生命保険の基礎知識|月額保険料・加入年齢・保険金額の平均値まとめ

2023年3月17日

生命保険と言っても、様々な保険会社があり商品があります。生命保険の加入を考えている方のなかには、どれを選べばいいのか混乱している方も少なくないのではないでしょうか。

そんな方におすすめな、とても手っ取り早い方法があります。それは、「みんながどのような生命保険に入っているかを知る」ことです。そこで今回は、生命保険の様々な平均値をまとめてみました。生命保険選びの参考にしていただけると幸いです。

※各データについては「生命保険文化センター」の生命保険に関する全国実態調査2021(令和3)年度を参考にしています。

世帯別|生命保険加入の平均

まず、どれほどの人が生命保険に加入しているのかを見てみましょう。調査対象が世帯数2人以上となっていたので、独身の方はもう少し違った数字になることをご了承ください。

生命保険加入率【89.8%】

日本は世界的に見ても生命保険大国と言われており、約9割の世帯が生命保険に加入しているというデータがあります。調査対象が所帯持ちなので、結婚している方のほとんどが生命保険に加入していると言えるでしょう。

参照:「生命保険文化センター|2021(令和3)年度「生命保険に関する全国実態調査

平均加入件数【3.9件】

さらに、生命保険の加入件数も1件だけではなく、世帯で平均3.9件という結果になりました。世帯主と配偶者、子供がそれぞれ加入している場合や、世帯主が数種類の生命保険に加入している場合が一般的です。

生命保険の平均保険料

それでは、気になる平均保険料も見てみましょう。

世帯別|年間平均生命保険料【37万1,000円】

こちらも世帯ごとで、年間37万1,000円という金額が平均です。月額に直すと、約3万917円の保険料を1世帯で払っていることになります。

参照:「生命保険文化センター|2021(令和3)年度「生命保険に関する全国実態調査

生命保険1件に付き平均月額8,000円

また、上記で平均加入件数は3.9件とお伝えしました。37万1,000円を3.9件で割ると、1件当たり年間平均約9万5,128円。月平均8,000円程度になります。ただ、生命保険と言っても様々な種類があります。それぞれにかけるウェイトは違うでしょう。

例えば、死亡保険15,000円。医療保険5,000円。学資保険12,000円。合計3万2,000円といった形です。

生命保険の平均加入年齢

調査対象者が所帯持ちのみですので、独身の方は少し変わるでしょうが、20代のうちに生命保険に加入している人は70.2 %いました。

参照:「生命保険文化センター|2021(令和3)年度「生命保険に関する全国実態調査

29歳以下で生命保険に加入している方の割合は低いですが、30〜34歳になると急に90.7%まで上がっています。

これは、子供が生まれて、万が一自分が亡くなった場合や病気・ケガで働けなくなった場合に不安に感じる方が多くなるため、と考えられます。

生命保険加入の目的

少し話は逸れますが、みなさんはどのような目的で生命保険に加入しているのでしょうか、生命保険加入の目的として多かったものをご紹介します。

  • 医療費や入院費のため(59.0%)
  • 万が一の時の家族の生活保障のため(52.4%)

 

もっともな話ですが、そもそも生命保険は、もしもの時に備えるための商品です。理由としても、医療費や入院費、もしものことがあった時の家族の生活保障のためとしている人が大半を占めました。

一方で、積み立て型生命保険には貯蓄的要素も含みます。しかし、貯蓄のため(5.8%)、税金が安くなるので(1.6%)、老後の生活資金のため(9.1%)のように、貯蓄目的で生命保険に加入している人は少ないようです。

※調査結果は、「生命保険文化センター|2021(令和3)年度「生命保険に関する全国実態調査」によるものです。(複数回答)

生命保険加入のきっかけ

生命保険に加入したきっかけもご説明すると、

  • 希望に合った生命保険だったから(42.3%)
  • 営業マン・代理店の人が親身に説明してくれたので(21.4%)
  • 営業マン・代理店の人が知り合いにいたので(15.1%)

という理由が多くありました。

意外にも、掛け金が安かったから(18.7%)、ネットなどで手続きが簡単だったから(1.1%)、という「安い」「簡単」というような理由で加入する人は少なく、生命保険は人を通して、自分にぴったりなものを、慎重に選んでいることが見て取れます。

