍以上の差が出ています。

【保険金額が300万円の終身保険に加入した場合の保険料】

加入年齢 毎月の保険料(男性) 毎月の保険料(女性)
30 4,458 3,861
40 5,733 4,812
50 7,794 6,279

30歳で加入

30歳で終身保険に加入したときの保険料をシミュレーションしました。男性も女性も5,000円以下の保険料であるため、比較的に加入しやすいと言えるのではないでしょうか。

【保険金額が300万円の終身保険に加入した場合の保険料】

加入年齢 毎月の保険料(男性) 毎月の保険料(女性)
30 4,458 3,861

40歳で加入

40歳で終身保険に加入したときの保険料をシミュレーションしました。30歳で加入したときより、1,000円ほど毎月の保険料が高くなっています。

【保険金額が300万円の終身保険に加入した場合の保険料】

加入年齢 毎月の保険料(男性) 毎月の保険料(女性)
40 5,733 4,812

50歳で加入

50歳で終身保険に加入した場合、保険料は30歳加入や40歳加入のときより最も高い金額となりました。男性と女性では1,515円の差が出ています。

【保険金額が300万円の終身保険に加入した場合の保険料】

加入年齢 毎月の保険料(男性) 毎月の保険料(女性)
50 7,794 6,279

終身保険料の払込み期間で保険料シミュレーション

終身保険料の払込み期間別で、毎月の保険料をシミュレーションしました。払込み満了期間を60歳、70歳、90歳でシミュレーションすると、毎月の保険料は60歳で完了したときが一番高いことが分かります。

しかし、保険料の総支払額は圧倒的に安く、90歳で支払い完了したときと比べると568,080円も差が出ています。

【加入年齢:30歳 保険金額200万円の終身保険プラン】

払込み満了期間 月々の保険料 総支払額 返戻率
60歳で完了 6,390 2,300,400 86.9%
70歳で完了 4,982 2,391,360 83.6%
90歳で完了 3,984 2,868,480 69.7%

60歳で支払い完了

60歳で支払い完了したときの保険料を、加入年齢別にシミュレーションしました。すると、加入年齢が高いと毎月の保険料も高くなりますが、総支払額は安くなることが分かります。30歳加入と50歳加入で比較すると93,120円も差が出ています。

【払込み期間:60歳で完了した場合 保険金額200万円の終身保険プラン】

加入年齢 月々の保険料 総支払額 返戻率
30 6,390 2,300,400 86.9%
40 9,444 2,266,560 88.2%
50 18,394 2,207,280 90.6%

70歳で支払い完了

支払い満了年齢を70歳にしたときの保険料をシミュレーションしました。60歳で支払いが完了した場合と同じく、加入年齢が若いほど保険料は安いですが総支払額は高くなっています。

【払込み期間:70歳で完了した場合 保険金額200万円の終身保険プラン】

加入年齢 月々の保険料 総支払額 返戻率
30 4,982 2,391,360 83.6%
40 6,576 2,367,360 84.4%
50 9,684 2,324,160 86.0%

90歳で支払い完了

90歳で支払いが完了した場合の保険料をシミュレーションしました。60歳や70歳で支払いが完了したときとは異なり、加入年齢は若い方が毎月の保険料と総支払額が安いことが分かります。

【払込み期間:90歳で完了した場合 保険金額200万円の終身保険プラン】

加入年齢 月々の保険料 総支払額 返戻率
30 3,984 2,868,480 69.7%
40 4,872 2,923,200 68.4%
50 6,256 3,002,880 66.6%

終身保険料の前納払い利用で保険料シミュレーション

終身保険料の前納払いを利用した場合の保険料をシミュレーションしました。実は、毎月払いではなく、何ヶ月分かの保険料をまとめて支払う『前納払い』を利用した方が実質の保険料が安くなるのです。以下に3ヶ月払い、6か月払い、1年払いの保険料を1ヶ月分に換算したときの保険料をまとめました。

【加入年齢:30歳 保険金:300万円の終身保険に加入した場合の保険料】

支払い方法 1ヶ月換算の
保険料
総支払額 返戻率
毎月払い 8,520 3,067,200 97.8%
3ヶ月分の前納払い 8,463 3,046,680 98.4%
6ヶ月分の前納払い 8,449 3,041,640 98.6%
1年分の前納払い 8,441 3,039,060 98.7%

