学資保険を貯蓄型と返戻率で選ぶことをおすすめする理由

2023年12月13日

学資保険はたくさんあって、探せばいくらでもおすすめ商品が出てきますが、どう選べばいいのか分からないケースがあると思います。

学資保険は子供の教育費用などに備えるものですので、まず気を付けるべきことは、元本割れしない保険を選ぶことです。

そこで今回は、おすすめな学資保険はどういったものなのかをご紹介していきます。

学資保険でおすすめなのは返戻率が高いもの

結論から言ってしまうと、学資保険の目的を考えるなら返戻率の高い保険を選ぶことをおすすめします。子供に将来かかる学費に備えるのが本来の用途ですので、支払った保険料総額を少しでも上回る保険を選ぶのは当然と言えますね。

学資保険の保険料と返戻率の比較表

学資保険の返戻率を、一例としていくつかご紹介します。

表:契約者は35歳男性、子供は0歳で加入した場合の月払保険料と返戻率

保険会社 保険料(円) 返戻率
A社 13,855 109.3%
B社 13,290 104.5%
C社 8,884 104.2%
D社 11,173 82.8%
E社 12,239 68.0%

元本割れをしている保険がいくつかありますが、これらは貯蓄メインではなく、医療保障や育英年金などの保障が付いた商品です。

子供にかかる教育費とは

子供の教育費は以外とかかりますので、できるだけ高い返戻率の保険を選びたいところです。実際にはいくら程度のお金がかかるのかを、「幼稚園〜高校入学」「大学入学」に分けてみましょう。

幼稚園〜高校までにかかる費用

文部科学省の行った「令和3年度子供の学習費調査」によると、幼稚園〜高校入学までの総額費用(年間)は下記の表のようになっています。

公立に進学する場合と私立に進学する場合とでは、負担が大きく変わります。

大学入学時にかかる費用

令和2年度学生生活調査(日本学生支援機構)では、大学生1人あたりの学費を含めた生活費は年間平均約181万円でした。授業料・課外活動費、食費、住居・光熱費、娯楽などが含まれています。

居住形態別に見た場合・・・
・自宅通学:約160万円
・アパートなど:約215万円

図:私立大学の場合

上は文部科学省の「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」で明らかとなった初年度学生納付金の平均です。

私立大学の入学費用が最も高く、140万円も一気に支出があると思うと、学資保険の満期金がいかに大事かをご理解いただけるのではないでしょうか?

保障型よりも貯蓄型の保険を選ぶ

学資保険には「保障型」と「貯蓄型」の2種類があります。

貯蓄型とは?

貯蓄型とは、貯蓄性を重視した学資保険です。貯蓄する目的以外に目立った保障が付かないため、基本的には元本割れすることがなく、返戻率が高いといった特徴があります。

返戻率の高さを重視する方は、貯蓄型がおすすめです。

保障型とは?

保障型は、学資金の積み立てのほかに、医療保障や育英年金保障などがセットになった保険です。子供が亡くなった時や病気やケガをした時、契約者である親が亡くなった時などに保険金を受け取れます。

ただ、そうした保障が付く分、返戻率は低くなり、元本割れをする商品が多いです。

返戻率は多少下がっても、学資保険と死亡保険、医療保険を一本化したい方に向いています。

学資保険の返戻率を少しでも高くする3つの手段

次に、学資保険の返戻率を高める方法をご紹介していきます。

保障はできるだけシンプルにする

保障を付けることが返戻率が下がる要因であることはお話ししました。つまり、できるだけ保険内容がシンプルであるほど返戻率が高くなると言えますね。

保険料の支払いはまとめて行い払込期間を短くする

支払う保険料の総額は、「年払い→半年払い→月払い」の順で高くなる傾向があります。つまり、月払いをやめて年払いにするだけで、「保険料が安くなっても受け取れる保険金の総額は同じ = 返戻率が高く」なります。

また、払込期間を短くした場合、一回に支払う保険料は高くなってしまいますが、総額の保険料は安くなります。

保険金の受け取りもまとめる(祝い金を受け取らない)

小学校、中学校、高校、大学とそれぞれで、「祝い金」の名目で保険金を受け取れる保険もありますが、受け取りはできるだけまとめると満期金の総額がアップします。

祝い金とは結局のところ、満期金を小出しにもらうものです。必要性がなければ、満期時に一括で受け取りましょう。

低解約返戻金型終身保険もおすすめ

低解約返戻金型終身保険は終身保険の一種で、払込期間中の解約返戻金の額を抑えることで、通常の終身保険に比べて保険料が安く済むという特徴があります。

死亡保障を付けながら、長期にわたって貯蓄ができます。

低解約返戻金型終身保険のメリット

  • ・終身保険と同じく一生保険料が上がらない
  • ・子供の年齢に関係なく加入できる
  • ・学資金目的以外でもお金を貯められる
  • ・払込期間満了後に一気に解約返戻金が上がる
  • ・通常の終身保険と比べて保険料が安い    など

保険金の使い道が自由

低解約返戻金型終身保険は払込期間を終えると返戻率が上がり、それ以降は好きなタイミングで解約することで解約返戻金を受け取れます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

具体的にこの保険がおすすめと明言はできませんが、基本的には貯蓄型を選択し、返戻率を比べてみてください。

また、学資保険は保険料の払い方や保障の手厚さで返戻率が変わってきますので、あなたの経済状況などを分析し、無理のない範囲で選んでいただければと思います。

※2023年9月時点の情報です

監修:ファイナンシャルプランニング技能士 垣内結以