※調査結果は「生命保険文化センター|2021(令和3)年度「生命保険に関する全国実態調査」によるものです。(複数回答)

年齢別の生命保険加入率

上記でもお伝えしましたが、20代の時点ですでに70.2 %の方が生命保険に加入しています。さらには、30歳以降になると90%以上の方が生命保険に加入しているということになります。

生命保険の平均保険金

このように、多くの方が加入している生命保険ですが、生命保険加入の大きな目的でもある死亡保険金。平均すると、死亡保険金の受取金はいくらくらいになるのでしょうか。参照:「生命保険文化センター|2021(令和3)年度「生命保険に関する全国実態調査

世帯の平均死亡保険金【平均2,027万円】

世帯の平均死亡保険金額は2,027万円という結果になりました。これは、ご説明の通り、1世帯で複数の生命保険に加入していることがありますので、1つの保険から受け取る死亡保険金ではありません。

世帯主の平均死亡保険金【平均1,386万円】

世帯主のみに絞って死亡保険金の平均額を出すと、1,386万円になりました。

世帯主の年齢別で見ると、45~49歳が最も高く、平均は2,040万円でした。29歳以下でも1,440万円となっており、若い方も高額な保険金を準備していることが分かります。

配偶者の平均死亡保険金【平均692万円】

一方、配偶者が死亡保険金を掛けていることも多く、平均死亡保険金額は692万円になっています。憶測になりますが、婚姻前から生命保険に加入していて、婚姻後も引き続き加入し続けているケースや、共働きで万が一のことがあると子供が困るからといったケースが考えられるでしょう。

生命保険の平均データから言えること

みんなが加入している生命保険のそれぞれの平均値を出してみましたが、ある程度ご理解いただけたでしょうか。最後にこれらのデータをもとに、言えることをまとめてみます。

結婚したら生命保険に加入している人がほとんど

まず、結婚したら生命保険に加入している人がほとんどです。言い換えると、結婚を機に生命保険を考える人が多い(もしくはそれまでに加入しておく)ということでしょう。

あなたが結婚を考えている年代であれば、将来の配偶者や子供のために生命保険の加入を考えてもいいかもしれません。すでに結婚している方は、言わずもがな、子供や配偶者のために保険加入を考えるべきでしょう。

生命保険の加入件数は1つだけではない

生命保険の加入は1件だけとは限りません。生命保険と言うと死亡保障をイメージしますが、医療保険やがん保険、養老保険、学資保険なども生命保険です。

それらを合計すると、1世帯当たり3.9件の生命保険に加入しています。1つの保険に頼るのではなく、トータルで生命保険を考える必要があります。

生命保険の保険料平均は月額3万917円、1件当たり8,000円程度

加入している生命保険を合計すると、1世帯で月平均3万917円の保険料を払っていることになります。1件あたり保険料は8,000円前後です(それぞれの料金ウェイトは違います)。

結構な金額になりますので、費用を抑えられる部分は抑えつつ、必要な保障はしっかりと付けるようにしましょう。

生命保険の選び方は自分の状況に合ったものを慎重に選ぶ

生命保険を選ぶきっかけは、自分が納得できる保険を見つけられ、保険の営業マン、代理店の人の親身な説明によって決定している人がほとんどです。

「保険料が安いから」「シンプルだから」と、安直に生命保険を選ばず、分からないことは、保険代理店や営業マンなどの保険のプロに相談してみることが賢明でしょう。

悩んだらFPに相談してみてください

保険のプロとして挙げられる人物にFP(ファイナンシャルプランナー)がいます。FPとは、簡単に言うと、各個人のお金の管理や運用をアドバイスしてくれる人です。保険に限らず、住宅ローンや税制、今後のマネープランニングなどを行なってくれます。

今回、生命保険に関する様々な平均をお伝えしましたが、それでも保険の種類は多く、組み合わせも様々です。どんな生命保険に加入すればいいのか分からない方も多いでしょうから、困ったらまずはFPに相談してみてください。

※2022年8月時点の情報です

監修:ファイナンシャルプランニング技能士 垣内結以