ネット生命保険を考える時に知っておくべき全ての特徴

2022年4月3日

ネット生命保険とは、インターネット上で各種手続きが可能な生命保険のことで、ネット生保などとも呼ばれています。保険商品選びから見積もり、契約の申し込みなどの手続きを全てインターネット上で完結させることができるのが大きな特徴です。

2008年頃に参入し、ずいぶん話題となっています。

生命保険をインターネット上で申し込みができるというのは便利な反面、本当に失敗しない契約ができるのか?保険に詳しくない自分が安易に選んでしまってもいいものなのか?など、さまざまな疑問があるでしょう。

また、ネット生命保険は保険料が安いという話を聞いたことがあると思います。安い保険料で入れるのであれば加入者には嬉しいはずですが、

  1. なぜそんなに安いと言われているのか?
  2. そもそも本当に安いのか?
  3. 加入時にデメリットなどはないのか?

など、今回はこの3点を中心にご紹介していきます。

ネット生命保険の主な特徴

まずは、ネット生命保険とはどのような保険商品なのかをご紹介します。

保険料が比較的安い

ネット生命保険の特徴のひとつに、保険料が安いことが挙げられます。保険料は、保険金にあてる部分の純保険料と保険会社の利益や諸経費にあてる部分の付加保険料とで構成されています。

この付加保険料をカットする工夫をしたことで、ネット生命保険は保険料が割安になっています。主な工夫は以下の3つです。

人件費を削減した インターネット上で手続きが可能なため、対面するスタッフが必要ありません。そのためスタッフの人件費をカットすることが可能になりました。
書類を不要にした ネット生命保険の場合、保険商品の説明資料や契約書などの書類がなくても契約できます。そのため紙代金をカットすることができました。書類の量が膨大になると場所も取りますから、書類を減らすで紙代金以外の部分も節約可能です。
事務手続きを減らした 書類を用いて契約をする場合、お客さまの情報を管理するためデータ入力する作業が必要です。ネット生命保険では入力作業をお客さまがやるようなものなので、事務手続きも大幅に減っています。スタッフも最小限しかおらず、人件費の削減につながっています。

決して最安値ではないことに注意

販売開始当時は安い保険料を売りにしていたネット生命保険ですが、実は保険料が目立つほど安い訳ではないことが公になってきました。下記はあるネット生命保険商品とネット生保以外の保険を比較したものになります。

保険商品 加入時の年齢と保険料
【定期死亡保険】 30歳 40歳
ネット生保A 1,720円 3,436円
保険会社B 1,310円 2,414円
【終身医療保険】 30歳 40歳
ネット生保A 1,470円 2,000円
保険会社B 1,582円 2,187円

このように、定期死亡保険の場合は保険会社Bの方が保険料が安いという結果になりました。

もちろん、全ての保険会社と比較した訳ではないので、どの保険会社のプランと比較しても高いという話ではありません。ただ、最安値ではないことは覚えておきましょう。

ネット生命保険はあくまでも生命保険の選択肢のひとつ。まずは必要な保障を明確にして、自分に合ったものがあるかどうか探すくらいの気持ちで利用したほうが懸命と言えますね。

好きな時間に保険を申し込める

他の保険との大きな違いは、インターネット上で手続きを行うため、保険会社や保険代理店の営業時間に関係なく申し込みができるという点でしょう。文字通り、24時間受け付けていますから、日中に時間がつくれない生活をしている方でも申し込みが可能です。

保障内容は至ってシンプル

インターネットで全て済ませるために、保障内容はシンプルになっているものが多いです。あまり複雑だと説明をするスタッフを用意する必要があるため、誰が見てもある程度理解できる保険内容にしています。

例えば、「掛け捨て型・死亡保険金1,000万円」など、ひとことで説明できるようなシンプルなものもあります。現在は掛け捨てタイプがほとんどであり、貯蓄性のある学資保険、養老保険などは少ないですが、就業不能保険は販売しています。

ネット専業の生命保険会社|主な保障内容とは?

