医療保険が子供に必要な理由と不要な理由まとめ
2023年7月22日
子供を医療保険に加入させるかどうかに関しては、必要という意見と不要という意見があります。今回は、子供を対象にした医療保険とはそもそも何なのかに触れたうえで、保険が必要な理由と不要な理由、子供を対象にした医療保険の選び方についてご説明します。
子供を対象にした医療保険の概要
子供を医療保険に加入させると、病気やケガで入院・手術をした際に保障を受けられます。公的医療保険や自治体の制度で医療費の一部もしくは全部を保障してはもらえますが、例えば個室に入院する際にかかる差額ベッド代など、公的医療保険ではまかなえない費用は民間医療保険に加入し、カバーすることになります。
生まれたての子供は病気のリスクが高く、子供が生まれてからすぐに医療保険に加入させる人も多いようです。また、過去の病歴や持病があると民間の医療保険に入りづらくなるので、もしものことを考えて早くから加入させると安心感があります。
医療保険に子供を加入させる必要性|加入が必要な場合と不要な場合
ただ、子供の保障に関しては公的医療保険や自治体の制度でカバーされる範囲が広く、民間の保険に加入する必要はないという考え方もあります。必要な理由と不要な理由をそれぞれ見ていきましょう。
子供に医療保険が必要な場合
医療費以外にもお金がかかるから
保障が充実していると言っても、公的医療保険でカバーできない範囲は自己負担になります。この部分の保障がほしい人は民間の医療保険にお子さんを加入させてもいいでしょう。例えば、以下の費用は自己負担です。
- ・差額ベッド代
- ・食事代
- ・交通費(付き添いの親の交通費も含む)
- ・先進医療など保険外診療を受けた際の治療費
差額ベッド代は少人数部屋や個室に入院した際にかかる費用で、1日あたり2,000円~8,000円程度かかります。仮に8,000円かかったとして20日入院すれば、差額ベッド代だけでも16万円の出費です。個室に入院しなければかかりませんが、このような費用にも対応できるのが医療保険のメリットでしょう。
持病によって今後保険に加入しづらくなる可能性があるから
医療保険は、既往症や持病があると加入を断られることがあります。そのため、小さいうちに加入して、将来の病気に備えたいと考える親も多いです。既往症や持病がある人でも入れる保険はありますが、保険料が高く一般の医療保険に比べると種類が限られます。
心配な方は、早めに通常の医療保険に加入させ、将来加入できなくなるリスクを防ぎましょう。
もし加入するならどのタイミングか?
加入にベストなタイミングがあるわけではないので、それぞれの家庭で必要性を感じたときに加入してください。先ほども申し上げたように、生まれた直後に加入するのもいいですし、そうでなければ、お子さんがある程度成長してお金に余裕が出てきてからでもいいでしょう。
子供に医療保険が不要な場合
子供の公的医療保障が充実しているから
- ・健康保険
- ・小児医療費助成制度
- ・児童手当
- ・義務教育就学児医療費助成制度
など、子供を対象にしたいろいろな公的制度があります。ただ、保障の手厚さは自治体によって異なるので、詳細はお住いの地域の自治体HPを確認しましょう。
子供の入院率はそもそも低いから
子供に医療保険が不要な理由は、そもそも子供が入院をする確率は他の年齢層の人たちと比べて低いからです。
公的医療保険の保障が受けられるうえに、そもそも入院の可能性が低いと厚生労働省のデータから分かります。入院しなければ保障を受ける機会がないです。
また、親が入院して働けなくなると収入が途絶えますが、子供が入院したところで世帯の収入がストップするわけではありません。このような理由もあり、子供に医療保険は不要だと考えられます。
教育資金を積み立てる妨げになるから
子供の医療費以上にかかるのが教育資金です。まだ考えていなかった人は、医療保障よりもまず学資保険から検討するのもアリかと思います(既に検討していた人は読み飛ばしてください)。では、子供の教育費はいくらかかるのか見ていきましょう。
幼稚園から高校まで全て公立に通った場合は541万円、全て私立に通った場合は1,830万円かかります。これらの費用は貯蓄や学資保険などで準備していかねばなりませんから、優先順位としては教育費ほうが高いと考えられます。
子供を医療保険に加入させる場合の保険の選び方
子供を医療保険に加入させる際は、以下の点に注意して保険を選んでいきましょう。
保障を優先するか貯蓄を優先するか
保険には定期型と終身型があります。定期型は5年や10年といった限定的な期間を保障してくれる保険で、若いときほど保険料が割安になるといったメリットがあります。一方、終身型は保険料が変わらず、一生の保障を得られる保険です。
ただ、お子さんが若いうちに終身型に加入すると保険料が割高ですし、保険の見直しがしにくいため、保障を重視するのであれば定期型のほうが割安で利用できます。
今後ライフスタイルが変わったり、新しくいい商品が出たりする可能性もあります。見直しがしやすい定期型のほうが、後々融通がきくでしょう。
特約や余分な保障は最低限にする
これはぜひ注意してもらいたい点なのですが、特約はただで付いてくるおまけではありません。保険を検討する際は、保障の範囲が広いほうが安心できるため、なるべく多くの特約を付けたがる人もいます。しかし、いらない保障を付ければ1度も利用しなかったとしても月額保険料は上がります。
必要な保障を削るのは得策ではありませんが、無駄な出費をしないよう、いらない保障を見極めることが大切です。
まとめ
いかがでしたか?
子供を医療保険に加入させることに関しては、必要と感じる人と不要と感じる人がいます。もし加入するのであれば、保障をとるのか貯蓄をとるのかといった、保険に加入しようと思った本来の目的を忘れずに選んでいきましょう。
※2022年11月時点の情報です
監修:ファイナンシャルプランニング技能士 垣内結以