生命保険の比較方法|比較に便利なサービスや考え方を知ろう
2022年5月8日
生命保険選び、たくさんの保険商品の中から比較・検討するのは容易でないですね。何を見ればいいのか分からないし、比較サイトもどれがいいのか分からない。どれくらいのサイトを横断すればいいの?といった疑問も湧いてくるでしょう。
令和4年4月現在、生命保険会社の数は42社あります(金融庁:生命保険会社免許一覧)。42の会社、全ての商品をひとつひとつ比較するのはとても大変ですね。
最近は便利な比較サイトや相談サービスがありますから、まずはそれを使ってみるのもいいのではないでしょうか。今回は、比較サイト・無料相談サービスについてと、生命保険の基本から選び方の流れまでを総合的に紹介します。
生命保険に詳しくなろう
比較サイトや無料相談を利用しても、最後にどれを選ぶのかを決めるのは自分です。少しでも生命保険に詳しくなれば、納得した上で保険を決められるでしょう。保険を比較するには、自分の選ぼうとしている保険を理解する必要があります。以下に最低限必要な知識をまとめました。
生命保険の基本
生命保険に加入する目的は何でしょうか。ほとんどの場合、「万が一に備えること」です。中には貯蓄型の保険や外貨で保険料を積み立てる保険もあり、金融商品のような感覚で保険を捉える方もいます。そういった場合を除くと、保険に入る目的はとてもシンプルです。
自分に万が一のことがあった場合にどういったお金を残したいのか?これを考えることで自分に必要な保障が自ずと浮かんでくるのではないでしょうか。主な目的としては、遺族の生活費や子供の養育費、自分の葬儀代などが挙げられます。
高さと幅
高さと幅は、保険選びの際に基本となる概念です。高さは保険金額を指し、幅は保障期間を指します。つまり、どれくらいの保障が、どれくらいの期間ほしいのかを明確にすることが保険選びのスタート地点と言えます。
しかし、これを設定するのはかなり難しいので、プロに相談するのが最も効率的です。自分で高さと幅を設定できない場合は、無料相談を利用することをおすすめします。
生命保険の種類
生命保険は大きく分けると以下の4種類に分かれます。
◆定期保険
定期保険は10年ごと、20年ごとなど、一定期間ごとに更新をする形の生命保険です。若い時は保険料が安く、年齢が上がるにしたがって保険料が上がるといった特徴があります。定期保険は更新時に乗り換えがしやすいので、見直しが簡単というメリットがあります。
◆終身保険
終身保険はその名の通り、一生涯の保障が続く保険です。保険料の支払いは、一定年数または一定の年齢で払い終える有期払いや、一生涯払い続ける終身払いという払い方を選択できます。
保険料は契約時から常に一定なので資金計画しやすいというメリットがありますが、若い時は保険料が定期保険よりも高いので加入するタイミングが鍵になります。
◆養老保険
養老保険は貯蓄型の生命保険です。満期日までに死亡した場合は死亡保険金が、生存していた場合は死亡保険金と同額の満期保険金が支払われます。
生命保険の一般的なイメージは死亡した場合に保険金が支払われるというものではないでしょうか。養老保険は生存していた場合も保険金が支払われることから「生死混合保険」と言われます。
◆収入保障保険
収入保障保険は上の3つの種類と大きく異なります。受け取れる保険金が年々少なくなっていきます。これは受け取れる年間保険金額が決まっていて、保険期間が終わりに近づくにつれて受け取れる年数が減っていくため、保険金総額が減るという仕組みです。そのため、収入保障保険は「三角の保険」と言われています。
自分に万が一のことがあり、家族を養うお金を用意したいとき、必要な金額は年々減っていきますね。例えば、子供が成人するまでのお金を用意したい場合、5歳のときに自分が死亡したのと18歳の時に死亡したのとでは13年分、必要な金額が異なります。その時々で必要な額を用意できるので、収入保障保険は優秀な保険という意見もあります。
生命保険のここに注目
生命保険の比較をする際は、以下の3点に注目しましょう。
自分でその商品を説明できるか
例えば、保険金の支払い条件が人に説明できないくらい複雑な商品を選んだとして、実際に保険金を請求する時に、支払われる確信が持てますか?不安になるのではないでしょうか?