2008年より保険業界に参入したネット生命保険。具体的な保険会社名は伏せますが、その保障内容を簡単にご紹介していきます。

大手保険会社A

終身保険

この終身保険の特徴は貯蓄性があることです。ネット生命保険は掛け捨て型の商品が多いのですが、こちらの保険には解約返戻金があります。また、その他の特徴をまとめると以下のようになります。

死亡保険金

100万円〜4,000万円を限度に、100万円単位で選べます。

保険料払込期間

15年払い、55歳・60歳・65歳払い、終身払いから選べます。早く払い終えて安心したい人は15年払い、毎月の保険料を抑えたい人は終身払いを選ぶといいですね。

保険料

月額34,637円(29歳男性、60歳払込満了、死亡保険金1,900万円(※)の場合)※生命保険文化センター「生活保障に関する調査(令和元年度)」によると、男性の死亡保険金は平均で1,866万円、女性は801万円となっています。

払込免除特約

払込期間中に、約款にて決められた事故等で支払いができない状態になった場合、それ以降の支払いが免除されます。

定期保険

終身保険とは違って掛け捨て型の保険です。解約返戻金がない分、保険料は安くなっています。保険料を抑えつつ高額な保障がほしい方はこちらの方がいいでしょう。

死亡保険金

500万円〜4,000万円まで100万円単位で選べます。また、特約を付けることでさらに4,000万円の上乗せをすることができます。つまり最高で8,000万円の保障を付けることができます。

高額割引制度

保険金額が高くなればなるほど保険料がお得になる制度を採用しています。保険料が下がるわけではないのですが、100万円あたりの単価が安くなる仕組みです。100万円の保険金をもらうのに支払う保険料がだんだんと安くなる、ということです。

保険料払込期間

10年、55歳・60歳・65歳・70歳から選べます。10年更新のタイプと年齢満了のタイプとに分かれます。定期保険はたいてい、10年更新タイプのように定期的に更新する形になります。

年齢満了タイプは、定期保険でも月々の保険料を一定のままにできます。そのため20年、30年と見据えている方は年齢満了タイプを選ぶとお得になる場合があります。

保険料

月額4,182円(29歳男性、60歳払込満了、死亡保険金1,900万円の場合)

終身保険と比較すると、保険料が約3万円も違うことが分かります。掛け捨て型と貯蓄型では保険料が大きく違いますね。

収入保障保険

収入保障保険は、保険金を給料のように毎年または毎月受け取れる保険です(一括受け取りも選択できます)。例えば自分に万が一のことがあった時に、長期的に家族を支えたいという方に向いています。定額のお金が受け取れるため、お金を一度に使い切ってしまう心配がありません。

死亡保険金 月額5万円から、1万円単位で選べます。
保険料払込期間 55歳・60歳・65歳・70歳満了から選べます。
保険料 月額2,760円(29歳男性、60歳満了、死亡保険金10万円[月額]の場合)

ネット生保最大手N社

続いて、ネット生保最大手N社の商品を見ていきましょう。

定期死亡保険

病気・事故・災害など、死亡した原因がいずれの場合も受け取れる保険金額は一切変わりません。

死亡保険金 500万円〜1億円まで100万円単位で選べます。大手保険会社A社と比較すると保険金額の幅が大きいですね。
保険料払込期間 10年・20年・30年、65歳・80歳までと選べます。
保険料 月額4,042円(29歳男性、保険期間30年、死亡保険金1,900万円の場合)

就業不能保険

就業不能保険は病気やケガなどで働けず、長期間収入が途絶えることを「就業不能状態」と定義して、就業不能保険という名前が付けられています。

保険金 月額で10万円〜50万円を5万円単位で選択できます。勤労所得の6〜7割が上限とされています。また通算で1億円を限度額としています。
保険期間 65歳満了
保険料 月額1,896円(29歳男性、65歳満了、保険金10万円[月額]の場合)

ネット生保の比較

今回は2社分の保険を見ましたが、両者を比較すると、大手保険会社Aの保険は貯蓄性のある保険も用意していることが特徴的です。また保険料を比較すると、ネット生保最大手N社の方が割安であることが伺えます。

