盗難保険の補償内容とは|バイクや家財の盗難に備えた加入のメリット

2023年10月20日

盗難保険(とうなんほけん)とは、 自分の持っている家財や車、バイクが盗難にあった場合に備えて加入する保険です。現在は、単体の保険ではなく、盗難補償付きの火災保険や自動車保険、バイク保険に加入するのが一般的です。

盗難にあわないようにするのは当たり前ですが、毎年多くの盗難事件が発生しています。

盗難補償で備えれば、盗難にあってしまった場合でも、全額、または一定以上の保険金が受け取れます。

自分は大丈夫だと思っていても、万が一のことを考えて加入しておくと安心です。ここでは、盗難補償の詳しい内容や、メリット・デメリットなどについて紹介していきます。

盗難保険の主な補償内容

一般的に盗難補償は、火災保険や自動車保険、バイク保険の補償の一部として付帯されています。自宅にある金銭、自分の大切にしている車や自転車が盗難にあった際にその損害額を補償してくれます。

火災保険で補償されるもの

建物や家財、敷地内の自転車、原付バイク(総排気量125cc以下)が補償対象です。建物に関しては、空き巣が入って窓ガラスや壁を壊した場合などが該当します。家財は家電製品や衣類、食器など生活用動産が対象です。

現金も盗難補償の対象ですが、20~30万円以下など条件が付く場合もあります。

敷地内に置いていた自転車や原付バイクが盗まれた場合も対象です。ただし、外出先で盗まれた場合は補償されません。

1個または1組で30万円を超える貴金属、美術品、骨董品などの「明記物件」は、保険証券に記載されていなかった場合は補償の対象外となるケースもあります。

自動車保険やバイク保険で補償されるもの

自動車保険では、車両保険を付けることで車の盗難が補償されます。

ただし、「盗難対象外特約」付きのプランなど、保険商品によっては盗難が対象外になっている場合もあるので、補償内容を必ず確認してください。

車内やトランクの荷物に関しては「車両身の回り品特約」を付けることで補償されます。

バイク保険も盗難を補償する契約があるので、バイクの盗難が心配な方は盗難補償付きの保険に加入しましょう。

盗難補償が適用されない場合

盗難補償が適用されるには条件があります。適用されない主な場合をご紹介します。

火災保険の場合

  • ・家財に保険をかけていなかった
  • ・盗難が補償対象外だった
  • ・自動車やパソコンのデータなど補償対象に含まれない物が盗まれた

火災保険では補償の対象を「建物のみ」「家財のみ」「建物と家財の両方」の3パターンのいずれかを設定できます。家財に保険をかけていなかった場合は、当然ながら補償の対象外です。

また、火災保険は火災、風災、水災などあらゆるリスクに備えられますが、盗難が補償範囲になっていなかった場合も補償されません。

自動車やパソコンのデータなど、火災保険では補償の対象外とする物もあります。

自動車保険やバイク保険の場合

  • ・故意または過失があった

鍵をかけ忘れていたときに盗難にあったなど、加入者に過失があった場合は対象外です。車両保険に入ったから安心というわけではなく、普段から盗難防止に努めましょう。

「車両身の回り品特約」を付けていても、現金やパソコン、スマートフォンなど一部補償対象外とされるものもあります。

盗難補償を付けるメリット・デメリット

メリット

盗難にあっても、補償金がもらえる

盗難にあったとしても、加入時に決められた額を元に補償金を受け取ることができます。そのお金を新しい車やバイクの購入資金にしたり、様々な物への資金として活用できます。

便利な特約も付けられる

火災保険には、「残存物片付け費用特約」や「再発防止等費用特約」などの特約も付帯できます。

「残存物片付け費用特約」は、盗難や火災、自然災害など、被害にあった後の片付け費用をカバーする特約です。

「再発防止等費用特約」は、再度同じ被害にあわないよう防犯カメラを付けるなど、再発防止にかかった費用を賄ってくれます。

デメリット

保険料が高い

補償内容が手厚い分、保険料は安くはありません。当然補償したい物によって金額は変わりますが、他の保険の保険料や生活費などの出費もある中、余分にお金を支払うことは簡単なことではありません。

