医療保険の必要性を徹底解説|必要・不要の判断基準と賢い保険の選び方

2022年3月3日

本当に医療保険が必要なのかそうでないのか、医療保険に加入すべきかどうかをお悩みのお方は、本コラムを参考にしていただければと思います。医療保険の必要性と不必要性を徹底解説していきます!

医療保険とは、万が一の病気やケガに備えて保険料を支払い、いざ入院・治療した場合の医療費を軽減してくれるものです。

そこで思うのが「医療保険は必要なのか?」ということです。医療保険に加入していれば、万が一の事態になっても費用面での心配が少なくなります。しかし、そもそも契約期間中に病院にかからなければ、保険料を支払うだけ損のような気もします。

そこで、今回は医療保険が本当に必要なのかそうでないのかを解説していきます。加入すべきかどうかをお悩みの方は、本コラムを参考にしてください。

医療保険が必要だと言われる理由

安心を買うことができる

家系に病気になりやすい人が多かったり、仕事柄ケガをする可能性が高い方は、もしものことを考えて不安な日々を過ごしているかもしれません。医療保険に加入することで、費用面の心配事は極限まで下げることが可能です。言い換えると、安心をお金で買うような形になります。

長期入院の負担を小さくできる

いくら日本は公的医療保険が充実していると言っても、入院が半年以上も長引くような状況に陥ってしまっては公的医療保険だけでは負担を補いきれなくなる恐れがあります。

しかし、民間の医療保険に加入しておけば公的医療保保険と合わせて保障を受けられるので、万が一のときの負担を最小限に抑えられます。

個室のベッド代や先進医療の保障を得られる

入院した際に個室を利用した場合のベッド代(差額ベッド代)や先進医療の治療など、公的医療保険の対象外として扱われるものは、民間の医療保険であれば費用をカバーできます。

病気によっては先進医療が必要になる可能性も0ではありません。そのような重大な危機にも備えておきたい方にとっては、医療保険は心強い支えになってくれるでしょう。

一般的に医療保険が不必要と言われる理由

健康保険で医療費は3割負担ですむ

日本には国民皆保険制度があるので、みんな何かしらの健康保険に加入しています。70歳未満の大人であれば、医療費の実質負担額は3割です。

2~3日の少ない日数の入院であれば、この保障だけでも負担は軽いでしょう。大きな病気とケガに不安を感じない人だと、民間の医療保険に入らなくても十分だと考える人が多いです。

医療費の負担額には上限が設けられている

民間の医療保険は不用だと主張する理由として挙げられるのが、高額療養費制度の存在です。高額療養費制度とは、月(1日から末日まで)の医療費が定められた基準を超えると、超えた分の医療費を返還してもらえる制度のことです。

健保の所得区分(70歳未満) 3ヵ月までの自己負担限度額 4ヵ月以降の自己負担限度額
標準報酬83万円以上の方 252,600円+(医療費-842,000円)×1% 140.100円
標準報酬53~79万円の方 167,400円+(医療費-558,000円)×1% 93,000円
標準報酬28~50万円の方 81,000円+(医療費-267,000円)×1% 44,400円
標準報酬26万円の以下の方 57,600円 44,400円
住民税の非課税者 35,400円 24,600円

例えば、月額標準報酬28万円の人が80万円の手術費を負担する状況に陥ったときにこの制度を利用すれば、実質負担額は86,330円(81,000円+5,330円)だけになります。

このように日本は公的医療保険だけでも十分に医療保障が充実しているので、わざわざ民間の医療保険に加入する意味に疑問を抱く人も少なくありません。

会社員なら傷害手当金が支給される

会社に勤めている場合は、事故や病気などが原因で働けなくなった期間中に普段の給与の2/3相当の額が支給される傷害手当金という保障があります。保障期間は最長で1年6ヵ月間です。

