妊娠時に加入すべき保険とは|出産・入院費用と出費を抑える方法

2022年7月13日

「妊娠・出産の費用って、実はすごく高額です。」

幸せな新婚当初を過ぎ、次にやってくるのが出産というイベント。愛する人との結婚生活に我が子が加われば、大変なこともたくさん出てきますが、やりがいや喜びも増えることでしょう。

しかし、何事にもお金はかかるものです。出産には、約40〜80万円ほどの費用がかかることをご存じでしょうか?自然分娩ならばまだしも、帝王切開になると費用はさらにかさみます。そんな時に頼りになるのが民間の保険と出産育児一時金、出産手当金などの公的な補助制度です。

帝王切開の場合には、民間保険で入院や手術などの保障を受けることで出産費用が黒字になることもあります。今回は、民間保険会社の保険や、様々な公的制度を活用して、出産費用を抑える方法をお伝えします。

妊娠・出産にかかる費用

費用1:自然分娩にかかる費用

まずは自然分娩にかかる費用を見ていきましょう。自然分娩にかかる費用の内訳は以下の通りです。

  • 検診費用:妊娠期間中の「妊婦健診」が14回で、費用が約10万円ほど
  • マタニティ用品の費用:マタニティウエアなどの費用が約5万円ほど
  • 出産準備用品の費用:出産後の赤ちゃんのおむつや授乳用品など、出産準備用品が約10万円ほど
  • 出産費用:出産費用は病院や部屋のタイプなどによっても変わりますが、合計で約30万~70万円ほど。全室個室で食事が豪華、エステ付きなどの病院だと100万円を超えることもあります。

これらを合計すると、かかる費用は約40〜80万円くらいになります。通常、自然分娩にかかる費用には健康保険が使えず、民間の医療保険からも給付金は出ません。

そのため、出産にかかる費用を抑えるためには公的制度を活用する必要があります。この制度については後述しますので、先に帝王切開にかかる費用を見てみましょう。

費用2:帝王切開にかかる費用

帝王切開は自然分娩に比べて費用がかさむのは、『手術費用の加算』と『入院日数の増加』があるからです。
帝王切開手術の費用は22万2,000円( 選択帝王切開は20万1,400円。令和2年度診療報酬点数表より)で、地域や医療機関に関わらず一律です。自然分娩と違い健康保険が適用され、この金額のうち3割が妊産婦の自己負担額となります。

また、自然分娩より入院日数が増える傾向があり、入院費用も高くなります。自然分娩の入院日数は平均4〜5日となるのに対し、帝王切開は平均6〜15日です。最大で10日ほどの開きが出てくるので、入院費が1日1万円としても、10日入院すると10万円になります。

帝王切開は自然分娩とは違って健康保険の適用対象となり、民間の医療保険からも給付金が出ます。

※施設の特徴と費用の違い

出産費用は個人病院、総合病院、助産所など出産する施設によって値段が変わります。以下に、それぞれの施設の特徴と、かかる費用をお伝えします。

施設1:総合病院:50万円以上

総合病院では、入院中に大部屋で過ごすことで費用を抑えることが可能です。設備がきちんと整えられており、緊急時には即座に対応できます。多くの人が行きかうので、人によっては入院のストレスを感じてしまうかもしれません。

施設2:個人病院:50万円前後約

各病院によって特色が出るのが個人病院です。入院中に軽い運動ができたり、リラクゼーションスペースがきれいだったり、自分のニーズに合った病院を選べば最適に過ごせます。ただし、豪華な病院を選んでしまうと、その分値段も高めです。

施設3:助産所:45万円前後

助産所は費用を安く抑えられます。アットホームな雰囲気で、助産師がしっかりサポートをしてくれます。しかし、帝王切開などの医療行為はできないため、緊急時は嘱託医師や医療機関と連携します。

妊娠・出産と民間保険の諸関係

関係1:出産時に保険金をもらえるのは帝王切開などの異常分娩

出産時に民間保険で給付金を受け取れるのは、帝王切開などの異常分娩です。異常分娩は医療行為のため、健康保険が適用されます。したがって、民間の保険でも支払対象となるのです。一方、自然分娩は健康保険が適用されないことから、民間保険でも支払対象外となっています。

一部、例外として自然分娩の入院に給付金がおりる保険もありますが、数は多くありません。

関係2:妊娠・出産時に適用される保険の種類

帝王切開専用の保険というものはほとんどなく、生命保険に医療保障特約を付帯させるか、医療保険を利用するのが主な方法です。『生命保険』は被保険者の死亡時に保障され、『医療保険』被保険者の治療時に保障を受けられます。生命保険には通常、医療保障は付いていないので、特約として付けるか、あらかじめ医療保障とセットになった保険に加入する必要があります。

医療保険には、入院保障や手術保障が付いています。ケガや病気の治療に備える保険なので、妊娠・出産時のもしもに備えるなら医療保険を検討しましょう。保険期間が一定期間の定期型医療保険に加入すれば、必要な期間だけ保障を得られます。

関係3:妊娠・出産において民間保険で保障されるもの

生命保険の特約や、医療保険で保障されるのは、原則入院費と手術費です。通院費が保障される保険もありますが、保障をプラスするとその分保険料が上がります。通院保障は退院後の通院を保障する契約が多く、入院前の通院に対しては支払対象外となる場合があります。

