生命保険の相談先一覧|加入・比較・見直しの相談前に準備すべきこと
2022年4月10日
生命保険の相談をする際、「生命保険のことがよく分からない」「どうやって生命保険を選べばいいのか」といった不安があるかと思います。
そのような場合、「生命保険相談所」などの相談サービスを利用することで、あなたの疑問の多くは解決できます。中には、生命保険に関する相談の他に苦情、医療保険・自動車保険など、様々な相談を受け付けているところもあります。
生命保険の相談先には、いくつか種類があり、以下のようなカテゴリに分けることができます。例えば、「生命保険相談所」は社団法人系に該当します。
- ・社団法人系に相談する
- ・直接店舗に足を運ぶ
- ・インターネット上から相談先を探す
- ・FP(ファインシャルプランナー)に相談する
ただし、あなたに合った生命保険に加入するためには、これらの専門家にただ相談すればいいというわけではありません。
相談する前に、いくつかの準備をしておくことが大切です。そこで今回は、生命保険の無料相談先や無料相談サービスを利用する際に気を付けることなどを一緒に見ていきましょう。
生命保険の相談ができる無料相談先とその特徴
生命保険の相談先には、FPや生命保険協会の「生命保険相談所」などがあります。こういった方たちに相談するメリットとしては無理な勧誘をしてこないことが挙げられます。
例えば、生命保険会社の営業マンに相談した場合、後に激しく電話がかかってくる可能性があります。しかしFPの方たちはお客様からクレームがきたら相談の数そのものが減ってしまいます。
生命保険会社からの信用も無くなり、やがては仕事がこなくなってしまいます。そのためFPや相談員の方は、過度な営業をお客様にすることはありません。まずは、生命保険の相談ができる相談先として、どんなものがあるのかをご紹介していきます。
社団法人系に相談する場合
生命保険や人生設計の相談に乗ってくれます。公正・中立の立場で相談に乗ってくれるので、右も左も分からない人が最初に相談するのに向いています。
一般社団法人|生命保険協会
生命保険に関して相談したり、苦情を投げかけたりできます。保険の見直しというよりも、すでに加入している保険に対する疑問や不満に関する相談に向いているでしょう。
公益社団法人|生命保険文化センター
生命保険に関する相談を無料で受け付けています。電話相談は平日のみの対応です。
直接店舗に相談に行く場合
街にある保険代理店や、保険会社の店舗などです。あなたが加入している生命保険や医療保険といった各種保険の無料診断、見直しの提案を行っています。
保険代理店と保険会社の主な違い
保険代理店に行くメリットは複数の取扱保険会社の中から、あなたに最適な保険プランを提案してくれる点です。基本的に、保険会社の場合はあなたが保険の診断や見直しに行っても、自社の保険商品の中でしか提案をしてくれません。
一方、保険代理店では特定の保険会社に属さないファイナンシャルプランナーがあなたの相談に乗ってくれます。1社に偏った提案をされないので、複数の保険会社のサービスからあなたにフィットしたものを選んでくれますよ。
インターネット上で無料相談の予約ができる会社
生命保険会社は保険商品を保有している会社ですが、無料相談などのサービスをメインに提供している会社もあります。問い合わせをすると無料でFPを紹介してくれます。あなたの自宅、またはカフェなどで相談可能です。
当サイトからも無料相談申し込みができます。相談したい内容を入力した後、ファイナンシャルプランナーから相談日時の連絡が入り、そこで個別の面談日程の調整をする流れになります。
特定の保険商品しか選べないということもなく、あなたのライフプランに合わせた提案を行います。
個人のファインシャルプランナーに相談する場合
どこの保険会社にも所属せず、完全にフリーで動いているファインシャルプランナーもいます。ネット上の相談窓口の場合と同じく、特定の保険商品に偏った提案をされることはありませんが、いくつか注意しておくポイントがあります。
有料相談である場合が多い
個人で動いているFPのため、相談料が無料ではなく、1時間5,000円〜10,000円程度の費用が発生します。そもそもFPは「お金の専門家」ですので、家庭の状況や収支の内容、資産や負債などのデータから、最適な資金計画を導きだす支援をしてくれます。
他の相談窓口よりも深い知識が得られる
例えば生命保険の相談を行う目的として、病気やケガをした時の金銭面の不安、万が一死亡した時の遺族の心配などがあるでしょう。個人のファイナンシャルプランナーは相談料を有料にしている代わりに、保険に頼らない資産形成の方法や、保険以外で病気に備える方法などもアドバイスします。
生命保険の相談に行く前に準備しておくこと
FPはお金に関するプロなので、相談したい内容が分からない状態でもなんとかしてくれます。ただ、スムーズに相談を進めたい方は、事前に勉強をしたほうがいいですね。何もも考えずに相談するより、発見が多いです。
自分の考えを持った上で相談に行き、プロの意見と照らし合わせることで生命保険の考え方を学ぶことができます。なるべく自分で考えたいけど、プロの意見がほしい!といった方にもおすすめです。
毎月の保険料を抑えるためにインターネットで契約を結びたい方は、自分で考えを持った上での相談が賢いと言えます。そのうち、相談をせずとも自分で加入できるようになるかもしれません。
ではどのような準備をしておくと、いい相談ができるのでしょうか。
保険に求めるもの・保険加入の目的をはっきりさせておく
