知っておくべき自分に合う最適な医療保険の選び方と6つのポイント

2022年3月9日

医療保険は入院・通院・手術などの治療時に保障が受けられる保険商品で、すでに加入されている人も多いのではないでしょうか。治療が長引いた場合は休職することも考えられます。

今は健康な状態でも、いつ病気やケガをしてしまうか分かりません。そんな時に頼りになるのが、「医療保険」です。一方で、医療保険は、保険会社の主力商品となるため、扱っている会社の数も保険の種類も多く、どれを選んで良いのか分かりづらいです。

健康は何ものにも代えがたい」と言いますし、闘病生活は大変なものです。食事や行動など、やりたいことも制限されてしまいます。そして、何より心配なのが、闘病期間のお金の問題です。

働くことができない闘病中は入院費や通院費に加えて、収入も減ってしまいます。これは、会社からの保障が受けられるサラリーマンはまだしも、フリーランスの場合は深刻な問題になるでしょう。

そこで今回の記事では、医療保険を選ぶ時に、どのような点に気をつければ良いのか、自分に合う医療保険を見つける際の参考になる内容をご紹介します。

医療保険を選ぶ前に|本当に医療保険は必要?

医療保険を選ぶ前段階として、あなたにとって医療保険が本当に必要かどうかをご判断いただくのが良いかと思います。基本的に保険は「万が一に備えるもの」ですので、将来的な心配が特にない方にとってはあまり意味のないものかもしれません。まずこのあたりの事情を確認しておきましょう。

医療保険が必要だと思われる人

保険が必要な方には、どのような人が当てはまるのでしょうか?一般的に、以下のような人には医療保険が必要と考えられます。

  • ・現在貯蓄があまりできていない方
  • ・小さなお子様がいる方
  • ・入院した時の費用負担が不安な方
  • ・自営業の人

現在貯蓄ができていない方

実際に入院した際に医療費が支払えなくて困ってしまう人、すなわち現在貯蓄ができていない方は医療保険の加入を検討してください。症状・入院期間によって医療費はピンキリですが、何も備えがないという状態は不安です。

必要な貯蓄額は一概には言えませんが、FPの間では150万円以上あれば病気・ケガになっても費用面では安心だと言われています。ある程度の貯蓄が貯まるまでは、格安の定期タイプの医療保険に加入すると良いでしょう。

小さなお子様がいる方

治療期間中にはお子様の養育費、配偶者の生活費などが継続してかかりますので、医療保険を活用した方が良いと言えます。しかし、子供のために貯金もしたいという家庭は、あまり高額な保険料を支払い続けるのは難しいでしょう。できるだけ格安の、掛け捨て型の医療保険がおすすめです。

自営業の方

入院等で仕事ができない期間が長引くと、それに比例して収入は少なくなります。治療費で出費が増える中、収入も減ってしまうことは、大きな痛手になるはずです。そうなる前の備えとして医療保険の加入を検討しましょう。

医療保険が必要ではない人

誰にも起こりうるケガや病気に対して幅広い保障が受けられる医療保険ですが、全ての人に必要な保険ではありません。例えば、以下に挙げるような人には、医療保険は必要ないかもしれません。

  • ・貯蓄が十分にある方
  • ・払込保険料よりも多くの給付を受けられないと思っている方
  • ・会社の福利厚生が充実していて保障が十分な方

貯蓄が十分にある方

病気やケガになっても金銭的に対応できるのであれば、わざわざ保険料を払い続ける必要はないかもしれません。それでもいざという時に備えておきたい場合は、掛け捨て型の保険を選んで、保険料を安く抑えましょう。

払込保険料よりも多くの給付を受けられないと思っている方

持病を持たず、健康な家系の方などが当てはまります。将来、保険のお世話になることは少ないかもしれません。

会社の福利厚生が充実していて保障が十分な方

病気などで長期療養が必要な場合に備えて、いくつかの福利厚生を用意している会社があります。皆様が働かれている会社の中には、社員に対して医療保険をかけているところもあるのではないでしょうか。そのような場合、個人で保険に入る必要性は少なくなります。

自分に合った医療保険の選び方とそのポイント

医療保険を選ぶ時、どのようなポイントに気をつければ良いのでしょうか?この項目では、医療保険に加入する時に考えておきたいポイントについて説明していきます。

医療保険に加入する時に考えておきたいポイントは以下の4つです。

  • ・入院給付金日額:入院したらいくら必要か?
  • ・保険期間:何歳まで保障を受けたいか
  • ・保険料払込期間:保険料の払い込みはいつまで必要か?
  • ・1入院の支払限度日数:1回の入院で、どれぐらいの期間保障してもらえるか?

