安い医療保険に加入する際に失敗しない6つの選び方と注意点
2023年7月24日
保険料が安い医療保険の加入を検討する際、どんなポイントを比較すると良いかご存知でしょうか? 毎月支払う保険料はもちろんのこと、保障内容も重要な比較ポイントです。しかし、医療保険プランは複雑なものが多く、悩む人もいるかもしれません。
そこで今回、保険料が安い医療保険に加入するために、6つの選び方をご紹介します。
定期型と終身型プランから安い医療保険を選ぶ
安い医療保険を選ぶために、『定期型』か『終身型』のプランから検討する方法があります。定期型と終身型の医療保険の大きな違いは保障期間です。一定期間の保障を付ける場合は『定期型』、生涯にわたる保障を付ける場合は『終身型』プランを選んでください。
定期型 | 終身型 | |
毎月の保険料 | 終身型より安い | 定期型より高い |
保障期間 | 保険期間内のみ | 一生涯 |
解約返戻金 | 基本的になし | 以下3つの種類がある
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特徴 |
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若い人は病気のリスクが低いため、若いうちは保険料が安いです。ただし、『定期型』は年齢を重ね更新していくごとに保険料が高くなってきます。
一方、『終身型』は、若いうちに加入すると保険料が安く、その後は一生上がりません。ただし、保険の見直しがしにくいのでその点を考慮して加入を検討する必要があります。
定期医療保険
定期医療保険は、保険期間内にケガや病気で手術・入院をした場合の保障をしてくれるプランです。保険料は加入年齢によって異なり、年齢が若いほど毎月の保険料が安くなります。
【例:保険期間10年 入院給付金1万円/日で加入した場合の保険料】
加入年齢 | 毎月の保険料 |
30歳 | 1,680円 |
40歳 | 1,920円 |
50歳 | 2,960円 |
終身医療保険
終身医療保険は、生涯にわたり入院・手術を保障してくれます。突然ケガや病気になっても安心ですが、毎月の保険料は定期型より高いです。ただし、加入後はずっと保険料が変わらないので、若いときに入ったほうが保険料総額を抑えられます。
【例:終身医療保険に加入した場合の保険料】
加入年齢 | 毎月の保険料 |
30歳 | 3,216円 |
40歳 | 4,327円 |
50歳 | 5,910円 |
入院給付金日額から安い医療保険を選ぶ
入院給付金日額とは、入院した場合に受け取れる1日あたりの給付金です。例えば、日額5,000円の医療保険に加入しており5日入院したら、5,000円×5日=2万5,000円を受け取れます。
入院給付金日額は5,000円~1万円が一般的で、それ以下、それ以上の額を設定できる商品もあります。日額は高いほうが安心ですが、金額を上げるとその分保険料も上がる点に注意してください。
できるだけ安い医療保険がいい場合は、入院給付金が高すぎないものがベストです。
また、入院日額ではなく、入院したら一時金が支払われる保険もあります。受け取れる条件を比較して、最適な保険を探しましょう。
掛け捨て型か貯蓄型プランから安い医療保険を選ぶ
安い医療保険を選ぶ方法のひとつとして、『掛け捨て型』または『貯蓄型』プランからも検討できます。
貯蓄型とは、還付金や健康祝い金などを受け取れるタイプの保険です。それぞれメリット・デメリットがあるので比較してみましょう。
医療保険の種類 | 毎月の保険料 | 還付金などの有無 |
掛け捨て型 | 約5,000円 | なし |
貯蓄型 | 約10,000円 | あり |
保険料は掛け捨て型のほうが安いです。貯蓄型は還付金などがあるため、その分割高となっています。それぞれメリットとデメリットがあり、一概にどちらが良いとは言えません。
もし、毎月の保険料が安いほうに魅力を感じるなら『掛け捨て型』、保険料が高くても還付金に魅力を感じるなら『貯蓄型』が良いでしょう。
医療保険料の支払いで安い方法を選ぶ
実は、医療保険料の支払い方法でも保険料の安さが変わります。例えば、同じ医療保険でも支払い方法が『月払い』『半年払い』『年払い』で、1ヶ月あたりの実質保険料が異なります。
【例】
支払い方法 | 1ヶ月分に換算したときの 保険料 |
1年分に換算したときの 保険料 |
月払い | 1,582円 | 18,984円 |
半年払い | 1,563円 | 18,756円 |
年払い | 1,537円 | 18,444円 |