お金に余裕がある場合は入った方がいい保険ですが、少しでも出費を抑えたい方は加入が厳しいかもしれません。

補償されないケースが多い

【盗難補償が適用されない場合】でも紹介しましたが、いくつかの条件に当てはまってしまうと、盗難に備えて入ったにもかかわらず、補償されないという最悪のケースになってしまうことがあります。

盗難にあった状況や盗まれた物によって補償されるかどうかが変わるので、保険を使いたいときは保険会社に詳しく聞くことが必要です。

盗難保険の選び方

自分に適した保険に加入するために、いくつもある保険の中から一番適したものを選ぶためのポイントを紹介します。

保険の対象をはっきりさせる

家財、バイク、車など盗難にあったら困るものをはっきりさせましょう。

例えば自動車は、敷地内に停めていても火災保険の盗難補償では補償されません。必ず車両保険に加入する必要があります。また、火災保険、自動車保険、バイク保険に加入しても補償されない物や条件はありますので、加入前に確認してください。

複数の保険を比較する

同じ条件の保険に加入しても、保険会社によって保険料が異なります。複数社から見積もりを取り、比較検討をおすすめします。

バイク保険は補償方法の違いに着目

バイク保険では、盗難被害にあった際の補償方法が異なります。主に次の3つに分かれます。

  • ・現金
  • ・現物(同型同種バイク)
  • ・購入支援資金(同メーカーのバイク)

現金補償タイプは、盗難被害にあった場合、あらかじめ設定していた保険金を受け取れます。現物(同型同種バイク)補償タイプは、同型同種の新車を用意してくれる保険です。

購入支援資金(同メーカーのバイク)補償タイプでは、同メーカーのバイクを購入する際に購入支援資金が出ます。損害保険会社のバイク保険は現金補償タイプが多いですが、メーカーのバイク保険には現物(同型同種バイク)補償タイプ、購入支援資金(同メーカーのバイク)補償タイプのプランがあります。

メーカーや車種に縛られたくない方は、現金補償タイプがおすすめです。

盗難保険の選び方に迷ったら

保険を選ぶ際にはどの商品を選んでいいか悩んでしまう方が多いでしょう。そんなときは保険会社やFPなどの専門家に相談するのが一番です。消費者のために親身になって相談に乗ってくれるはずです。

保険会社に相談

保険商品を実際に取り扱っている保険会社に相談に行くのが一番手っ取り早く、安心な方法です。保険会社に直接訪れる場合や電話相談、保険の営業マンに来てもらうなど方法は様々です。そこでは多くの保険商品を紹介されるはずですが、言われた話を鵜呑みにするのではなく、自分にとって本当にこの商品が必要かなどを考えて選んでください。

FPなどの専門家に相談

FP(ファイナンシャルプランナー)とは、保険に関して分からないことや疑問について詳しく解説してくれる専門家のことです。FPは様々な保険に関する知識を持っていて、あなたにおすすめな保険や、注意点などを教えてくれます。

インターネットや電話での相談もできるのでいつでも気軽に相談することが可能です。保険を選ぶ際に少しでも不安な点があるならFPに相談すると安心できます。

まとめ

絶対に自分の物が窃盗にあわないという保証はありません。もしもに備えるのが保険の役目なので、先の不安も考えて盗難保険への加入を検討しましょう。また、加入した保険の補償内容は必ず確認し、盗難にあった際にどのような対応、補償をしてくれるかを把握しておくことも忘れないでください。

ですが、一番大切なのは、盗難を未然に防ぐことです。防犯対策として確実な施錠や、防犯設備を取り付けるなど、自分でも対策を行いましょう。

※2023年1月時点の情報です

監修:ファイナンシャルプランニング技能士 垣内結以