用意されている保険商品は、どれもシンプルなものだと分かりますね。掛け捨て型の保険がほとんどで、貯蓄性のあるものを選ぶならばネット生命保険ではないほうがいいかもしれません(種類が少ないため)。

ネット生命保険のメリット・デメリット

さて保険料が割安でシンプルなネット生命保険には、どんなメリット・デメリットがあるのでしょう。まとめると以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット

ネット生命保険のメリットは主に、以下の3つです。

保険料が安い

特徴のひとつでもある保険料の安さは大きなメリットです。保険料を割安にしたい方は、ネット生命保険を選択肢に入れることをおすすめします。保険料を安く済ませるのは大切なことですが、最も大切なのは自分に合った保障を確保することです。安さにつられないように注意しましょう。

じっくり選べる

自宅にいながら自分で申し込めるため、じっくり選ぶことができます。保険代理店などで気を使ってしまう方は「早く選ばなければ」と焦ってしまうのではないでしょうか。

もちろん焦る必要は全くないのですが、ネット生命保険の場合はそういった心配もなく、じっくり保険を選べます。ただし、ネット生命保険にある商品が、保険商品の全てを網羅しているわけではないので注意が必要です。

日中に限らず申し込める

「昼間はどうしても時間がつくれない!」という方でも、ネット生命保険であれば申し込みが可能です。日中は忙しくて時間がつくれないけど保険は自分で決めたい、という方に向いていますね。

デメリット

ネット生命保険のデメリットは主に、以下の3つです。

商品の幅が狭い

商品の幅が狭いとは、シンプルな商品が多いゆえに、お客さまの要望をカバーできる幅が狭いということです。インターネット上で全ての手続きを済ませるには、Webページ上だけで商品内容を説明する必要があります。そうすると、必然的に複雑な商品は紹介しにくくなってしまいます。

特に貯蓄性のある保険を求めている人への対応は、ネット生命保険だと難しいです。現在は掛け捨てタイプがほとんどなので、保険を使って貯蓄をしたい人にはネット生命保険は向いていません。

安さに気を取られがち

ネット生命保険は安いことが特徴ですが、そればかりに気を取られてはいけません。まずは自分に合った保険があるかどうかを探すところから始めたいですね。

先ほど触れたように、保険の幅が狭いことが弱点ですから、自分のほしい保障がない可能性も大いにあります。ネット生命保険に用意されているものが全てではないことを覚えておきましょう。

全て自分でやる煩雑さ

自分で全てを済ませるというのは、保険会社の方がやる事務作業的なことまでを自分でするということです。費用を抑えるためには仕方ないと言えばそうですが、その分時間を奪われます。

ただ、事務作業が得意、または苦でない方にとってはそんなに大きなデメリットではないでしょう。

ネット生命保険に向いている人・向いてない人

さて、ネット生命保険はどのような人に向いているのでしょうか?

向いている人

自分で作業をするのが苦でない方には向いていると言えます。シンプルな保障でよく、手厚い保障は別に要らないという方もネット生命保険に向いているでしょう。

保険について、ある程度勉強をする気がある、また既に勉強をしている方向けの生命保険です。

向いていない人

まず、保険に関して全く知識がない人には向いていません。全ての手続きを自分でしなければならないため、保険会社のスタッフの説明なしで理解しながら手続きをする必要があります。したがって、保険の知識が全くない方は自分に合った保障かどうかを判断するのは難しいです。

知識が全くなくて不安だという方は、まずは自分で勉強をするか、一度FPなどのプロに相談をしたほうがいいでしょう。

まとめ

ネット生命保険の特徴は、保険料が割安なことと保障内容がシンプルなことです。割安と言っても保障内容が自分に合っているかどうかが重要なので、安さにつられてはいけません。

あくまでも生命保険のひとつという感覚で捉えることをおすすめします。また、日中に時間がない方でも好きな時間に申し込みできます。ネット生保はよく分からないという方も、選択肢のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

繰り返しますが、最も大切なのは自分に合っているかどうかです。選択肢を増やして、自分に合っている保険を見つけましょう。