支払い方法別に保険料を1ヶ月分と1年分に換算しました。すると、月払いと年払いでは一1年間の保険料に差が出ます。わずかではありますが、これが10年続いた場合、数千円ほど節約になるでしょう。保険料支払いは、できる限りまとめるのがおすすめです。
クレジットカードを活用するとさらにお得に
医療保険料の支払いは、利用額に応じてポイントが貯まるタイプのクレジットカード払いがおすすめです。保険に加入すると、数年は保険料を支払うことが想定できるので、有効活用したいところです。
特約から安い保険を選ぶ
保険料を安くするためには、余計な特約を付けないことも大切なポイントです。下記に、特約を付けた場合と付けない場合の保険料がどのくらい変動するのかまとめました。
【例】
医療保険プラン内容 | 毎月の保険料 | 医療保険のみとの差額 |
医療保険のみ | 1,582円 | 0円 |
医療保険 +がん特約 |
2,512円 | +930円 |
医療保険 +三大疾病一時金特約(がん・急性心筋梗塞・脳卒中) |
3,242円 | +1,660円 |
医療保険 +三大疾病一時金特約+先進医療特約 |
3,347円 | +1,765円 |
医療保険のみの保険料と、特約をプラスした場合の保険料を比較すると、特約を充実させるほど保険料が上がることが分かります。
つまり特約を付けないほうが、年間の保険料を安くできます。特約は、本当に必要と思うものだけを付けるように心がけてください。
公的制度を理解した上で安い保険を選ぶ
ケガや病気の医療費を保障してくれるのは、医療保険だけではありません。国の保障制度を活用すれば、医療保険のプランを最低限の保障にしても十分に対処できる可能性があります。
ぜひとも知っておきたい制度は「高額療養費制度」と「傷病手当金」です。
高額療養費制度
高額療養費制度とは、同月内でかかった医療費の負担額が一定額を超えた場合、払い戻しが受けられる制度です。所得に応じて医療費の自己負担限度額が定められており、その金額以上の負担を避けられます。。
【70歳未満の自己負担限度額】
所得分類 | 自己負担限度額 |
年収約1,160万円超 | 252,600円+(医療費総額-842,000円)×1% |
年収約770~約1,160万円 | 167,400円+(医療費総額-558,000円)×1% |
年収約370~約770万円 | 80,100円+(医療費総額-267,000円)×1% |
年収約370万円まで | 57,600円 |
住民税非課税 | 35,400円 |
また、あらかじめ同月内の医療費が高額になると分かっているときは、『限度額適用認定証』を申請する方法もあります。この制度は、事前に申請しておくと医療機関の窓口で支払う医療費を、自己負担限度額内にできるというものです。
高額な医療保障を付けなくても、この制度を活用することで無駄な費用負担をせずに済むでしょう。
詳細や実際の申請方法は、加入している健康保険協会のHPなどでご確認ください。
傷病手当金
ケガや病気により会社を連続3日以上休むと、4日目以降にお金を受取れるのが傷病手当金です。傷病手当金は、病気休業中の被保険者とその家族の生活を守る目的で生まれた制度と言われています。
以下は、全国健康保険協会の支給される金額についてです。
1日当たりの金額:【支給開始日の以前12ヵ月間の各標準報酬月額を平均した額】(※)÷30日×(2/3)
(支給開始日とは、一番最初に傷病手当金が支給された日のことです。)(※)支給開始日の以前の期間が12ヵ月に満たない場合は、次のいずれか低い額を使用して計算します。
ア 支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額
イ 標準報酬月額の平均額
・30万円(※):支給開始日が平成31年4月1日以降の方
※当該年度の前年度9月30日における全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額傷病手当金の申請期間の初日の属する月までの12ヵ月間に、勤務先が変更した場合もしくは、定年再雇用等で被保険者証の番号が変更した場合、または退職後に任意継続被保険者になった場合は、下記の添付書類が必要です。ただし、全国健康保険協会に加入していた場合に限ります。
引用元:全国健康保険協会
まとめ
保険料が安い医療保険は、プランや入院給付金日額など様々な観点から比較して選ぶことが可能です。求める保障はしっかり残して、安い医療保険を選ぶことが望ましいでしょう。こちらの記事が、あなたの安い医療保険選びの参考になれば幸いです。
※2022年11月時点の情報です
監修:ファイナンシャルプランニング技能士 垣内結以