生命保険の営業マンが信頼できるか見分ける6つの特徴
2022年3月9日
生命保険に加入しようというタイミングは、いつでしょうか。就職、結婚、出産など、人生の節目だと思います。いざ加入しようとした時、どういったふうに選べば良いのか分からず困っている方は多いのでは。
生命保険選びはまず、代理店選びや営業マンの善し悪しの判断から入ります。
良い代理店や営業マンに当たれば万々歳ですが、悪い方に当たってしまったら、たまったものではありません。
契約をする時は良い顔をして、いざ保険金を払う事態が起きたら態度が豹変する悪徳代理店に当たったという声もあります。
代理店選びなどの目利きは、生命保険選びには欠かせない要素と言えます。また、代理店や営業マンに頼らずに自分で選ぶという選択肢もあります。
果たしてどのような基準で選ぶと良いのでしょうか。今回は、良い営業マンと悪い営業マンの特徴、自分で選ぶためのコツなどを紹介します。
良い生命保険営業マンの特徴
ここでは良い営業マンの特徴を3つ紹介します。
生命保険は難しくてよく分からないという方は、良い営業マンを見分けられるか否かが大切になります。悪い営業マンに当たってしまったら、必要のない保障や特約を盛りだくさんにつけられてしまうかもしれません。
必要最小限の保障で済ませるためにも、良い営業マンの特徴は覚えておきましょう。
特徴1:反応が早い
反応が早いというのは、例えばメールの返信が早いとか、質問をした際にテキパキと答えられるかということです。また電話をかけ、つながらなかった際の折り返しが早いことも挙げられます。
反応が早いということは、お客様の時間を大切に考えているということです。反応が遅いといろんなことを考えますよね。
「いつ返事がくるのだろうか」「この営業マンは大丈夫なのか」「やる気があるのか」など、そういった時間は信頼を失うことにつながります。
営業に関しては、売れる・売れない以前に「お客様に信頼されるかどうか」が鍵で、良い営業マンはそれをよく分かっているために、テキパキとした対応をするのです。
また保険の営業マンに限らず、仕事のできる人というのは反応が早いものです。保険探し以外でも、反応の早さは判断の基準として良いでしょう。
特徴2:「分かりません」と言える
良い営業マンは、「分かりません」という言葉をはっきりと言えます。なぜなら、お客様本位の立場で物事を考えているからです。
「分からない」といった発言をするのは、勇気が要ります。勉強不足なヤツだといった悪印象を与えかねません。
しかし分からないことを隠し、その場しのぎで自分の印象を良く見せようとする営業マンを信頼できるでしょうか。
「分からない」と答えると、たしかにその場では良くない印象を与えるかもしれませんが、お客様に本当に役立つのは確かな情報です。
自分に答えられる範囲のことはしっかり答えて、分からない部分は「分かりません」とはっきり言える人は優秀な営業マンと捉えて良いでしょう。
特徴3:こちらの話を最後まで聞く
お客様本位で考えている営業マンは、こちらの話をしっかり聞いてくれます(もちろん売れるためにする部分もあると思いますが)。
こちらの事情をしっかり聞いた上で最適な保険を選んでくれます。営業マンは言わば、お客様の代わりに保険商品を選んでくれる人。
ですから、こちらの話を遮らずに最後まで聞いてくれる人は良い営業マンの特徴のひとつです。
話を聞いているかどうか確認するものとして「私、さっきなんて言いましたっけ?」と、ど忘れする方法があります。
まじめに聞いてくれる方に対しては失礼かもしれませんが、1度だけであれば、ここぞという時に使える小技です。
悪い生命保険営業マンの特徴
良い営業マンを見分けるのは、けっこう難しいかもしれません。
営業マンはそのお仕事で生活をしていますから、売るための努力は人一倍積んでいます。ただ、素晴らしい営業マンは一握りで、残るのは平凡な営業マンという話もあります。
そう考えるとせめて悪い営業マンだけは避けたいですね。ここでは悪い営業マンの特徴を3つ紹介いたします。
特徴1:他社の批判をする
他社の批判をするのは、自分(の会社)に自信がないからです。
自信がないが故に、他社の商品を批判することで自社の商品を魅力的に見せようとするのです。またこの見せ方は、お客様の立場を考えていない見せ方です。
本来であれば、その商品の魅力の感じ方は人によって違います。
役立ちそうであれば魅力的に映りますし、役立たなそうであれば魅力的には見えません。他社を批判して自社を持ち上げようとする行為は自分(の会社)に自信がないだけでなく、お客様の立場を考えていません。
ですから、他社の批判をする人は良い営業マンとは言えないのです。
他社がお客様に合わない理由を説明するなら、まだ分かりますね。しかし「あの会社はだめだ」というようなことを言い、引き合いに出すようでしたら一発アウトです。
特徴2:一方的に話し続ける
営業マンは保険契約を結ぶのがお仕事です。
ですから本当に効率よく売ろうとするならば、こちらに考える隙を与えずに契約をするでしょう。そういう営業マンは一方的に話を続けます。
