貯蓄型生命保険の加入前に知っておきべき役立つ知識と注意点まとめ

2022年3月10日

「お金を貯めたいけど万が一の事態になった場合の保障もほしい」このように思っていらっしゃる方は多いことでしょう。そんな方には貯蓄型の生命保険が向いているかもしれません。

貯蓄型生命保険は「万が一に備えつつお金を貯めたい」方向けの保険です。しかし、「きちんと保障は付くのだろうか?」「自分に貯蓄型の生命保険は合っているのだろうか?」という不安もあるでしょう。

今回の記事では、貯蓄型生命保険はどのような商品なのか、どのような保険があるのか、あなたにとって本当に必要なのかを解説します。また貯蓄型生命保険と同じ効果を得られそうな代替案も検討していきます。ぜひ参考にしてみてください。

1.貯蓄型の生命保険にはどのような種類があるのか

万が一に備えながら貯蓄をする目的は何でしょうか。子供の教育資金、老後に備えた準備金など、人それぞれです。まずは貯蓄型の生命保険にはどのようなものがあるのか把握しておきましょう。貯蓄型の生命保険には「終身保険」「養老保険」「学資保険」「個人年金保険」があります。

終身保険

終身保険のなかで、万が一に備えつつ貯蓄をするのにおすすめなのは「低解約返戻金型終身保険」です。払込期間中の解約返戻金を通常の7割程度に抑えることで保険料を抑えた商品です。払込期間が終了する時に解約返戻金の額が保険料払込総額より大きくなります。

例えば、A社の終身保険は以下のようになります。

【例】
35歳男性、死亡保険金額1,000万円、60歳で払込終了の場合

月払保険料:23,180円
保険料払込総額:約700万円
払込終了時の解約返戻金:約773万円

払込終了時点で払込総額よりも解約返戻金の方が約73万円多くなっています。このまま解約しなければ金額は増え続け、万が一のことがあった場合は受取人に1,000万円が支払われます。中途解約をした場合は元本割れしてしまうので、きっちり支払うという覚悟を決めて加入する必要があります。

養老保険

養老保険は、保険期間中に万が一のことがあった場合は死亡保険金を、満期まで生存していた場合は死亡保険金と同額のお金(満期保険金)を受け取れる生命保険です。いわゆる生死混合保険と呼ばれるものですね。万が一に備えながら老後の資金を準備することに向いています。

学資保険

学資保険は主に、お子様の教育資金を確保するための保険です。「貯蓄型」と「保障型」の2種類があり、貯蓄を重視したい方には貯蓄型が良いとされています。学資保険は、契約者に万が一のことがあった場合は保険料の払込免除があるため、教育資金を貯める際には安心です。また生命保険のなかでも貯蓄性の高い商品です。

個人年金保険

個人年金保険は、払い込んだ保険料を年金形式で受け取る保険です。安全に老後の資金を準備するのに最適と言えます。近年は公的年金への不安とともに注目度が高まっています。

保険というよりは貯蓄商品といった感覚ですね。被保険者が年金支給よりも前に亡くなった場合は、払い込んだ保険料を死亡給付金として受け取れます。また年金受給中に亡くなった場合は、遺族が年金を受け取れる契約もあります。個人年金保険は以下の4種類です。

終身年金

被保険者が亡くなるまで、一生涯年金を受け取れるタイプです。保険料は割高ですが、長生きするほど受け取れる額が増えます。ただし、受給開始からあまり経たないうちに亡くなってしまうと、受け取る年金額が保険料払込総額を下回ってしまいます。