まずは保険金が支払われる条件を比較してみましょう。「死亡・高度障害」と書かれている場合は、高度障害がどういった状態を指すのか必ず確認してください。約款で定めている所定の状態に限定されています。
平均と比較してみる
生命保険文化センターの令和元年度「生活保障に関する調査」によると、年間保険料の平均額は男性で23.4万円、女性で16.8万円となっています。全体平均は19.6万円です。
自分が入ろうとしている保険の年間支払い保険料を、この平均額と比較してみましょう。自分に必要な金額が平均と必ずしも同じわけではありませんが、相場感覚をつかみながら比較できます。
保険会社の破綻を引き継ぐ会社がいるか
保険会社が破綻した場合、「生命保険契約者保護機構」という組織が保険契約の引き継ぎや資金の援助を行ってくれます。
国内で事業を行う生命保険会社は全て加入していますが、共済や少額短期保険業者など加入していないところもありますので確認しましょう。
ただ、このような難しい部分は、Webサイトを読んだだけではとても理解しきれませんからプロへの相談がおすすめです。
生命保険の選び方
最後に生命保険選びのおおまかな流れを紹介します。
保険に入る目的を明確にする
まずは、何のために保険に加入するのかを明確にします。親が言うから、上司がすすめるからといった理由は危険です。自分の中から理由が出てこない場合は、保険に加入する必要はないでしょう。
加入する目的があるのかないのかをはっきりさせることが、保険選びのスタートです。
必要な保障を明確にする
保険に加入する目的が分かったら、それに合わせて必要な保障を明確にしていきましょう。人生の節目を切り口に考えると分かりやすいです。例えば、結婚したのであれば、万が一の時に妻の生活費を残すことが考えられますね。退職直前ならば、老後の資金を残すといったところでしょうか。
子供がいる場合など、継続的な支援が必要なら収入保障保険、まとまったお金が必要なら死亡保険、老後の資金確保であれば養老保険といったように適した保険が浮かんできます。
保険商品を探してみる
比較サイトや無料相談サービス、または保険会社のHPなどで保険商品を探してみましょう。忙しい場合は無料相談サービスから入るのもいいですね。
比較・検討・契約
プロに相談した内容や自分で勉強した知識などから、自分に合った保険を選択します。自分で考えるのが苦手だ!という方はプロの言うことを素直に聞くのもいいかもしれません。
生命保険の比較サイトを使ってみる
生命保険を比較する入り口として手軽なのは、一斉比較サイトを使うことです。年齢や性別、保険商品の種類を選択するだけですぐに比較できるサービスが提供されています。
「生命保険の比較サイト」とネット検索するだけでいくつかサイトを探せるので、ぜひ検索してみてください。
比較サイトを使うと、つい保険料の安さに目が行ってしまうかもしれません。
しかし、保障内容や保険金額、保険期間、特約についても細かいチェックが必要です。
比較サイトを使うときは、詳細まで比較し、気になる保険があれば資料請求するといいでしょう。
無料相談サービスを使ってみる
保険の無料相談サービスは保険会社や保険代理店、FP紹介サービスを行っている会社が実施しています。ネットで保険を比較してもよく分からない場合は、一度プロに相談してみてはいかがでしょうか。
無料で相談できる仕組み
無料相談では、保険会社社員や代理店の社員、FP(ファイナンシャルプランナー)が話を聞いてくれます。FPは言わば「資金計画のプロ」で、保険以外のことも詳しいです。
保険代理店やFPも無料で相談を受け付けている理由は、相談者が保険に加入した時、保険会社から手数料をもらえるからです。
そのため、できるだけ保険に入ってほしい、というのが彼らの本音ですが、いい商品がなければ断ってかまいません。
相談の主な流れ
無料相談は、以下の流れで進みます。
◆HPから申し込む
保険会社や無料相談サービス提供会社のHPから申し込みフォームや電話で申し込みをします。申し込みの時点では、家族構成や職業、病歴等を簡単に伝えます。
◆保険会社等から返事をもらう
申し込み後に保険会社等は担当者を探し、返事をします。相談者の状況をチェックする必要があるため、返事が来るまでには概ね1週間かかるようです。
◆実際に相談をする
返事をもらった後は、相談をする日時と場所を決めます。あなたの自宅や近所のカフェなど、都合のいい場所を指定できます。仕事の合間にカフェで相談するというスタイルは、日中にお仕事が忙しい人でも時間がつくれますね。
すでに加入しており、保険の見直しをしたい方は、保険証券を持って行くようにしましょう。保険証券はあなたの保険の状況を正確に示していますから、正確な相談が可能です。
無料相談するメリット
無料相談を利用するメリットとして挙げられるのは、プロの意見がもらえることです。プロの知識というのは一朝一夕でできあがったものではありません。それを無償でしてもらえることは大きなメリットと言えますね。
また、相談後にしつこい勧誘が来ないというのもメリットのひとつです。保険会社の人に電話をした場合、後ほど激しい営業電話がかかってくる可能性がありますが、無料相談サービスの場合、それがほとんどありません。
FPは評判が命ですから「あの人はしつこく勧誘してくる」という噂が広まろうものなら仕事がなくなってしまいます。保険会社もそんなプロを相談員として頼りにはしたくないでしょう。
無料相談は何回でも利用できる
無料相談サービスは何回でも利用できます。たいていは2〜3回(中には1回の相談で決める方も)の相談で解決しますが、不安が消えない場合は何回でも相談可能です。
また、知識がない状態で相談に行っても大丈夫です。もちろん勉強をしてから相談に行ったほうが相談の充実度は高まりますが、ムリに勉強をする必要はありません。
保険コネクトからFPに無料相談する
当サイト保険コネクトからも、保険の無料相談を受け付けている全国のFPを紹介することができます。生命保険の見直しや新規加入をお考えの方は、ぜひ利用してみてください。
まとめ
いかがでしたか?保険商品をきっちり比較するのは、はっきり言ってかなり高度なレベルを要求されます。素人がひとりだけでやるのは難しいでしょう。便利な比較サイトを利用するのは大いに有効ですが、その情報だけで判断する前に、一度プロの意見を聞いておくことをおすすめします。
まずは相場感覚を捉えることや、保険商品を人に説明できるかといったシンプルな切り口から比較していくことを入り口にしてみてはいかがでしょうか。
※2022年5月時点の情報です
監修:ファイナンシャルプランニング技能士 垣内結以