そしてこちらが話せるのは質問をする時だけ。よほど鋭い質問を用意してない限り、どれも似たような質問になっていまいます。向こうはこちらの質問に答える準備は万端ですから、即座に答えます。
そしてこちらの質問を全てつぶし、何も言うことをなくして契約を結ぼうとします。
考える隙を与えてくれないような営業マンは信頼しない方が無難です。お仕事とは言え、その人は「ただ売ること」だけが目的ですから、あなたに合った保険商品を選んでくれることはないでしょう。
特徴3:デメリットを伝えない
デメリットのない保険商品はありません。例えば保障が厚ければ保険料は高くなるし、薄ければ保険料は安くなります。保障も厚くて保険料も安いというものがあれば、何か裏があるはずです。
メリットだけを伝えて、デメリットを伝えない営業マンには注意しましょう。
メリットとデメリットの両方を伝えてこそ、お客様は保険商品を天秤にかけることができるのです。やたらと魅力だけを推してくる人は疑ってかかった方が無難と言えます。
生命保険の営業マンを知人から紹介された際の対処法
知人から生命保険の営業マンを紹介されることもあるでしょう。
現在生命保険に入っておらず、「保険がどんなものか知りたい」「一度話だけでも聞いてみたい」という人もいるかもしれません。
一方、すでに生命保険には加入しており、新たに保険に加入したり保険の見直しの予定がない人もいるでしょう。
では、生命保険の営業マンを知人から紹介された場合には、どのように対処すれば良いのでしょうか。ここで、解説を行います。
一度営業は受けてみる
生命保険に興味があってもなくても、紹介された場合には一度営業を受けた方が無難でしょう。
もし生命保険に興味があり、営業マンの話を聞いて生命保険に入ったほうがいいと判断したのであれば、加入すべきですし、興味が湧かない・今の自分に必要ないことが分かれば、断れば良いのです。
仮に新たな生命保険の加入に興味がない場合でも、紹介してくれた知人のために一度話だけ聞いておいた方が親切です。
営業マンの顔も知人の顔も立てる断り方
生命保険の話を聞いてみて、新たに加入する気が起こらなかった場合や、知人の顔を立てるために紹介された営業マンの話を聞いただけの場合には、契約を断らなければなりません。
しかし、無下に断れば営業マンの顔も紹介してくれた知人の顔も立てることができません。
では、どのようにすれば良いのでしょうか。
ここでは、営業マンの顔も知人の顔も立てるための断り方を4つのステップに分けて紹介します。
ステップ1:感謝の気持ちを述べる
営業マンはあなたのために(もしくは自分のノルマのために)時間を割いています。営業マンによっては、あなたに最適なプランを提案できるよう事前の準備に長時間をかけている場合もあるでしょう。
そのため、断る場合でも、生命保険について営業マンが説明してくれたことや提案してくれたことについて感謝の気持ちを述べるようにしてください。
ステップ2:謝罪と断り
次に、謝罪と断りを伝えましょう。具体的には
「申し訳ありませんが、今回は契約を見送らせてもらいます」
程度で十分です。
営業マンの一番の仕事は契約を取ることです。契約を取りたくない営業マンなんて存在しません。
そのため、相手の意向に沿えないことについて謝罪しましょう。
ステップ3:断る理由を伝える
次に断る理由を伝えてください。理由は何でも構いません。その時あなたが実際に思ったことでも良いですし、もし思いつかないのであれば、以下の例を参考にしてください。
- ・ネットで見た他社の生命保険の方が魅力的だ
- ・生命保険に加入するメリットがなかった
- ・学生時代の友人を通じて他社の保険に入っている
営業マンが納得するような理由を伝えなければならないと思いがちですが、そんなことはありません。
営業マンからすれば、どのような断りであっても、断りは断りです。理由はあまり関係ありません。
ステップ4:こちらからの連絡
最後に、今度生命保険に加入する場合には紹介してもらった営業マンにこちらから連絡する旨を伝えましょう。
具体的には
「今回は縁がなかったですが、将来的には保険を見直すと思います。その時には、あなたにこちらから連絡するようにします。」
と言えば大丈夫です。
次回、また営業できる可能性があると形式上思わせることで、営業マンも引き下がりやすくなります。
営業マンに頼らずに生命保険を選ぶために必要な3つのポイント
営業マンに頼るのも、もちろん大切な手段です。
特にあまり時間をつくれない方にとっては、営業マンの存在はとても助けになるでしょう。しかしどれを選ぶか、最後の決断をするのはあなたです。
ここでは営業マンに頼らずに選ぶポイントを3つ紹介します。営業マンにお話を聞いている方も、参考になるのではないでしょうか。
ポイント1:目的を人に説明できるか
自分で保険商品を選ぶとなると、目的を明確にしなければなりません。営業マンに頼る場合でもある程度の必要性はありますが、自分で選ぶとなるとさらに明確にする必要があります。
自分が保険に加入する目的が明確になっているかは、人に説明できるか否かを確かめると分かります。
「何となく不安」というレベルでなく、数字を使って説明できるレベルです。例えばざっくりとですが、次のような説明ができれば良いでしょう。