確定年金

契約時に決めた一定期間、年金を受け取ることができます。被保険者の生死に関係なく支払われ、死亡した場合は年金または一時金が支払われます。

有期年金

確定年金と同じく、一定期間年金を受け取れます。ただし、受給期間中に被保険者が亡くなってしまうと、その時点で受け取りが終了してしまいます。

夫婦年金

夫婦のどちらかが生存している限り、年金を受け取ることができます。

2.貯蓄型生命保険のなかでも外貨建保険は利率が高い

上で紹介したものは比較的安全に貯蓄ができる保険商品です。ある程度リスクを背負ってもかまわないという方は、外貨建保険を利用することも検討してみてはいかがでしょう。

外貨建保険とは

外貨建保険は、文字通り日本円以外、ドルやユーロ、豪ドルなどで保険料の支払い・受け取りをする保険です。利率が高いため貯蓄においては有利といった特徴がありますが、為替の変動によっては損をする可能性もあります。

外貨建保険保険のメリット

保険料が割安

日本円で運用するよりも金利が高く、運用しやすいため、保険料は安くなります。

外貨で資産形成できる

万が一に備えつつ、外貨で資産形成ができます。例えば、満期保険金をそのまま外貨として保有し、海外へ移住する際の資金にすることも可能です。

為替差益を得られる場合がある
保険金は為替の変動によってプラスにもマイナスにもなります。解約時や満期時に円安になっていれば、多くのお金を受け取ることができます。

外貨建保険のデメリット

為替手数料がかかる

外貨を円に、また円を外貨に換算する際に為替手数料がかかります。

理解が難しい

「万が一に備える」ことを中心に考えている人にとっては、外貨建ては理解が難しいかもしれません。外貨建保険は、保険の側面と投資的な側面の両方を理解してないとあまりメリットを感じられないでしょう。

万が一の事態に備えながら無難に貯蓄をしたい方には向いていませんね。

円高になると損をする

円安になると多くの金額を受け取れる反面、円高になると損をする可能性も生じます。外貨建保険には一定のリスクが伴うのです。

利率が高いため貯蓄に重点をおく場合には有利ですが、ハイリスク・ハイリターンな側面もあります。外貨建保険に関しては、資産を分散させるといった感覚で余裕のあるお金で加入することをおすすめします。

3.貯蓄型+掛け捨て型の生命保険を利用する

貯蓄型保険を利用する以外の方法で、同じ効果を発揮するものはないのでしょうか。例えば、定期預金などで貯蓄をして、万が一の部分は掛け捨て型の生命保険に加入するといった方法です。

掛け捨て型の保険はお金が戻ってこないからもったいないという考え方があるかもしれませんが、貯蓄型の生命保険にも掛け捨て部分は含まれています。掛け捨ての部分に貯蓄分を加えるために保険料が高くなるのです。

したがって万が一の事態に備えるのは掛け捨てで十分という考え方もできます。貯蓄は自分で行い、万が一の部分だけ掛け捨て型の生命保険を使って貯蓄型生命保険と同じ効果を得られる方法も検討してみましょう。

定期預金

普通預金と定期預金の違い、意外と意識したことは少ないのではないでしょうか。近年は利率が大して変わらないからとそのままにしている方も多いかもしれません。しかし確実に貯めたい場合は定期預金の特性を利用するのもアリですよ。

定期預金は、預けてから一定期間お金を引き出せない預金で、普通預金よりも金利が高くなっています。預け入れ期間は1ヶ月〜半年、1年など、自分で設定できます。元本(預けた金額)だけに利息がつくもの(単利)と、元本と利息分、つまり増えた部分も含めて利息がつくもの(復利)があります。

貯蓄をする際の基本的なコツは「先取り貯金」です。先に貯金を済ませてしまうのです。「余った分を貯金する」ようにしてしまうと、ついつい使ってしまいます。先に貯金をし、残りで生活するといった意識を持ちましょう。

財形貯蓄

財形貯蓄は、正式には「勤労者財産形成貯蓄制度」と言います。簡単に言うと、お給料から天引きされて強制的に貯金がされる仕組みです。これを利用するには以下の条件があります。

