生命保険の加入率|加入目的と生命保険の必要性
2023年7月16日
これから生命保険への加入を考えている方は、他の人がどれほど生命保険に加入しているか「加入率」が気になる方も多いでしょう。
少し安易な考えではありますが、加入率が高ければ「何かしらの生命保険に加入しておこう」、加入率が低ければ「今回の生命保険加入は見送ろう」という判断ができるかもしれません。
ただ、結論を言いますと、日本は生命保険大国とも言われており、非常に加入率が高いことで有名です。それでは、具体的に何%の人が生命保険に加入しているのでしょうか。また、加入した人たちは、どのような理由や目的で生命保険に加入したのでしょうか。
今回は、生命保険の加入率について解説します。
※各データについては「生命保険文化センター」の「令和3年度生命保険に関する全国実態調査」を参考にしています。
生命保険の加入率|日本は保険大国
参照元「生命保険文化センター|令和3年度生命保険に関する全国実態調査」
早速ですが、上の図は「生命保険の加入率の推移」です。調査対象が2名以上の世帯のため、独身の方を含めるともう少し加入率は下がると考えられますが、全体を平均するとなんと【89.8%】の加入率となりました。
このように日本では、非常に多くの方が生命保険に加入しています。
年代別の生命保険加入率
参照元「生命保険文化センター|令和3年度生命保険に関する全国実態調査」
令和3年度の生命保険加入率を年代別で確認すると、加入率が90%を超える年代が多いことが分かります。この年代は子どもが生まれてから定年退職するまでの間と重なります。つまり、子どもが独立するまでは生命保険に加入して保障を得たいと考える方が多いのです。
生命保険の加入件数
上の図は加入率ですが、さらに生命保険の加入件数は1世帯当たり【3.9件】というデータもありました。約9割の家庭が生命保険に加入しているだけではなく、1世帯で複数の生命保険に加入しているのです。
例えば、夫婦それぞれに生命保険に加入していたり、積み立て型の終身保険と掛け捨て型の医療保険など用途ごとに別の保険に加入したり、子どもが生まれたから学資保険に加入したりして、目的ごとに複数の生命保険に加入していることが伺えます。
保険に加入する理由ランキング
実際に生命保険に加入している方は、どのような理由で生命保険に加入しているのでしょうか。こちらも生命保険文化センターの調査結果がありましたので、まとめてみたいと思います。
加入理由 | 割合(複数回答) |
希望に合った生命保険だったから | 42.3 |
営業職員・代理店の担当者が親身に説明してくれたから | 21.4 |
掛金が安かったから | 18.7 |
営業職員・代理店の担当者が知人だったから | 15.1 |
以前から加入していた営業職員・代理店の担当者にすすめられたから | 13.7 |
家族、友人、知人などにすすめられたから | 12.9 |
以前加入したことのある会社だったから | 7.3 |
従来ないタイプの新しい生命保険だったから | 6.9 |
テレビ、新聞、雑誌などでしばしば見聞きする会社だったから | 3.5 |
民間の生命保険会社の商品は利回りが良いから | 3.2 |
営業職員がFPの資格を有するなど、専門性があったから | 3.2 |
健全な経営をしている会社だったから | 3.2 |
加入後のサービスに魅力を感じたので | 2.9 |
通信販売やインターネットなどで手続きが簡単だったため | 1.1 |
その他 | 4.5 |
単位:%
参照元「生命保険文化センター|令和3年度生命保険に関する全国実態調査」
このように、一番多くの加入理由は、「希望に合った生命保険だったから(42.3%、1位)」となりました。他のコラムでもお伝えしているように、保険の必要性はその人の職業や年齢、年収、家族構成、貯蓄額などによって大きく変わります。適した生命保険を探し、納得した上で加入していることが分かります。
以外にも多かったのが「営業職員・代理店の担当者が親身に説明してくれたから(21.4%、2位)」や「営業職員・代理店の担当者が知人だったから(15.1%、4位)」「以前から加入していた営業職員・代理店の担当者にすすめられたから(13.7%、5位)など、人によって加入を決めたという理由です。
生命保険の加入目的ランキング
加入目的 | 割合(複数回答) |
医療費・入院費のため | 59.0 |
万一のときの家族の生活保障のため | 52.4 |
万一のときの葬儀代のため | 12.4 |
老後資金のため | 9.1 |
子どもの教育・結婚資金のため | 7.8 |
災害・交通事故などの備え | 7.8 |
貯蓄のため | 5.8 |
介護費用のため | 4.8 |
万一のときのローンなどの返済のため | 3.4 |
財産構築のため | 2.5 |
相続及び相続税の支払いを考えて | 1.6 |
税金が安くなるので | 1.6 |
土地・家屋の取得・増改築のため | 0.2 |
その他 | 1.1 |
単位:%
参照元「生命保険文化センター|令和3年度生命保険に関する全国実態調査」
上記の表は生命保険の加入目的の割合です。圧倒的に多い目的が「医療費・入院費のため(59.0%、1位)」「万一のときの家族の生活保障のため(52.4%、2位)」でした。
「老後資金のため(9.1%、4位)」「子どもの教育・結婚資金のため(7.8%、5位)」「貯蓄のため(5.8%、7位)」といった、貯蓄目的の生命保険加入は意外と少ない結果になりました。
生命保険の保険料と保険金
次に、実際に加入している人はどれほどの保険料を払っているのか見ていきましょう。
平均年間保険料
参照元「生命保険文化センター|令和3年度生命保険に関する全国実態調査」
上の図は、年間保険料の平均額です。一番多い金額帯が年間12万円未満でした。しかし、それ以上に保険料を支払っている世帯も多く、平均すると【年間37.1万円】。月額で換算すると平均【約3万円】の保険料を払っていることになります。
意外に多くの保険料を支払っているということが見て取れます。しかし、これは1つの生命保険に対しての保険料ではなく、上記でお伝えした複数の生命保険の合計保険料です。
仮に、月額平均3万円の保険料を平均3.9件の保険数で割ったとすると、1つの保険あたり約7,692円の保険料ということになります。
平均死亡保険金
一方で、受け取る死亡保険金の平均額は1世帯あたり平均【2,027万円】でした。世帯主に対する保険金は平均【 1,386万円】、配偶者に対する保険金は平均【692万円】です。
まとめ
いかがでしょうか。かなり多くの方が生命保険に加入しているということがお分かりいただけたと思います。
もしも生命保険の加入をお考えでしたら、加入理由でもあった「希望に合った生命保険」を選ぶよう心がけてください。ただ、様々な種類がある保険商品の中から自分にぴったりの保険商品を探し出す作業は骨の折れる作業です。一度FP(ファイナンシャルプランナー)に相談してみることをおすすめします。
場合によっては、「生命保険に入らない」という選択が最善であるケースもあります。生命保険の必要性について懐疑心のある方は、以下のコラムを合わせて読んでみてください。
※2022年11月時点の情報です
監修:ファイナンシャルプランニング技能士 垣内結以