働けなくなったときの一番の不安はその期間の収入が途絶えてしまうことですが、傷害手当金を利用すれば休業中でも一定の収入を確保することができます。

保険に加入しても必ず保障を得られるとは限らない

民間の医療保険には保障を受けるための条件が定められており、例えば以下のような状況だと保障を受けられない可能性が高いです。

  • ・正常分娩
  • ・整形など治療が目的でない手術
  • ・健康診断のための入院
  • ・保険会社が対象外としている病気・ケガ

せっかく保険を契約しても対象外のものがあるという点に、不満を感じる人もいると言われています。

医療保険の必要性を考える3つのポイント

いかがでしょうか。以上が一般的な、医療保険が必要・不必要な理由になります。しかし、上記はあくまで一般的な考えであって、個別では判断しづらい部分もあるでしょう。以下で、医療保険の必要性が高い人とそうでない人の特徴をわけてみました。

ぜひ、ご自身の状況と比較して医療保険の加入を決めるときの参考にしていただければと思います。まずは、ご自身でどの部分に着目すべきかを解説していきます。

貯金の有無

はじめに、ご自身の貯金額で判断してみてください。日本は医療保障が充実しているので、貯金が十分にある場合、わざわざ民間の医療保険に加入しなくても、貯蓄で医療費が補える可能性があります。

万が一入院をした際のリスク

万が一ご自身が病気などにより入院した際のリスクを一度想定してみましょう。入院してしまった場合、医療費がかかることは当然ですが、入院により仕事ができなくなるケースも十分に考えられるでしょう。

会社勤めの方であれば、一定期間は傷病手当金がありますが、それ以外の方は万が一入院した場合、収入をどうするか考えてみてください。自営業の方や、一家の稼ぎ頭で収入が止まってしまうと生活費に心配がある方は、医療保険の必要性が十分にあるでしょう。

月々の保険料支払いを負担に感じないか

医療保険を検討している人のなかには、既に別の生命保険に加入していて保険料を支払っている人もいるでしょう。医療保険自体の保険料はそこまで高額ではないかもしれませんが、他の保険と組み合わせると、負担になることも考えられます。

医療保険を追加したことで、他の保険料が払えなくなったり、月々の生活が苦しくなるようであれば、優先度の低い保険を外すことを考えてください。

医療保険の必要性が高い人の特徴

それでは、ご自身の状況をある程度イメージできたかと思いますので、実際に医療保険が必要な人・そうでない人の特徴を挙げていきます。

現在あまり貯蓄ができていない人

現在あまり貯蓄ができていない方は、いざ病気やケガで入院し、収入がストップした場合の不安が大きいと思います。なかなか貯蓄ができないような状況であれば、いざというとき最低限の生活費を確保するために医療保険に加入すると良いでしょう。

必要な貯蓄額の目安は一概には言えませんが、100万円を満たさないような場合は、いざ長期の入院が必要になったときに生活面で困る可能性が高いです。貯蓄額が100万円以下の方は、医療保険の加入を考える必要性があります。

病気・ケガの不安がある人

病気やケガによって入院する可能性が他の人より高いと考えられる人は、医療保険の必要性も高まるでしょう。具体的な例を挙げると、家系的に病気にかかりやすく両親・祖父母がよく入院しているような方や、仕事・趣味などでケガしてしまうことが考えられる方です。

稼ぎ頭で収入が止まると困る人

上記でお伝えしましたが、病気やケガなどで入院してしまうと、医療費だけでなく入院期間の収入が止まってしまいます。そうなったときに家族の生活費やローンなどの支払いが心配な方は、医療保険の必要性が高いと言えるでしょう。

自営業の人|国民健康保険の加入者

自営業の方など国民健康保険の加入者は、会社員と違って傷病手当金がないため、万が一のときの保障が少ないです。言い換えると、自分の身は自分で守らなくてはなりません。

貯蓄があるようでしたらそこまで心配はいりませんが、自身の入院で数カ月の収入が止まると困るようでしたら、医療保険の必要性も高いと言えるでしょう。

医療保険が不必要な人の特徴

それでは、反対に医療保険の必要性が低いのはどのような人でしょうか。

貯蓄が十分ある人

度々申していますが、貯蓄が十分にある方は、わざわざ医療保険に加入しなくても、自分の貯蓄から医療費を補填することができるでしょう。

会社の福利厚生が十分な人

会社によっては、数週間・数カ月の入院による収入を保障してくれるようにきちんと福利厚生が整えられている会社もあります。そのような場合、医療費さえ捻出できればそこまでお金の心配も必要ないため、医療保険の加入は見送っても良いかもしれません。