生命保険の相談と聞くと、「自分に合った商品」「安い商品」と考えてしまいがちです。しかし生命保険で大切なのは「万が一に備えること」です。万が一の事態があった時、自分や大切な家族を助けてくれるのが生命保険の役割です。
まずは、自分に必要な保障を考えてみましょう。年齢、家族構成、収入などを洗い出して、どんな時に、どんな保障があったら安心するかを挙げてみてください。または、何に不安を抱えているのか(例えば自分が死亡した後の家族の生活)を箇条書きにすると分かりやすいです。
また、貯蓄や資産運用が目的なら、いらない特約を付けずに返戻率の高い保険を探したほうがいいでしょう。
気になる生命保険の商品を探しておく
必要な保障内容がなんとなく分かったら、今度は保険商品を探してみましょう。ネット上で無料でできる一括見積もりサービスは、多数の保険商品を一度に見ることができて便利です。
保険商品を探してみることで、保険料相場が見えてきます。これも相談時の比較材料となります。インターネットで検索して出てくるものは、ネット契約できるものもあります。ネット保険は人件費がかからない分、保険料が割安です。対面で提案された保険より、ネット保険のほうがよさそうであれば、ネット保険を検討するといいでしょう。
また、相談した際に、自分で検索したものと保険料に違いがある場合は質問ができますよね。事前に勉強をすると、生命保険についての理解がより深まります。もちろん無理に勉強する必要はありませんが、「しっかりと納得した上で加入したい!」と強く思う方は勉強をしたほうがいいでしょう。
いくつか候補を絞り、なぜその保険がいいのか考える
勉強熱心な方は、ここまでやってしまいましょう。より一層理解が深まります。保険商品の候補をいくつかに絞り、なぜその保険がいいのか考えてみましょう。「価格が安い」「保障内容がちょうどいい」「信頼できそうな保険会社だから」などが考えられるでしょうか。
会社の名前で選ぶのは少し違った視点ですが、これも大切です。生命保険は、長く加入し続ける方が多いので、本当に信頼できる会社で加入したほうが安心できます。
さらに、自分が商品を選んだ理由をFPに説明できたら素晴らしいですね。生命保険への理解が深まる上に、相談もスムーズに進みます。あなたの熱心な姿勢から、FPも真剣に相談に乗ってくれるでしょう。
生命保険の相談をする時にチェックするポイント
FPに相談する際には次の3つのポイントに注意をしましょう。
FPの提携社数
FPは生命保険会社から支払われる手数料を収入としています。したがって、提携している生命保険会社の商品以外は紹介することができません。相談をする際には、提携社数の多いFPが居るかどうかを必ずチェックしましょう。
生命保険に加入・見直しする目的を伝える
なぜ生命保険に加入したいのか、見直したいのかを明確にしておきましょう。あやふやなまま相談をすると、間違った目的で相談をしてしまう可能性があります。熟練のFPであれば、目的の誤りを指摘してくれるかもしれませんが、されずに相談が進んでは意味がありません。目的があやふやであれば、まずその旨を伝えて「目的を明確にする」相談から入りましょう。
結果を急がない
相談したらすぐに結果がもらえると思うと、2回・3回の相談がじれったくなるかもしれません。しかし生命保険は長期間加入するものですから、じっくりと検討する必要があります。また各々の家庭状況や、収入・支出のバランスから資金計画を立てるのは容易ではありません。最適な生命保険を見つけるためにも結果を急がないようにしましょう。
生命保険の無料相談をする際によくある疑問や不安は?
たいていの生命保険会社は、無料相談サービスを用意しており、新規契約・見直しの相談ができます。相談は店舗での相談の他、アドバイザーが自宅まで来てくれるところもあります。
自分で考えても難しくて分からない、仕事が忙しくて考えている余裕がない方向けのサービスと言っていいでしょう。
ただし、手軽に利用できる反面、「相談に乗ってもらったらそのまま保険をすすめられるのでは?」といった不安から腰が重くなっている人もいるかと思います。ここでは、生命保険の無料相談を利用する際によくある疑問や不安に関してお話していきます。
そもそも自分がどの保険に加入すべきかわからない
そもそも何を基準に、生命保険の良し悪しを考えればいいのか分からない人もいるでしょう。
「今の保険を変えると、月々の支払いが4,000円安くなります」と言われると分かりやすいですが、安い保険があなたの求めている保障を全てカバーしているとは限りません。
安くても万が一の時にお金を受け取れなければ、それはただの浪費です。金銭以外にどんな判断基準があるのかを知っておきましょう。
今の保険が合っているのか確認してもらうだけでもOKなのか
保険会社によってはOKです。というより、それだけでもいいと言ってくれるサービスを探したほうがいいでしょう。強引に押し売りしてくる会社ほど儲かっていなかったり、ノルマに追われていたりする可能性が高いので、親身な相談をしてもらいにくくなります。
相談したらそのまま保険をすすめられそう
あなたの気持ちを無視していきなりセールスを始める人がいるかもしれませんが、それは担当者や企業によりけりです。店舗にいた場合は、途中で退店すればそれで終わりです。
ただし、当然親身になってくれる人もいます。今は変なことをするとインターネットで口コミを書かれる時代です。保険代理店も例外ではありませんから、悪い噂がたたないように長い目で見た提案をしてくれるはずです。
本当に相談料は無料なのか?
