シングルマザーの保険の選び方|安い保険料で保障も充実の生命保険とは

2023年12月22日

シングルマザー(母子家庭)の方は、自分に何かあった時に子供が生活に困らないようにするため、前向きに保険への加入を検討したいところです。

しかし、どのような保険に加入し、どのような保障を付ければ子供のためになるのかいまいち分からない…という方も多いのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、シングルマザーの方向けに、加入優先度の高い保険や、保険加入のメリット・デメリット、どのような公的制度があるのかなどを詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

シングルマザーが生命保険に加入する必要性|子供にかかる教育費で判断しよう

夫が亡くなったため高額な保険金を受け取り、将来のための十分な貯蓄もあるというシングルマザーは、すぐに保険に加入する必要はないでしょう。

しかし、離婚をして貯蓄が少ないシングルマザーは、万が一の時に子供が生活していけるようにするためにも保険への加入を前向きに検討すべきです。

特に子供がまだ小さい家庭は、これから子供が成長するにつれて養育費や学費などが必要になり、経済的な負担はどんどん増えます。統計によれば、幼稚園から大学まですべて公立の学校に入学をしたとしても約1,000万円はかかるようです。

幼稚園にかかる教育費の相場

幼稚園の場合 公立の場合 私立の場合
学校教育費 6.1万円 13.5万円
学校給食費 1.3万円 3万円
学校外活動費 9.1万円 14.4万円
年間の教育費総額 16.5万円 30.9万円

文部科学省|令和3年度子供の学習費調査の結果について』を参考に、幼稚園から高校までの教育費を表でまとめました。

小学校にかかる教育費の相場

小学校の場合 公立の場合 私立の場合
学校教育費 6.6万円 96.1万円
学校給食費 3.9万円 4.5万円
学校外活動費 24.8万円 66.1万円
年間の教育費総額 35.3万円 166.7万円

参考:文部科学省|令和3年度子供の学習費調査の結果について

中学にかかる教育費の相場

中学校の場合 公立の場合 私立の場合
学校教育費 13.2万円 106.1万円
学校給食費 3.8万円 0.7万円
学校外活動費 36.9万円 36.8万円
年間の教育費総額 53.9万円 143.6万円

参考:文部科学省|令和3年度子供の学習費調査の結果について

高校(全日制)にかかる教育費の相場

高校の場合 公立の場合 私立の場合
学校教育費 30.9万円 75万円
学校外活動費 20.4万円 30.4万円
年間の教育費総額 51.3万円 105.4万円

参考:文部科学省|令和3年度子供の学習費調査の結果について

公立と私立で特に差が出るのは、学校教育費です。塾やお稽古など学校外活動費にもお金をかける傾向にあります。

すべて私立にした場合は1,800万円程度の費用がかかる

幼稚園から高校までの教育費総額は上記で説明した通り、すべて公立にした場合は600万円程度で収まります。しかし、すべて私立にした場合は1,800万円程度かかり、その半分以上は小学校6年間での教育費用であることが分かります。

そんな中、母親が病気をしたり死亡したりして収入が途絶えてしまうと、この負担を子供自身でどうにかしなくてはいけなくなります。しかし、どう考えてもそれは不可能ですよね。

愛する子供のことを考えるのであれば、母親として、家庭に支障が出ない範囲でしっかりと必要な保障を付けておきたいものです。

シングルマザーが保険に加入するメリット・デメリット

保険への加入が子供のためになるのは当然ですが、ここではそれ以外のメリット・デメリットについて解説します。

メリット

健康なうちに加入すれば加入しやすい

保険に加入する際には、健康診断の結果を伝えたり、医師の診断を受けたり、健康状態の告知と審査があります。若く健康なうちに加入すれば、こうした加入審査に通りやすく、希望の保障も得やすいです。

精神的な支えになる

「自分に万が一のことがあった場合、子供はどうなるのだろう…」と不安に感じている方が大半かと思います。保険に加入することで金銭的な負担だけでなく、“備えがある”ことで精神的な負担も軽減されるでしょう。

デメリット

「万が一」がない場合は損をする

若いうちは死亡するリスク、大病にかかるリスクが低いです。そのため、掛け捨て型の保険に加入し、ずっと健康だったら支払った保険料分は当然損してしまいます。保険は万が一の時のものと心得ましょう。

保険料が家計を圧迫する可能性もある

子供のことが心配だからと様々な保障を付けたり、保険金額を増やしたりしていると、保険料が上がり家計を圧迫することがあります。月々の保険料を負担に感じて解約するのは本末転倒なので、継続的に支払える額の保険を探してください。

シングルマザーに加入をおすすめする3つの保険

ここでは、シングルマザーが加入しておくといい保険の特徴や保障内容について、加入優先度が高い順番に見ていきましょう。

生命保険(収入保障保険)

父親のいる家庭では、父親が万が一に備えて生命保険に加入しておくケースが多いです。

これは収入が途絶えて生活に困窮してしまうリスクに備えるためですが、母子家庭の場合では働き手である母親が生命保険に加入する必要があります

死亡時に多額の一時金が受け取れる一般的な死亡保険もいいですが、死亡してから契約期間終了まで、毎月決まった保険金を受け取れる収入保障保険は特におすすめです。

下記の図のように、死亡時期が契約期間の後半になればなるほど受取総額が減るために三角の保険とも呼ばれています。

子供の養育費として、子供1人あたり月に約10~15万円をカバーしながら、子供が就業するまでを目安に保険期間を設定するといいでしょう。

医療保険

母親が死亡しなくても、重い病気によって働くことができなくなり、家計を圧迫するリスクがあります。こうしたリスクには、医療保険に加入して備えておきましょう。

生命保険文化センターが行った「生活保障に関する調査(令和元年度版)」によれば、入院1日あたりの費用は1万円以上かかるケースが最も高く、平均額は23,300円です。

入院給付金日額が1万円以上の医療保険を選ぶようにしましょう。

学資保険

子供の教育費を確保するなら学資保険に加入するのもいい方法です。

母親の死亡・生存に関わらず子供の入学金を準備することができるため、それなりの教育を受けさせたいと考える方は加入を検討してみてはいかがでしょうか。

しかし、学資保険に様々な特約を付けると、積み立てた保険料よりも満期保険金が下回ってしまうこともあります。保障内容と保険料のバランスが取れた商品を探しましょう。

シングルマザーが知っておくべき保険以外の助成制度

本記事の最後に、シングルマザーが家計のために知っておくべき公的な助成制度についてお伝えします。

遺族年金

遺族基礎年金は、被保険者が亡くなった場合、子供が18歳になる年の3月末まで遺族年金を受け取れます。受給要件を満たしている場合は、遺族厚生年金も受給可能です。

児童手当

国が子供の養育費を支援してくれる制度で、子供の年齢や数により受け取れる金額は変わります。

傷病手当金

協会けんぽなど、健康保険に加入している被保険者が病気やケガなどで働けなくなった時に、家族の生活を保障するための給付金をもらえる制度です。

住宅手当

市区町村によっては、ひとり親世帯に対して住宅手当を設けているところがあります。住宅を借りた場合、家賃の一部を助成してくれる制度で、1万円程度負担してくれる自治体が多いです。お住いの地域で実施していないか調べてみましょう。

まとめ

シングルマザーは万が一の時のために、保険で備えておきましょう。

子供のために必要な保障額はいくらなのか、現在の家庭の収支バランスを見て問題なくその保障を得られるかなどを把握するためにも、ファイナンシャルプランナーへの無料相談がおすすめです。

※2023年3月時点の情報です

監修:ファイナンシャルプランニング技能士 垣内結以