医療保険の賢い選び方

それでは、実際に医療保険が必要となったのであれば、医療保険のどの部分に着目すれば良いのでしょうか。こちらでは医療保険を選ぶ際の賢い選び方についてお伝えします。

入院の支払限度日数を決める

医療費を負担してくれる医療保険でも、いつまでも負担してくれるわけではありません。医療保険によって、1入院あたりの支払限度日数が決められています。支払限度日数が長くなれば、その分保険料も上がりますが、手厚い保障を受けられるでしょう。

商品ごとに、40日、60日、120日、360日などがありますが、参考までにそれぞれの病気にかかった際の平均入院期間を載せておきます。

主な傷病 平均在院日数
総数 29.3日
ウイルス性肝炎 21.2日
胃がん 19.2日
結腸・直腸がん 15.7日
肝・胆管がん 16.9日
気管・肺がん 16.3日
糖尿病 33.3日
統合失調症 531.8日
気分障害(躁うつ病を含む) 113.9日
アルツハイマー 81.2日
高血圧性疾患 33.7日
心疾患 19.3日
脳血管疾患 78.2日
骨折 37.2日

参考:「平成29年(2017)患者調査の概況|厚生労働省

このように、全体の傷病での平均入院期間は29.3日となっています。また、年齢が上がるにつれ入院期間も伸びる傾向にあります。

これを見れば、40日の保障期間でも事足りるかもしれません。しかし、上記の表で統合失調症や気分障害などの疾患は在院期間が非常に長くなっています(これら精神疾患は対象外となっている医療保険も多いので注意が必要です)。

FPなどの専門家に相談してみるのも良いでしょう。(ちなみに1番人気があるものは60日保障です。)

特約をどこまでつけるか

また、特約をつけるかもきちんと考えておきましょう。特約をつければつけるほど月々の保険料が上がりますので、余計な特約をつけないようにしつつも、契約しようとする保障内容だけでは不十分な場合は、特約で補填してください。以下は代表的な特約の一例です。

通院特約 退院後に通院をした場合に通院給付金が受け取れる特約です。
先進医療特約 厚生労働大臣が定める先進医療(がん治療などに多い)の治療を受けたときに保障してくれる特約です。
女性疾病入院特約 乳がん・子宮筋腫といった女性特有の病気で入院した場合に、手厚い入院給付金や手術給付金が受け取れる特約です。
生活習慣病特約 糖尿病などの生活習慣病で入院した場合に、入院給付金が増える特約です。

月々の保険料の希望をある程度決めておく

月々いくらの保険料を支払えるのかをきちんと把握しておきましょう。保障が手厚い保険に入っても、途中の財政難で解約に至ってしまえば元も子もありません。

保障期間を短くしたり、特約を外したり、若いときから加入したりすることで月々の保険料を軽減することができます。医療保険の保険料に関しては以下のコラムもご覧ください。

終身型と定期型

医療保険にも終身型と定期型があり、どちらの保険を選ぶかによって保険料に差が出ます。

定期型医療保険は一般的に若いうちは保険料が安いものの、年齢が上がるにつれ高額になります。また、契約期間しか保障されないことが原則です。

一方で、終身型医療保険は保障が一生涯続きます。保険料は生涯支払う保険料の平均額になるので、若い間は少し負担になるかもしれません。

まとめ

いかがでしょうか。医療保険の必要性・不必要性について、なんとなくおわかりいただけたでしょうか。このように、医療保険と言っても、必要かどうかは個人の状況によって違います。より具体的な答えがほしい方は、ファイナンシャルプランナー(FP)に個別相談することをおすすめします。

※2022年3月時点の情報です