入院給付金日額で選ぶ

入院した場合に1日に支払われる金額です。現在、保険料の安い商品で日額5,000円からが主流となっていますが、40,000円以上のものまで幅広く用意されています。

生命保険文化センター「令和元年度生活保障に関する調査」によれば、治療費や食事代、差額ベッド代などを含む入院1日あたりの自己負担費用は、平均23,300円となっています。

一度入院してしまうと、特に自営業の方は稼働日数が減るので、大きな痛手になります。保険料とのバランスを考えると、入院日額10,000円前後の保険がおすすめです。

保険期間で選ぶ

保障が受けられる期間のことです。保障期間が決められた定期保険や、被保険者が亡くなるまで保障が受けられる終身保険など、いくつかの期間があります。

保険料払込期間で選ぶ

保険料を払い込む期間のことです。決められた期間まで払い込むと以降の保障が受けられるタイプや、一生涯支払いを続けるタイプなど様々な種類があります。

1入院の支払限度日数で選ぶ

1度の入院で何日まで保障されるかを表したものです。主流な商品では60日間保障が受けられ、以降の入院費・治療費は自前で支払う必要があります。一般的に、この日数が長いものほど、支払う保険料も高くなります。

このうち、「入院給付金日額」「保険料払込期間」「1入院の支払限度日数」は保障が手厚くなるほど保険料も高くなります。自身に必要な保障内容・保障範囲・保障期間を把握したうえで、無駄のないように商品を選びたいものです。

掛け捨て型と貯蓄型で選ぶ

例えば、解約時に保険料が戻ってこない「掛け捨て型」、解約した時に払戻金がある、ある一定の期間が来た時に祝金を受け取ることができる、など保険料が掛け捨てではなくお金が戻ってくる「貯蓄型」など、保険を選ぶうえでの選択肢がいくつかあります。

「掛け捨て型」に比べ、多少保険料は高くなりますが、老後に蓄えを作っておきたい場合は「貯蓄型」が有効なため、ご自身の収入や支出を把握したうえで加入を検討してみましょう。

終身保険と定期保険かで選ぶ

「掛け捨て型」と「貯蓄型」で選ぶということをお伝えしましたが、もう一つ医療保険を大きく分けると「終身保険」「定期保険」の2種類に分かれます。この違いから選ぶという選択肢もあります。

終身保険のメリットとデメリット

【メリット】

  • ・解約しない限り一生涯医療保障が続く
  • ・年齢とともに保険料が上がることはない

【デメリット】

  • ・定期保険に比べると保険料の負担が大きい(特に若い間)
  • ・保険の見直しがしにくい

定期保険のメリットとデメリット

【メリット】

  • ・保険料が比較的安い(特に若い間)
  • ・保険の見直しがしやすい

【デメリット】

  • ・年齢が上がるにつれて(更新するにつれて)保険料が上がっていく
  • ・年齢や健康状況によっては加入できなくなる場合もある

両者にはこういったメリットやデメリットがあります。ケガや病気に備えつつ、将来の資産形成もしたいという方に人気なのは終身保険です。貯蓄をしながら保障を受けられるうえに、保険料が上がらないというメリットが大きいです。

特に20代〜30代の独身という若い人にとって、安い保険料がそのまま上がらないという点はお得ですし、将来的な貯蓄をメインに考える方は返戻率の高さで選ぶと良いでしょう。

知っておくべき医療保険のメリットとデメリット

前項で説明したように、入院・通院・手術などの治療時に頼りになる医療保険、そのメリットとデメリットはどのようなものがあるのでしょうか?

リット

医療保険のメリットは入院・通院・手術時などに保障が受けられることです。ケガをした時に保障が受けられる「傷害保険」や、死亡・後遺症時に保障が受けられる「生命保険」など、似たような保険はありますが、被保険者が生きている間に、病気・ケガなどに対して幅広い医療保障を受けられるのは医療保険しかありません。

病気やケガをしない人はいないので、いざそうなった時に支えになってくれる保障は心強く感じることでしょう。また、掛け捨て型でない保険の場合、祝金を受け取ったり、保険を解約して受け取った解約返戻金を他の用途に回したりできるため、貯蓄的な側面も持ち合わせています。

元本割れを起こす場合もありますが、外貨で支払いをした場合は、長期間の支払期間の間に貨幣価値が上がり、元本を上回る場合もあります。さらに積み立て型の保険の場合、長期間払い込みをしないと元本割れを起こしてしまうこともあるため、貯金よりも継続して続けやすいという意見も聞きます。

また、おまけ的な要素ですが、保険料の支払いには税金の控除が認められているので、支払う税金が少なくなるという経済的利点もあります。

デメリット

積み立て型の保険を選んだ場合、途中で解約を行ってしまうと、解約返戻金の元本割れ(今まで払った保険料総額より少ない金額しか戻ってこない)を起こしてしまいます。積み立て型の保険の場合、保険会社によって払込期間が異なり、払込期間終了後には払い込んだ金額より多くの解約返戻金を受け取れるのが一般的です。

給付金が高くなるほど、また、保障の範囲が広がるほど支払う保険料は高くなるため、加入の際は保障の内容を吟味したうえで、長期間払い続けられる金額の商品を選びましょう。