預け入れる人は勤労者である

役員や、自営業の方は利用できません。また、働いている会社がこの制度を採用していない場合も利用できません。利用する際は事業主に申請をする必要があります。

3年(種類による)以上の期間にわたり預け入れる
長期にわたって預け入れることが前提となります。預け入れは毎月、または賞与期ごととなります。パートタイマーやアルバイトの方でも、長期雇用が見込まれる場合は利用できます。

財形貯蓄には以下の3種類があります。

一般財形貯蓄

お給料から天引きで金融機関等に貯蓄されます。貯蓄の目的は自由で、途中で引き出したり解約したりすることも可能です。

財形年金貯蓄

老後の生活のために貯蓄するものです。55歳未満の方が5年以上の期間にわたって積み立てることが条件となっています。貯めたお金の受け取りも、5年以上にわたることが原則です。公的年金に不安を抱える方が、自分で老後の資金を貯める手段のひとつですね。

なお550万円を限度に非課税となるため、税金対策として活用できます。

財形住宅貯蓄

住宅を取得する目的で貯蓄するものを指します。55歳未満の方が、5年以上の期間にわたって積み立てることが条件です。また基本的に、住宅の取得や増改築などの費用にあてる目的で引き出すこととなっています。こちらも550万円までが非課税となっていますが、財形年金貯蓄と併用する場合、合計で550万円までとなっています。

本気で貯蓄をしようとするならば、強制的に貯蓄されるこの制度を利用するのは大いにアリですよ。

4.本当に貯蓄型の生命保険が必要か?

さて、貯蓄型生命保険と貯蓄+生命保険を利用する2つの方法を見てきました。ここで改めて、生命保険が必要なのか検討してみましょう。万が一に備えつつ貯蓄をする目的は下記のような場合が考えられます。これに該当しない方は、もしかしたら貯蓄をしたいだけかもしれません。

子供の教育資金が貯まるまで万が一に備えたい

自分に万が一のことがあった場合、子供の教育資金はどうなるのかといった不安を解消するのが目的ですね。こういった目的の場合は、ただ貯蓄するだけでは不安要素は解消されません。生命保険(=学資保険)が必要と言えます。

自分の葬儀代を貯めようとしている

葬儀代を貯めるまでに万が一のことがあった場合、どなたかが負担しなければなりません。これを避けるために生命保険を利用するのは妥当と考えられます。

税金対策に使おうとしている

生命保険の死亡保険金は法定相続人1人につき500万円までが非課税枠となっています。税金対策としてまとまったお金を一括で保険金に変換しておき、もしお金が必要になった場合は解約返戻金として手元に戻すという方法は生命保険ならではの方法と言えるでしょう。

いかがですか?生命保険は「万が一」の事態に備える保険です。「貯蓄もできて万が一にも備えられるなんて、お得な気がする」と安易に加入する必要はありません。万が一に備える必要があるのかどうかしっかり検討してから加入しましょう。ただ貯蓄をしたいだけならば、生命保険に加入する必要はないでしょう。

5.まとめ

貯蓄型生命保険を利用する目的は「万が一に備えつつお金を貯めておきたい」という目的が第一です。

学資保険は子供のため、養老保険や個人年金保険は老後のためにお金を貯めることに向いています。低解約返戻金型終身保険は万が一に備える保険商品のなかでも、比較的、貯蓄性が高い商品と言えますね。しかし保険期間中の解約返戻金は少ないというリスクがありますから、長期間しっかり払い込む覚悟を決める必要があります。

低解約返戻金型終身保険のような商品は、長期間にわたって(30年など)保険料を支払い続けるというリスクがあります。万が一に備えつつ貯蓄ができるのはお得感がありますが、それらを分離してシンプルに備える方が保険の見直しはしやすいかもしれません。

また外貨建保険に関心がある方は、投資の勉強をするなどして深く掘り下げてみることをおすすめします。

貯蓄型生命保険の利用、貯蓄と生命保険の併用、目的に合わせて自分に合ったものを選択しましょう。

※2022年3月時点の情報です