3ヶ月前納払い

3ヶ月の前納払いを利用した場合の保険料をシミュレーションしました。1ヶ月換算の保険料と比べると、50円ほどの差しかありません。しかし、総支払額で見ると20,520も安くなるため、総合的に見てお得だと言えます。

【加入年齢:30歳 保険金:300万円の終身保険に加入した場合の保険料】

支払い方法 1ヶ月換算の
保険料
3ヶ月換算の
保険料
総支払額 返戻率
毎月払い 8,520 25,560 3,067,200 97.8%
3ヶ月分の前納払い 8,463 25,389 3,046,680 98.4%

6ヶ月前納払い

続いて、6ヶ月前納払いを利用した場合の保険料をシミュレーションしました。すると1ヶ月換算の保険料で比較した場合、71円ほど6ヶ月前納払いの方が安くなることが分かります。総支払額は25,560円も安くなりました。

【加入年齢:30歳 保険金:300万円の終身保険に加入した場合の保険料】

支払い方法 1ヶ月換算の
保険料
6ヶ月換算の
保険料
総支払額 返戻率
毎月払い 8,520 51,120 3,067,200 97.8%
6ヶ月分の前納払い 8,449 50,694 3,041,640 98.6%

1年前納払い

1年前納払いした場合の保険料をシミュレーションしました。1ヶ月換算で見ると保険料が79円も安くなることが分かります。総支払額で見ると、28,140円もお得になります。

【加入年齢:30歳 保険金:300万円の終身保険に加入した場合の保険料】

支払い方法 1ヶ月換算の
保険料
1年換算の
保険料
総支払額 返戻率
毎月払い 8,520 102,240 3,067,200 97.8%
1年分の前納払い 8,441 101,302 3,039,060 98.7%

自分に合った終身保険選びで大切な保険料と保障のバランスとは?

ここまでシミュレーションを通して保険料について見てきましたが、保険を選ぶ時に「保険料だけ」で判断する方は多くはないと思います。では何をもってよい保険であると判断するのかですが、結論から言うとバランスになります。

保険は万が一に備えるものですので、保険金額が高いからといって、月々の保険料が生活を圧迫していては意味がありません。今後の安心を買ったのに、今の生活が保険で壊されてしまって解約することになれば、解約返戻金ももらえない払い損になってしまいます。

まずは収入と支出のバランスを考える、家計診断をやってからでも保険に入るのは遅くありません。

終身保険選びに迷った場合はFPに相談

保険料と保険金額のバランスや、本当に終身保険に加入した方が良いのかなど、保険に関して困ったことがあれば、ファインシャルプランナーに相談するのがおすすめです。保険の仕組みは実は簡単ではありますが、自分にいくらの保障があれば満足なのかは、案外自分ではわからないものです。

独身なのか、家族がいるのかでも、必要な保障も違ってきますからね。

独身の場合 家族がいる場合
財産として残すべき相手がいないので、将来的な貯蓄や死亡してしまったときの葬儀費用として活用してみるのはあり。その場合は200万円でも十分足りるでしょう。 もし自分が死亡してしまった場合や、怪我で働けなくなってしまった場合に家族の助けとなるよう、高い保険金をかけておくのが安心。子供もいた場合、500万円以上はあると良いなど。

どちらが良いのかは一概に言えませんし、保険金が高くなれば支払う保険料も高くなりますので、こういったことをファイナンシャルプランナーに相談することで、より明確な判断ができるようになると思います。

まとめ

保険料が安い終身保険を選ぶ際、どんな基準でシミュレーションすれば自分に合ったプランに加入できるのか悩むところです。そんなときは、保険金額や加入年齢、支払い期間などを元にシミュレーションすると、自分に合った終身保険を見つけられるでしょう。

基本的には、加入年齢が若いほど毎月の保険料は安くなりますが、総支払額で見ると割高なケースもあります。1回に支払う保険料だけなく、総支払額で見てもお得かどうか注意することが、終身保険選びには大切だと言えます。

※2023年1月時点の情報です

監修:ファイナンシャルプランニング技能士 垣内結以