医療保険を限りなく便利に使うための豆知識

最後に、医療保険には「特約」や「保険料の控除制度」などがありますので、こういった制度を活用することで、医療保険がさらに便利になります。内容自体は各保険でそれほど大きな差はありませんが、医療保険の選び方に幅を持たせることができます。ぜひ覚えておきましょう。

特約を活用すれば医療保険はもっと便利になる

先述したように、医療保険は、病気やケガなどの入院・通院・手術などに対して給付金が支払われる保険商品です。ただし、この保障は万能ではなく、保障されない治療費や、高額な医療費が予想される三大疾病の場合など、給付金だけでは治療費がまかなえない場合も出てきます。

そのような時、保険に以下のような様々な特約をつけることで保障範囲を広げることができます。この特約にはどのような種類があるのでしょうか?例として、以下に医療保険の主な特約を記載します。

通院特約

ここ数年、医学の進歩とともに入院ではなく通院で治療する医療機関も増えてきました。しかし、通常の医療保険での保障対象は、入院・手術時の保障がほとんどで、通院保障がされない商品も多いです。通院時の保障も受けたいのであれば、通院特約を検討しましょう。

退院特約

退院した際に保険金が支払われる特約もあります。入院によって仕事ができなくなったということは、生活を送っていく費用にも影響を及ぼすでしょう。退院後の生活を安定させるための退院特約が便利です。ただし、「入院〇〇日以上」という条件が設けられていることがほとんどですので、約款をきちんと確認しましょう。

がん入院特約

がんを発症し、入院した際に保険金が支払われる特約です。がんは日本人の死因で最も多く、2人に1人は発症しています。受給条件は商品によって様々ですので、契約時にきちんと確認しましょう。

三大疾病特約

三大疾病は、日本の死因でも多い「がん・急性心筋梗塞・脳卒中」の疾病に対して保障がされる特約です。手厚い保障が受けられることはメリットですが、一方で、保険金の支払条件が厳しいことも問題視されています(入院〇〇日以上など)。

女性疾病入院特約

乳がんや子宮がんなどの女性特有の疾病に対する保障がされる特約です。また、切迫流産や帝王切開など、妊娠に関する治療費が保障の対象となっている保険商品もあります。女性は付帯を検討してみても良いでしょう。

健康祝金

医療保険の加入後に、一定期間、入院もなく経過した場合に祝金が支払われるものです。

この他にも、先進医療に対して保障が受け取れる「先進医療特約」や、長期の自宅療養を保障する「収入サポート特約」など、特約の種類は数多くあります。これらの特約に加入しておくと様々な病気やケガに対応しやすくなりますが、その分支払う保険料も多くなってしまいます。

保険料を支払うことができなくなると、受けられる保障も受けられなくなってしまうため、特約はあまり欲張らず、しっかりと払い続けられる分だけにしましょう。

治療や通院にも健康保険が活用できる

民間の医療保険以外に、病気やケガをした時に頼りになる「公的医療保険」について説明していきます。公的医療保険は、病気やケガなどの治療費の負担額が3割(収入のある大人の場合)になる制度です。加入している健康保険の種類によって保障の内容や制度は若干異なりますが、基本的には病気やケガの際の通院や入院費などの負担を軽減することができます。健康保険にはサラリーマンが加入する「健康保険」や、自営業者が加入する「国民健康保険」があり、健康保険の方が手厚い保障が受けられます。

例えば、健康保険は、治療のために仕事を休んだ場合、4日目から最大1年半の間、給料の3分の2に相当する額が支給されます(傷病手当金)。一方、国民健康保険にはこのような保障がありません。

また、これらの保険には高額療養費制度というものがあり、1ヶ月間(1日から末日まで)の医療費の自己負担金が一定額を超えた場合、超えた部分のお金が戻ってきます。

他にも出産の際に一時金を受けられたり、被保険者の死亡時に葬祭費として給付金が支給されるなど、様々な補助制度があります。健康保険は加入している団体によって詳細が異なるので、詳しくは団体のHPや窓口で調べてみましょう。

保険料控除の利用

平成24年1月1日以後の契約の場合、「介護医療保険料控除制度」が利用できます。年間8万円超の保険料の支払いで、一律4万円の控除を受けられます。生命保険や個人年金保険についても控除があるので、加入している保険が控除対象になるかどうか調べてみてください。

まとめ

今回ご紹介した医療保険は、数ある保険の中でもお世話になることが多い保険です。特に自営業の方は入院すると稼働日数が減って収入が減少するため、医療保険に加入していると頼りになります。

もちろんサラリーマンの方も、いざという時に保障が受けられるのは頼もしいはずです。最近ではwebで保険料シミュレーションができます。試しに保険料の計算をされてみてはいかがでしょうか?

※2022年3月時点の情報です

監修:ファイナンシャルプランニング技能士 垣内結以