「私は老後の生活に不安がある。あと10年で退職し、貯金は2,000万円、もしもがんになった時、先進治療を受けることになった場合の治療費は300万円、現在の生活費は年間に100万円であと20年生きるとする。
年金を貰えるとはいえ貯金がいつゼロになるか分からない、今のうちにがん保険や収入保障保険、もしくは退職金を一括払いの生命保険に代えておくべきかで悩んでいる。」
いかがですか?雰囲気は掴めたでしょうか。実際はもっと複雑な計算になると思います。数字を使って人に説明をできる状態であれば、保険に加入する目的は明確になっていると考えて良いでしょう。
ポイント2:契約内容を人に説明できるか
自分の入っている保険の契約内容を人に説明できないならば、加入をしない方が良いでしょう。人に説明できるくらいシンプルなものを選ぶべきです。
例えば「満期が60歳で、死亡保障が1,000万円、掛け捨て型の生命保険に入っている。」これくらいシンプルであれば説明できますね。
がっかりするかもしれませんが、保険というのは基本的に「損をする」ようにできています。
そうしなければ会社は利益を上げられず、私たちに万が一のことがあった時のお金を用意できません。損をするというのはあくまでも金銭的な意味で、保険が全く不要であるという意味ではありません。
ですから金銭的に捉えると、保障が厚いとか特約がたくさん付いているというものは「より損をする」可能性が高い商品なのです。
ですから自分で保険を選ぶ時には、「契約内容を人に説明できるか」ということを重視してください。シンプルな保険に加入する、といった意識を持つことが大切です。
ポイント3:「面倒くさい」を乗り越えられるか
自分で保険商品を選ぶのは、はっきり言って「面倒くさい」です。
人に選んでもらった方が楽なのは間違いありません。しかし面倒なことを乗り越えることで、自分で納得したプランを選ぶことができます。
大切なことというのは、たいてい面倒くさいものなのです。「面倒くさいことは素晴らしい」くらいの感覚を持っている方は自分で保険を選ぶことに向いているかもしれません。
生命保険会社と保険代理店、どっちが良い?
保険に加入するにあたっては、保険会社と直接契約をするか、代理店に相談をするかを選ぶ必要があります。それぞれどういった違いがあるのでしょうか。
メリットやデメリットを考えてみましょう。
生命保険会社のメリット・デメリット
ネット系の保険会社と契約を結ぶ場合は、保険料が格安です。
営業マンと対面でお話をした後に契約を結ぶ場合は人件費がかかりますが、ネット保険会社はそれがないため、安く済ませられます。
対面の方が安心できるという方は、対面がおすすめです。
保険会社と直接契約をする際のメリットは、自宅や職場まで来てくれる、加入後のフォローが手厚い、などが挙げられます。
デメリットは、他社と同時比較ができないことです。1社ずつ別々に問い合わせをするのは面倒ですし、問い合わせた後日、激しい営業電話が何社からもかかってくるなんていう事態は避けたいものです。
保険代理店のメリット・デメリット
保険代理店は契約が成立したことに対して、手数料をもらうことで収入を得ています。手数料は保険会社や保険商品によって異なります。
もしかすると、代理店がやたらとすすめてくる保険商品は、手数料が高いものなのかもしれません。同じ商品ばかりをすすめてくる代理店には注意しましょう。
保険代理店のメリットとしては、複数の会社の商品を比べられることや、加入している保険を一ヶ所で管理できることが挙げられます。
また「かかりつけ医」のような役割をしてもらえることもメリットと言えます。保険は時期によって見直すものですから、困った時はいつでもすぐに相談できる場所があるのは心強いですよね。
良い保険代理店に出会えば、一生の付き合いになるかもしれません。親密になれば、保険業界の裏話が聞けることもあるそうですよ。
良い保険代理店を探すには口コミを見るといった方法があります。代理店のHPは当たり前ですが、魅力的に見えるように作ってあります。
口コミは代理店を利用したユーザの声ですから、HPと比較することで信憑性を高めることができるでしょう。
まとめ
たくさんの生命保険会社や生命保険の商品、保険代理店があると、どれを選べば良いのか分からくなってしまいます。
保険商品を選ぶ際は、代理店選び、営業マンの善し悪しの判断、保険商品選びといった順番があると捉えるとシンプルになるかもしれませんね。
今回紹介したポイントは、「悪い営業マンを避ける」「良い営業マンを見つける」「自分で選ぶ」といった3つの目的で活用できるかと思います。
まず大切なのは、悪い営業マンを避けることです。良い営業マンや良い代理店は、住んでいる地域によって、ある程度差が出てしまう可能性もあります。
自分に合った保険を見つける最高の方法は「自分で選ぶ」ことですね。
もちろん営業マンを通して保険に加入する場合も最終的に選ぶのは自分ですが、営業マンに頼らずに選ぶくらい努力をすれば、納得のいくものを選べるでしょう。
※2022年3月時点の情報です
監修:ファイナンシャルプランニング技能士 垣内結以