無料相談サービスを受けてくれる人は、もちろんボランティアで相談を受けてくれるわけではありません。
相談者が保険代理店経由で保険に加入すると、保険の販売元である保険会社からあなたが相談した保険代理店へ契約手数料が支払われます。無料相談はこの契約手数料に支えられています。
見えないところでお金が動いているおかげで、無料相談サービスが実現できています。ただ、しっかりとした知識を持った人が話を聞いてくれるわけですから、無料と言えども便利屋さんのような気持ちで相談に行くのは控えましょう。
無料相談は何回でも可能なのか?
相談は基本的に何回でもできます。大抵は2〜3回の相談で終わりますが、早い方は1回で生命保険に申し込む場合もあります。気になる方はいくらでも相談して大丈夫です。
生命保険の知識が全くなくても大丈夫?
知識がないと迷惑かもしれない、といった心配はいりません。自分で勉強をしてから行ったほうが、相談がスムーズに進むのはもちろんです。しかし、忙しいのに無理をしてまで勉強をする必要はありません。
生命保険に関する相談件数の推移
生命保険文化センターによると、生命保険に関する相談件数は、2020年度は1,355件で、2018年度と比べて296件の増加が見られます。
引用元:相談実績(生命保険相談リポート)
また、相談内容については、下記のような統計が発表されています。
<一般相談の相談内容・消費者の意向別件数> | |||||
順位 | 相談内容・消費者の意向 | 2020年度 | (参考) 2018年度 |
||
件数 (件) |
占率 | 件数 (件) |
占率 | ||
1 | 税金について教えてほしい | 291 | 21.5% | 208 | 19.6% |
2 | 各種手続きについて教えてほしい | 233 | 17.2% | 173 | 16.3% |
3 | 生命保険の仕組みについて教えてほしい | 224 | 16.5% | 169 | 16.0% |
4 | 営業職員・代理店に関する問い合わせ | 112 | 8.3% | 92 | 8.7% |
引用元:相談実績(生命保険相談リポート)
一番多い相談は「税金」についてです。具体的には、保険金受取の際にかかる税金についての相談が多数でした。次いで2位は「各種手続き」です。保険金の受取手続きの相談が多数寄せられていました。
生命保険の無料相談をするための主な流れ
生命保険の無料相談サービスは主に、以下のような流れで進みます。
①申し込みをする
まず始めに、生命保険会社のHPや無料相談サービスを行っている会社のHPから申し込みます。申し込みは専用フォームへの入力または、電話のどちらかが基本となります。
申し込みの時点で、
- 家族構成
- 職業や年収
- 病歴など
を申告します。
また申告する内容は会社によって異なります。生命保険によっては、病歴があると加入できない場合があります。加入できない人は相談ができない場合もあるようです。ただし、見直しであれば相談できるケースもあります。
②返事をもらう
相談サービスを提供している会社から返事をもらいます。会社はお客様に合ったFPを探してくれます。返事がもらえるまでには1週間ほどかかるようです。審査のようなものがあり、相談者の情報をしっかり見るためです。
③決めた日時・場所で相談
返事をもらったら、相談をする日時・場所を決めます。自ら相談所に行く場合と、FPが訪問をしてくれる場合とがあります。自宅に訪問されるのが嫌な場合は、近所のカフェなどに来てくれますから安心です。
④用意するもの
見直しがしたい方
生命保険の見直しをしたい方は、生命保険証券を持っていくようにしましょう。生命保険証券には現在の契約内容が記されています。自分の契約内容の詳細を相手に伝えることができるので、確実に見直しができます。
新規加入したい方
新規契約の相談をしたい方は、ペンとメモを持っていくといいでしょう。生命保険について知りたかったこと、知らなかったことなどをメモに残しましょう。相談は1回だけとは限りませんので、次回の相談内容を考えるためにもメモを活用しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
無料相談サービスの担当員は、生命保険会社の人間ではなくFPということがポイントです。生命保険会社の営業マンは成績のためにガツガツとした営業をする可能性がありますが、FPは評判が命なためにお客様の嫌がることはしません。
激しい勧誘を警戒せずに相談を受けられるのは大きなメリットと言えます。保険について自分で勉強をしている方も、一度お金のプロであるFPに相談をしてみてはいかがでしょうか。
※2022年4月時点の情報です
監修:ファイナンシャルプランニング技能士 垣内結以