生命保険の更新をする際に続けるか見直しをするかの判断ポイント
2023年3月24日
更新型の生命保険は、保険期間が終了すると、契約していた保険内容と同じ保険に再び加入することができます。
更新する際に今の保険が自分に本当に適しているか、保険料を払い過ぎていないかなどを改めて確認できるので、保険の見直しをするいい機会です。
また、更新の際には気を付けなくてはいけない点がいくつかあるため詳しく解説していきます。身近にある保険について考える機会は少ないかもしれませんが、ここで将来のために考えてみましょう。
生命保険の更新する場合に知っておくべきこと
基本的に更新ごとに保険料が高くなる
更新型の生命保険は、年齢が上がるにしたがって月々の保険料が増えていきます。
【例:保険金が3,000万円の定期型保険の場合(10年更新・男性)】
月額 | 合計額(10年間) | |
20歳で加入した時の保険料 | 4,290円 | 514,800円 |
30歳で更新した保険料 | 4,920円 | 590,400円 |
40歳で更新した保険料 | 8,400円 | 1,008,000円 |
50歳で更新した保険料 | 17,340円 | 2,080,800円 |
60歳で更新した保険料 | 37,170円 | 4,460,400円 |
保険料を負担に感じないようなら問題ないですが、「こんなに高い保険料なんて払えないよ…」という場合は保障内容の見直しをして、月々の保険料が安い契約内容に変更しなければいけません。
保障内容を変えるべきかの判断方法
保険料が高額になると言っても、保障を減らすのに不安を感じる方もいるかと思います。なので、保険を見直す場合は現在の自分に万が一のことがあった時、いくらの保険金が必要になるかを算出してから判断しましょう。
当然ですが、一家の大黒柱として働く時期と子育てが終わって落ち着いた時期では、家族に残すべき必要な保険金の額は異なってきます。
保険金は「いくらほしいか」ではなく「いくら必要か」で選択することが重要です。支払いに余裕のある方でも更新の際は一度確認しておくことをおすすめします。必要額の算出方法は以下の記事をご参考ください。
生命保険の更新をする際に検討すべき保険期間
生命保険の更新についての注意点などをご紹介してきましたが、生命保険には更新できるタイプはもちろん、更新がないタイプもあります。それぞれ特徴があり、メリットとデメリットがあるので、必ず確認しておきましょう。
更新型の生命保険
更新型とは、10年更新や20年更新など更新期間を定めて契約をする生命保険です。同じ保障内容で契約を更新すると、その度に月々の保険料が増加していきます。若い時は安く、年配者は割高になるのが更新型の特長と言えます。
若い時より年を取った時のほうが保険を使う確率が上がるため、更新のたびに保険料が上がる仕組みになっています。
全期型の生命保険
全期型とは、契約時に保障期間を決定してその期間中は更新なくずっと一定の保険料を払い続ける生命保険です。
このタイプだと更新型のように保険料が上がることはなく、安い保険料のまま保障を受けられるのが利点と言えます。しかし、更新ができないので、保障期間が終わると保障がなくなってしまいます。
終身型の生命保険
終身型とは、保障期間に期限を設けずに保障が受けられる生命保険です。一度契約したら更新はなく、一定の保険料を自分が定めた期間(有期払い)もしくは亡くなるまで(終身払い)支払いを行います。
途中で解約しても、今まで支払った保険料の一部が解約返戻金として戻ってきます。保障期間が一生涯続くため途中解約しない限り、必ず保障を受けられるのが終身型の大きな魅力です。
その手厚い保障内容により、更新型や全期型よりも月々の支払い保険料が割高に設定されています。一度加入すると、保険料はずっと変わりません。
更新時の見直しで気を付けるべきこと
生命保険を更新する際の見直しでは注意点がたくさんあります。保険の営業マンはこちらのことを考えて様々な提案をしてくれますが、会社の利益も考えなくてはならず、更新時に契約者に割高なプランを紹介する場合もあるので警戒しなければいけません。
ここでは更新時に特に気を付けてほしい二点を紹介します。
転換をすすめられた時の注意
転換とは、すでに契約している保険契約を解約して、今までその保険契約で積み立ててきた金額を同じ保険会社の新しい保険契約の保険料に充てることを言います。
積み立ててきたお金を新しい保険に活用できることは、解約してまた他の保険に新規加入するよりお得ですが、転換した際の年齢で保険料が再計算されるので今まで支払っていた金額よりも増えてしまう場合があります。
すすめられるがまま転換をしてしまうと、保険料が高いうえに、もともとの保険金額が減ってしまうという状況もあり得るので、その場ですぐに決めないで第三者(フィナンシャルプランナーなど)に相談してみましょう。
また、予定利率が高かった30年以上前の保険のことをお宝保険と言いますが、この保険を持っている方は特に注意が必要です。予定利率とは簡単に説明すると、契約者に対して約束された運用利回りのことで、バブル経済期の影響もあり、当時はどの保険会社も高い状態でした。その保険をまだ持っている人は高いリターンを得ることが期待できるので、転換してしまうのはもったいないです。
乗り換えをすすめられた時の注意点
今加入している保険・保険会社から他の保険・保険会社に変更すること言います。保険会社も日々新しい保険商品を開発しているので、様々なプランの提案をしてくるはずです。
もちろん今加入している保険内容よりもお得な内容で自分に合っている保険があれば乗り換える選択肢もありですが、必ずしも自分が思い描いていた保険とは限りません。乗り換えたことによって損をすることもありえるのでご注意ください。
見直して新しいプランを考える:今のプランで大丈夫?
更新する際は、保険の見直しをしましょう。今まで加入していた保険を更新して同じ保険に入り続ければ何も変わらず安心かもしれませんが、その保険があなたに本当に適した保険かは分かりません。今以上に適した保険があるかもしれません。
先ほども言いましたが、日々保険会社は新しい保険商品を追加販売しています。必ずしも新しいものがいいとは限りませんが、新しくカバーできるようになった保障内容もあるかもしれないので、更新という機会に自分の保険を見直してみてはいかがでしょうか。
生命保険・更新Q&A
ここでは更新についてのよくある疑問に関して何点か紹介させていただきます。
1定期保険の更新の際に病気になってしまいました。病気になったら更新はできませんか?
安心してください!通常の場合は更新時の健康状態に関係なく更新することが可能です。
しかし、保険会社によって規約は様々なので、加入している保険会社の規約を確認してみましょう。
2更新型は更新ごとに保険料が上がってしまうということは、あまりよくない保険なのでしょうか?やはり保険料を抑えたいです。
一概に悪いとは言えません。確かに多くの方が、保険料が更新ごとに上がってしまう点に不満を感じています。
更新型は、更新のタイミングで乗り換えや解約がしやすいので、一定期間のみ保障がほしい方や、ライフスタイルが変化するたびに保険を見直したい方には最適の商品です。
月々の保険料は終身型より安いため、一生涯の保障がほしいわけでないなら、更新型がいいかもしれません。
保険料を抑えたい場合は、本当に必要な保障内容だけを付けて、必要最低限の期間のみ加入するようにしましょう。
まとめ
生命保険の更新する際の注意点などを紹介してきました。一番大切なことは、加入している保険の内容を詳しく理解すること、自分に適している保険は他にもあることを考えて、様々な可能性を考慮することです。
このようなことを考えて、更新するかしないかを判断しましょう。
※2022年8月時点の情報です
監修:ファイナンシャルプランニング技能士 垣内結以