関係4:自然分娩を保障する民間保険

商品自体の数は少ないですが、少額短期保険の中には、自然分娩でも入院保障を受けられる商品があります。少額短期保険とは、保険期間が1~2年と短く、保険金額が少額に設定されている保険です。医療保険に関しては、保険金額の上限額は80万円に設定されています。自然分娩でも入院保障がほしい方は、ぜひ自然分娩を保障する民間保険を探してみてください。

妊娠前に保険に入った方がいい理由

理由1:妊娠後に保険に加入すると給付金が出ない可能性があるから

妊娠・出産に備えて保険に加入しておきたい、と考える女性は多いですよね。そんな時は、妊娠前から入っておけばいいのか、妊娠が分かってから入ったらいいのか悩みます。結論から言うと、保険加入は妊娠前がおすすめです。

妊娠後に保険に加入すると、基本的に、特定の疾病や特定の部位が支払対象にならない、という条件が付きます。妊娠中の方だと、以下のようなものが『特定疾病・部位の不担保』として支払対象になりません。

  • ・帝王切開
  • ・切迫流産
  • ・吸引分娩
  • ・子宮外妊娠 など

保険は、妊娠27週目までは加入できる商品が多いです。しかし、加入はできても妊娠・出産に関する疾病・部位については保険金がおりないケースがほとんどなのです。

理由2:帝王切開経験者は条件が付く場合があるから

一度帝王切開を経験した方は、これから医療保険に入ろうと思っても、妊娠・出産に関する疾病や部位に関しては不担保という条件が付く場合が多いです。

1回目の出産が帝王切開だった場合、安全性を考慮して2回目も帝王切開が推奨されます。帝王切開経験者は未経験者より保険が適用される可能性が高く、同じ条件で引き受けると不公平になってしまうため、不担保という条件が付いてしまうのです。

できるだけ、妊娠前や帝王切開をする前に保険加入しましょう。

なお、医療保険に加入する際は、告知書で過去5年間の手術歴を質問されることが多いです。その際、帝王切開の手術歴があれば、原則、特定疾病や部位の不担保特約が付いてしまいます。

帝王切開から5年以上経っているなど、告知書に記載された年数より前に受けた手術は告知義務がないため、帝王切開経験者でも不担保特約が付くことなく加入できます。

妊娠・出産を機会に加入を検討したい保険

検討したい保険1:学資保険

学資保険は、子供の教育資金を用意するための保険です。子育てにかかるお金の中で大部分を占めるのが教育費なので、その分を確実に用意するには学資保険の加入を検討しましょう。

学資保険に加入して保険料を払い続けた場合、高校卒業時や大学入学時に満期保険金としてお金を受け取ることができます。学資保険に加入するメリットの1つには、この時受け取るお金の額が支払った保険料の総額よりも大きくなることが挙げられます。

検討したい保険2:死亡保険

死亡保険は、家計を支える世帯主に万が一のことがあった時に、残された家族が生活していくお金を保障する保険です。出産で家族が増えると、世帯主の頑張りがますます重要になります。しかし、ずっと健康で事故にも遭わないとは限りません。世帯主に万が一のことが起きる可能性も十分考えられます。

そういった事態に備えて死亡保険を検討しましょう。

検討したい保険3:医療保険

医療保険は、病気やケガで入院や手術をした時にお金を受け取れる保険です。上でもお伝えしたように、世帯主の稼ぎは重要ですが、いつ何があるかわかりません。病気になったり、ケガをしたりして働けなくなる可能性もあります。そのような時に備えて医療保険を検討しましょう。

検討したい保険4:個人年金保険

個人年金保険とは、自分自身の老後の資金を備えるための保険です。公的年金と貯蓄のみでは老後の資金が心配という場合に入ります。

保険以外で出産費用を抑える方法

民間保険以外にも、公的補助を受けることで出産費用を抑えることができます。この項目では、妊娠・出産の時に知っておくとお得ないくつかの制度をお伝えします。

出産費用を抑える方法1:健康保険からの出産育児一時金を利用する

妊娠4カ月(85日)以上で出産した時、1児につき42万円が健康保険より『出産育児一時金』として支給されます。

これは、自然分娩、帝王切開だけでなく、早産、流産、死産などについても支給対象です。ただし、産科医療補償制度に未加入の医療機関等における出産の場合は、『40万8,000円』の支給となります。

出産費用を抑える方法2:健康保険から給与の3分の2相当の補助となる出産手当金をもらう

出産のため会社を休み、給与の支払いがない場合に受け取れるのが出産手当金です。出産日前の42日から出産の翌日56日目までが支払対象となります。支払われる額は標準報酬日額の2/3です。

出産費用を抑える方法3:高額療養費制度を利用する

帝王切開には健康保険が適用されるため、高額療養費制度の対象となります。高額療養費とは、その月の治療費が自己負担の上限額を超えた場合、申請することで超えた分のお金が払い戻しされる制度です。自己負担上限額は年齢や所得に応じて決定されます。詳しくは以下を参考にしてください。

出産費用を抑える方法4:医療費控除を活用する

1年間の医療費の支払いが10万円以上になった場合、医療費控除を利用できます。控除を受けるには、確定申告で税務署に申請しなければいけません。妊娠の診断を受けてからの定期検診、通院のための交通費など妊娠・出産のためにかかった費用の多くが対象となるため、領収書を保管しておいてください。

最後に

妊娠・出産にかかる出費を抑えるには、公的な補助制度や民間保険を理解しておくことが重要です。帝王切開などの異常分娩は、民間の医療保険が使えるので、気になる方は妊娠前の加入を検討したいところです。

また、出産の後も、養育費や学費など、子供を育てるのにはお金がかかります。様々な制度や保険を利用して節約していきましょう。